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【医師執筆】血圧を下げ血管を若返らせる「乳酸菌」が作り出す成分とは

乳酸菌と血圧はあまり関係が深くないイメージがありますが、乳酸菌がつくる成分で血圧が下がるのだそうです。「サイレント・キラー」として恐れられている高血圧を予防するためにも日々摂取したい乳酸菌をご紹介します。

後藤利夫

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目次

  1. ○乳酸菌がつくる成分が血圧を下げ、血管を若返らせる
     
    • 乳酸菌がつくる成分が血圧を下げ、血管を若返らせる

       ◎ラクトトリペプチド

       ◎GABA

      「サイレント・キラー」として恐れられている高血圧。自覚症状がほとんどないため放置されやすく、徐々に血管がむしばまれていき、脳梗塞のうこうそくや脳出血などの脳卒中のうそっちゅう狭心症きょうしんしょう心筋梗塞しんきんこうそくなどの命に関わる病気の原因となります。最近の研究によると、特に脳卒中は高血圧の影響が大きいことがわかってきました。

      脳卒中は、命が助かったとしても、運動機能や言語・認知機能などに障害が残りやすいのが特徴で、後遺症のために長年リハビリ治療を受けることになるケースもあります。
      高血圧というと、高齢者のイメージがあるかもしれませんが、30~40代の男性の30%、女性の10~20%が高血圧の状態であるといわれ、その多くは治療を受けていません。また、30歳以上の男性の60%、女性の45%という推計もあります。
      乳酸菌は、高血圧にも有効にはたらきます。
      「ラクトトリペプチド(LTP)」には、血圧を下げる効果があるといわれています。LTPは乳酸菌ではなく、乳酸菌がつくる成分で、カルピスの『アミールS』などに含まれています。
      血圧の上昇には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)という物質が関わっています。ACEは肥大化した脂肪細胞からつくられる物質で、体内でつくられるアンジオテンシンⅠを、血管を収縮させて血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡに変化させてしまう酵素です。
      このACEのはたらきを邪魔するのが、ラクトトリペプチド。ラクトトリペプチドを摂取することで血圧が低下することは、いろいろな実験で証明されています。
      ラクトトリペプチドには、血管年齢を若返らせる作用もあります。血管年齢が若いほど血管は軟らかく、弾力性に富み、血管年齢が高いと血管は硬く、狭くなり、動脈硬化が進んでいることになります。
      ある実験では、実年齢より血管年齢の高い女性の被験者を二つのグループに分け、片方には食事指導を行い、もう片方には食事指導は行わずにラクトトリペプチドを含む飲料を一日1回摂取させ、8週間後に再び血管年齢をチェックしました。その結果、食事指導だけのグループでは特に血管年齢の変化はありませんでしたが、ラクトトリペプチドを摂取したグループでは、平均5歳もの年齢低下が認められました。
      また、乳酸菌がつくるGABA(ギャバ、γアミノ酪酸)というアミノ酸の一種も、高血圧予防効果があるといわれています。血圧を上昇させる要因の一つに、交感神経系のノルアドレナリンという ホルモンがあります。GABAには、このノルアドレナリンの分泌を抑制し、血圧の上昇を抑えるはたらきがあります。GABAは、ヤクルトの『プレティオ』などに含まれています。
      そもそも、ヨーグルトを食べるだけでも高血圧予防につながります。
      乳酸菌を含むヨーグルトには豊富なミネラルが含まれていますが、なかでもカリウムは体内のナトリウムを排出させる役割を果たします。血管内にナトリウムが多いと、浸透圧の関係で水分が多くなり、そのために血圧が上昇します。カリウムは余分なナトリウムを体から排出させるので、それが血圧を下げる一因となるのです。

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後藤利夫

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