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「強い」は間違い?禅でいう「天下無敵」の本当の意味

「天下無敵」という言葉は一般的に「強い」「勝利する」「競争に負けない」などの意味が含まれますが、禅の意味ではそれは正しくありません。では、本来はどのような意味なのでしょう。競争社会でいつしか染みついた自分の愚かさにハッとさせられる禅的「天下無敵」の意味をご紹介します。

植西聰

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目次

  1. ○敵に打ち勝つ生き方よりも、敵を作らない生き方がいい
     
    • 敵に打ち勝つ生き方よりも、敵を作らない生き方がいい

      禅の言葉に、「天下無敵てんかむてき」というものがあります。
      これは、一般的にも、よく使われる言葉です。
      「論争をやらせたら、あの人は天下無敵の強さだ」などといった言い方をします。
      そこには「強い」「勝利する」「競争に負けない」といった意味が含まれています。
      しかし、禅でいう「天下無敵」には、そういう意味はありません。
      それは、誰かと言い争って、その相手を打ち負かす、ということではないのです。
      禅でいう「天下無敵」は、「この世界で、敵を作らない」ということなのです。
      さらにいえば、「敵がないということが、自分自身の安らかな人生につながっていく」ということです。
      誰かと激しく言い争えば、その相手は自分を敵視してくることになるでしょう。
      さらに、その相手をコテンパンに打ちのめしてしまえば、その相手は一層強くこちらを敵だと認識してくるに違いありません。
      禅でいう「天下無敵」という言葉は、「そのようなことをするのは、愚かなことだ」と教えているのです。
      そんなことをして、自分の周りにたくさん敵を作ってしまえば、結局、嫌な思いをするのは自分自身なのです。
      自分を敵視する人たちは、復讐ふくしゅうしてくるかもしれません。そうなれば、自分自身が辛い思いをしなければならなくなるのです。
      そうならないために、「誰とも仲良くつき合っていくことが大切」ということを、この禅語は指摘しているのです。
      誰かと言い争いを起こしそうになったとき、この「天下無敵」という禅語の意味を思い出し、賢明な対応をしてほしいものです。
      ◎敵を作らないことは、自分の心の安心につながる。

心を休める習慣

植西聰

三五館

第8章 人間関係に疲れたときの心の休ませ方より

ラクになる、幸せになるためのコツは、ほんのちょっとの「ひと休み」。当たり前なのに誰も気付かなかった簡単すぎる“休み方”いますぐその場で実践できる、毎日の「心を休める習慣」。

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