目次
- ○読書好きの女性が圧倒的に結婚が決まる不思議
- ○いい男とお見合いで居心地良く過ごせても、断られる可能性あり
- ○いい男の心を鷲づかみにするシンプルなテクニック
- ○読書がアダにならないために、気をつけること
- ○まとめ:読書で男心をつかむ技術
読書好きの女性が圧倒的に結婚が決まる不思議
明らかに、婚活を早く終える人には傾向がある。私は、結婚相談所を始めてから1年が経過したときに、結婚が決まる人と決まらない人のプロフィールを分析した。もちろん、年齢や体型は影響しているが、他にもっと意外な事柄がある。それは、1年以内に結婚が決まる女性の8割が、趣味の欄に「読書」と書いていたことだ。プロフィール全体では4割しかいない。これは明らかに異常値である。「えっと確か……」私は、成婚した女性のプロフィールの中から1枚のプロフィールを取り出した。それは、さきこさんのプロフィールだ。
さきこさん 体型がややぽっちゃり。歳相応のルックス。地味な印象。実家暮らし。
年齢:40歳 職業:中小企業の事務 趣味:読書、映画鑑賞
年収:約350万円
そしてもう1枚のプロフィールをとなりに並べた。それは、さきこさんの婚約相手だ。
としたかさん スポーツマン、イケメン、上場企業に大卒からずっと勤務。一人暮らし。
年齢:42歳 職業:上場企業正社員 趣味:勉強、読書
年収:約800万円
「としたかさん、他にも若くて綺麗な子をたくさん紹介したのに」事務所で一人ぽつりとつぶやいた。そう、としたかさんには20代後半から30代前半の女性も紹介した。お見合いをプロフィールで断られることもなかったし、お見合いをした後に一度も断られたこともなかった。ひたすら、彼が首を縦にふらなかったのだ。お断りの連絡をお見合い女性に入れるたびに、「なんでですか」と食い下がられた。「すごく話しやすかったし、話も盛り上がったのに!」ととても残念そうだった。見た目も麗しい20代女性たちは、「40代でもとりあえず会ってみようと妥協して会ってみたら運命を感じたのに、なんで相手から断られるのか納得いかない」と怒りをあらわにした。なぜ、としたかさんは40歳のさきこさんを選んだのか。ちょうど、婚約の挨拶をしたいと彼が申し出てくれたので、1週間後にいつもの喫茶店で会うことになった。「お久しぶりです!」彼は、グレーのスーツに白いシャツをのぞかせて、さわやかな笑顔で迎え入れてくれた。待ち合わせ時刻よりも随分早めに来ていたのか、珈琲も半分以上飲み終えていた。テーブルの上には、法律関係の難しい本が置かれていた。「大西さん、お世話になりました。ありがとうございます!」彼は深々と頭を下げた。「いえいえ、結婚は導きですから。で、ですね、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……」「はい? どういったことでしょうか」「私、今まで若くて綺麗な人をいっぱい紹介したと思うんですよ。なんでって言ったらおかしいかもしれないですが、なぜ40歳の彼女がいいって思われたんでしょうか」「ああっ! そういうことでしたか。何かアクシデントでもあったのかとドキドキしちゃいましたよ」と、笑顔で話をしてくれた。-
いい男とお見合いで居心地良く過ごせても、断られる可能性あり
「確かに、綺麗な子も若い子もいましたけれど……。会話がしんどかったですね」「えっ、しんどかったんですか? 彼女たちは話しやすくて楽だったって言ってましたけど?」「そうでしょうね。僕が話題を合わせていたから。女性って必ず『お仕事何をしていますか?』って聞くじゃないですか。僕の一番の関心事はまさに仕事なので嬉しい話題なんです。でも、僕の仕事の話をしたらみんな退屈そうにしていました。著作権がどうとかコンプライアンスがどうとか興味ないって感じがすごく伝わってきて……。それで会話をガラッと変えて、ファッションの話をしたり、映画の話をしたりしましたね。婚活のために、女性誌を読んだり僕も関心を持つようにしていたから、話題の引き出しはたくさん用意していましたし。でも、すごく疲れました」なるほどっ! 彼とお見合いをした女性たちが、「また会いたい!」という気持ちになるのは、彼が女性の様子をうかがいながら、彼女たちのペースに合わせて話題を提供したからなのだ。つまり、いい男とお見合いで居心地良く過ごせたとしても、そのお見合いは失敗している可能性もあるのだ。きっと、彼女たちは自分が楽しいから、彼も楽しんでくれたと勘違いをしたのだろう。落胆した女性たちの顔を思い浮かべながら、思わず両手を顔にあててしまった。 -
いい男の心を鷲づかみにするシンプルなテクニック
