地球温暖化の原因と影響

Ａ　それは水の循環のバランスが狂ってしまう可能性が大きいから。地球は水の惑星。水は、水蒸気、雲、雨、川、海、氷と、姿、形を変え、地球を循環している。そして水蒸気は地表を暖めてくれるし、雲は太陽エネルギーを反射し熱を宇宙空間へ逃がす働きをするし、雨は地表の温度を冷やす働きをする。また、海流は赤道付近の熱帯の海から高緯度の海へと熱を運ぶ。このように地球上の「水」は地球の気候・毎日の気象にとってとても大切なもの。

ところが地球が温暖化すると、すべての地域で平均気温が上昇、極の氷が溶け出すなんてことになる。事実、１９５０〜１９７０年代のはじめまでに、北極の氷は10〜15％溶けてしまったという。南極の氷も、今も、ものすごいスピードで溶けているという。このままでは南の島々は、近い将来海に沈み、いつの日か日本も水浸し、となってしまうだろう。

生態系もメチャクチャになるはずだ。これまで何千年も何万年もほとんど同じ環境でいたから、その環境に適した植物が育ち、動物も住み着いた。ところが環境が変わってしまうことにより、住みづらくなる。まず移動できない植物から滅び、その植物を食糧としていた動物も滅んでしまうだろう。

Ａ　事実、サハラ砂漠が毎年５キロメートルずつ南へ広がっているし、中国内陸部でも砂漠化が問題になっている。砂漠化の原因は、ひとことで言うと、土壌が侵食されてしまうこと。侵食とは、無理に作物を植えて多くの収穫を得ようとしたり、過放牧、森林伐採などが原因で土地が荒廃、栄養分を失ってしまう現象だ。水分も栄養分も失った土地は、やがて砂漠化してしまい、一度砂漠化した土地は、簡単にはもとのような土地には戻らない。実はここでも温暖化が、砂漠の拡大に拍車を掛けている。温暖化によって、乾燥地帯の雨はますます少なくなると予想されるのだ。これは、さらに飢餓難民が増えていくということにほかならない。

Ａ　最も大きな原因は二酸化炭素などの「温室効果ガス」が増え続けているからだ。近代になって人類は、化石燃料をエネルギーとしてきた。化石燃料とは、石炭・石油・天然ガスなどのことで、世界中で使われているエネルギーのもとは75％以上が化石燃料だ。そして、これらを燃やすと大気中の二酸化炭素が増えてしまう。蒸気機関などが発明された産業革命以後、地球は急激に温暖化してきたのだ。

温室効果ガスには、二酸化炭素のほかに、自然のものや埋め立て地などからも発生するメタンガス、自動車の排気ガスなどに含まれる一酸化窒素、冷蔵庫のフロンガスなどがある。これらのガスや水蒸気は、内側の熱を外へ逃がさないという性質、「温室効果」がある。ところで温室効果ガスの中では二酸化炭素は、温室効果は小さい。しかし、それが最大の原因であるということは、それだけとてつもない量の二酸化炭素が排出されているということにほかならない。皮肉にも「地球温暖化」は、人類の目覚ましい発展と経済活動の大きな成長がもたらしたものなのだ。