目次
- ○ツンとくる酢酸にパワーが秘められている
- ○とくに注目すべきはダイエット効果
- ○酢をとって10週間で血圧が下がった
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ツンとくる酢酸にパワーが秘められている
酢は砂糖、塩と並んで世界中で愛用されている調味料。昔から「酢は体によい」といわれてきましたが、近年そのさまざまな効果が科学的に証明されています。その影響もあるのでしょう。最近は酢を使った健康飲料が登場したり、酢をドリンクメニューとして楽しめるカフェができたりなど、酢の楽しみ方も広がっているようです。穀物酢、米酢、玄米酢、黒酢、りんご酢、ぶどう酢など、原料となる素材によって、酢にもさまざまな種類があります。しかしどの酢も約90%の水分と、4〜5%の酢酸でできています。酢酸は酢特有のツンとする成分で、これから説明する酢の健康効果はすべて、この酢酸によるもの。このほかに含まれている有機酸は、穏やかでやわらかな酸味のグルコン酸、さわやかでかすかな渋みのあるりんご酸、強い酸味だけれどツンとしないクエン酸、コクのある酸味のコハク酸などがあります。 -
とくに注目すべきはダイエット効果
研究で実証された酢のパワーの中でも代表的なものがダイエット効果でしょう。大手醸造メーカー研究所がBMI25以上30未満の肥満気味の人を対象に、「毎日大さじ1杯(15㎖)の酢をとり続けると、どんな変化があるか」という実験を行いました。すると12週間後には、内臓脂肪が約5%も減ったというのです。また内臓脂肪だけでなく、総脂肪(内臓脂肪+皮下脂肪)も、酢をとった人たちのほうが酢をとらなかった人たちよりも有意に減少、腹囲もサイズダウン、体重も約1・2㎏減少しました(お酢パワーその①)。酢の酢酸が体内に入ると、細胞の中にある脂肪を燃やす遺伝子が活発に働き始めます。すると脂肪の分解を助けるタンパク質が増えるため、脂肪がたまりにくくなり、体重やサイズがダウンしたと考えられます。内臓脂肪が増えすぎると糖尿病や高血圧、脂質異常症を招いたり、血管の炎症や血栓ができやすい状態になったりします。内臓脂肪を減らすということで、単にやせるだけでなく、こうしたさまざまな生活習慣病を予防できる、という効用も得られるでしょう。お酢パワーその① ダイエット効果
腹部の内臓脂肪面積(CT写真)の変化
体重も減った
大さじ1杯(15㎖)の酢を含む飲料500㎖を朝晩2回に分けて12週間毎日とり続けたら、内臓脂肪が約5%減少。また、体重も約1.2kg落ちた※mizkan「肥満気味の方の内臓脂肪の減少」より -
酢をとって10週間で血圧が下がった
また酢の酢酸自体にも、血圧を上げるホルモンを抑制する働きがあります。実際、血圧が高めの人が毎朝15㎖の酢をとり続けたら血圧が下がり、10週間摂取後の平均低下率は、最高血圧で6・5%、最低血圧で8・0%という素晴らしい血圧降下が見られました(お酢パワーその②)。さらに動脈硬化を促す血中中性脂肪の値が、酢をとることで低下した(お酢パワーその③)というデータもあります。こうした効果は、どんな酢でも同様に得られますが、大事なのは大さじ1杯の酢を毎日欠かさずとること。酢を使った料理を毎日考えて作るのは大変なので、手軽に飲めるりんご酢をおすすめします。りんご酢はさわやかな酸味で香りもよく、そのまま飲んでもおいしいですが、牛乳やジュースなどに加えれば、ヘルシードリンクになります。また、油や塩などを混ぜてドレッシングにしてもよし、野菜を漬けてピクルスにしてもよし。りんご酢ならより簡単に、毎日の食事に取り入れることができるでしょう。私のおすすめのりんご酢アレンジを紹介します。気になったものから試してみて、毎日大さじ1杯お酢を飲む習慣をつけましょう。お酢パワーその② 高血圧対策
血圧を下げる
血圧が高めの人が、食酢約15㎖を含む飲料を1日100㎖、10週間毎朝続けてとったところ、血圧が低下した※mizkan「高めの血圧の低下」よりお酢パワーその③ 血液ドロドロ対策
血中中性脂肪が減少
血中中性脂肪が高めの人が食酢約15㎖を含む飲料を1日500㎖l朝晩2回に分けて12週間毎日とり続けたところ、血中中性脂肪が減少。12週間摂取後の平均減少率は18.2%※mizkan「肥満気味の方の内臓脂肪の減少」より