目次
- ○レモンと酢の酸味成分が代謝機能を高める
- ○レモン酢の作り方
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レモンと酢の酸味成分が代謝機能を高める
レモンに含まれるビタミンCには、血管や皮膚、骨に必要なコラーゲンの生成を助ける作用や、免疫力を高める効果などがあります。そのレモンをお酢で漬けたレモン酢は、高めの血糖値や血圧を下げたり、肥満を予防することにも一役買ってくれるのです。レモンの酸っぱさのもとであるクエン酸は、体内に取り込まれた糖分を分解・消化する過程でエネルギーに転換するクエン酸回路(TCAサイクル)の働きをもっています。また、疲労物質である乳酸を分解してくれます。同じく、酢に含まれる酢酸はこのクエン酸回路の働きを助けるだけでなく、血圧低下や脂肪燃焼、食後血糖値の上昇を抑える効果があることもわかっています。このようにレモンと酢の相乗効果を得られるレモン酢ですが、はちみつを加えて作ることで、さらにその健康効果をアップさせることができます。はちみつの糖分のうち、主となるブドウ糖はクエン酸回路にも関わる大事なエネルギー源です。レモンによってクエン酸回路がうまく働けば、それだけ早くエネルギーに変換され、脂肪分として蓄積されるのを防げます。また、はちみつの豊富なミネラル類もクエン酸が包み込んで吸収しやすくする働き(キレート作用)で効率よく体に取り入れることができるのです。さらに、クエン酸回路を活性化させるビタミンB群が含まれているのも見逃せません。レモン酢は皮付きのレモンを漬けるので、皮に多いポリフェノールやペクチンがとれるのもよい点です。1日大さじ3杯を目安に水や白湯、お茶などで薄めてとってください。とる量は、多くても大さじ5杯までにとどめましょう。また、残ったレモンにも栄養素がたっぷり含まれているので、捨てずに食べることをおすすめします。レモンのビタミンCは柑橘類でもダントツ!
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(可食部100gあたり)
レモン(全果) 100㎎
レモン(果汁) 50㎎
オレンジ(果実) 40㎎
すだち(果汁) 40㎎
グレープフルーツ(果実) 36㎎
ライム(果汁) 33㎎
温州みかん(果実) 32㎎
レモンでも皮まで含んだ全果だと果汁の2倍ものビタミンCが含まれていることがわかる。レモン酢のように皮まで漬ければ、余すことなく栄養素がとれる!出典『日本食品標準成分2017』(七訂) -
レモン酢の作り方
材料(作りやすい分量)
レモン(国産が望ましい)…1個(約100g)
はちみつ…約100㎖(レモンと同量に)
穀物酢…約200㎖(レモンとはちみつを足した分量と同じに)
作り方
1 レモンはさっと水で洗ったら、塩(分量外・小さじ1程度)をまぶしつけ、こするようにして表面の汚れを落とす
2 ボウルに熱湯と1 を入れ、菜箸などで混ぜるようにして全体を洗う。熱湯から取り出して流水でさらに洗い流し、水気をふきとる
3 2を5㎜ほどの厚さの輪切りにする
4 煮沸消毒した保存容器に3 を入れて、はちみつ、穀物酢を注ぎ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる
5 ふたをして、冷蔵庫に1晩置く
【保存方法】
・冷蔵庫に入れて、2 週間を目安に食べ切る
・レモンを取り出すときは清潔な箸やスプーンを使うこと
イシハラクリニック副院長 石原新菜先生のプロフィール
医師。小学2年生までをスイスで過ごす。医学部卒業後、2年間の研修医生活を経て、現在は父・石原結實医師のクリニックで、漢方医学や食事療法による治療にあたる。日本内科学会会員、日本東洋医学会会員など