「でもね、大西さん。ちょっとここからノロケ入っちゃうんですけどいいですか?」乙女のように顔をあからめた。この人、こんなかわいらしいところもあったのか。「もちろんです。どんどんノロケちゃってください!」「なんか、恥ずかしいですね。じゃあ……」彼は照れながらも、話を続けた。「さきこさんは、会って話を始めたときから違いました。それは何かというと、会話です。今までの女性は僕が仕事の話をしているとき、退屈そうにしていました。でも、彼女は違いました。とても興味深そうに聞いてくれていたんです。もっと嬉しかったことは、その仕事について会話をふくらましてくれたことです。『コンプライアンス契約では特にどういうところに気をつけるんですか』などと法務の仕事に関して具体的に質問してくれました。初めて、僕が興味関心のあるトピックで盛り上がれた相手でした」「わー、それは嬉しいですね」「そうなんです。気をつかわないでいいというのは大きなポイントですよ! 気をつかわずに何でも話せて楽だなと思いました。これが他の女性とは全然違いました」そうか、いい男の心を開くには、彼の興味関心がある話題を中心に盛り上がれるようにすればいいのだ。勉強になる!でも、彼女は中小企業で事務の仕事をしている。普通に考えると、法務関係の話題の引き出しがあるとは考えられない。私は、この謎を突き止めるために、さきこさんにもインタビューをしてみることにした。若くなくても、美人でなくても、婚活で素敵な人と結婚できる秘訣が隠されているかもしれない。私はそう直感して、その日の夜、アポイントメントをとった。3日後、いつもの喫茶店に彼女は時間通りに現れた。黒のカーディガンに紺色のロングスカート。髪の毛を一つにまとめて黒ぶちのメガネをかけている。決して若い女性でも美人な女性でもスタイルの良い女性でもない。「さきこさん、さっそく質問なのですが、お見合いのときに、どうして彼の仕事関係の話題をふくらますことができたんですか?」「えっ」彼女はキョトンとした顔をした。「大西さんからプロフィールをもらった段階で、彼のお仕事関連の本は3冊ぐらい読みました。私、お見合いのときはずっとそうしてきましたよ」――あっ、よく考えると彼女も男性からお見合い後に断られたことがない。そうか、そうやっていつも「予習」をしてからお見合いをしていたのだ。「さきこさん、すごいですね。男性の仕事関係の本をあらかじめ読んでおくなんて!」私が感激をしていたら、彼女から思わぬ回答が返ってきた。「えっ。じゃあ、みなさんお見合い中に一体どんなことをお話ししているんですか。男性って普通仕事が一番ウェイトが大きいですから、その話をしたほうが盛り上がるじゃないですか。それに、月曜日から金曜日まで働いて、疲れもとれないまま土曜日にお見合いですよ。だから会話で負担がかからないようにしなきゃといつも思っていました。だから私がお相手の男性の仕事の話題をふくらませられるようにしたら、いいなと。それで本を読んでいましたね」「大西さん、ただ話題の持っていき方によっては嫌われる危険性もあります。これは私が家族経営の会社で事務という名の雑務をしていたから気がついたことです」おお、これも気になる! -
読書がアダにならないために、気をつけること
「男性が生きている上で最も大事にしているのは、『メンツ』と『プライド』です。つまり顔をつぶしたり、立場をなくしたりするようなことをしないように気をつけなければいけないのです。私は、社会人になったばかりのとき、それがわからなくて、よく職場の男性を怒らせました。気をつけることは2つです。一つめは、『あ、それ知っています』って絶対に言わないことです。そもそも知識だけで『知っている』というのはおこがましいです。男性はずっとその分野でお給料をもらって働いていることを忘れてはいけません。知らないふりをするのが辛いのなら、『わあ、本で読んだんですけど、さらに勉強になりました。ありがとうございます』と言えばいいですね。私は知らないふりをするのが苦手なので言い回しに気をつけるようにしていました。2つめは、雑に話を聞かないことです。読書で知識を得てしまうと、『あ、この話知ってる。最後まで聞くのめんどくさい』って気持ちになってしまうんです。でもそこは忍耐です。結末がわかっていても、雑に聞かないようにしなければいけません。これが知識を持っているときの辛いところですね。いったん雑に聞くと、男性は『この人、この話に興味ないんだな』とさっさと話したいことを切り上げてしまいますから」ま、参りました!「若くないからうまくいかない」「容姿が良くないからダメ」と、自分をネガティブに考えて、踏み出せなくなる女性は多い。さきこさんも同じ試練を抱えていたが、前を向いて自分ができることをした。読書は誰にでもできることだから、すぐに取り組んでみよう! -
まとめ:読書で男心をつかむ技術
・お見合いが決まったら、男性の仕事関連の書籍を読む
・「あ、知っています」と言って話の腰を折らない
・雑に話を聞かず、結末がわかっていても、最後まで丁寧に聞く
となりの婚活女子は、今日も迷走中
第3章 男心をがっちりつかむ女性たちより
結婚相談所で起きている本当の話! 私、この本の原稿を読んだら結婚出来ました! ―30歳 書店員 年下男に捨てられる女、結婚できる女 SNSで自爆する女 インスタグラムで男の心をつかむ女……。 「◯◯したらうまくいきます」という上っ面だけの婚活テクニックでは、そのテクニックが自分に役立つかどうか定かではありません。 だから、本書ではあえて徹底的に現場の生々しい具体例を全ての章に入れ込んであります。 婚活中の人たちが「こういうことあるよねー」という「あるある」の事例を読むことで、問題意識を呼び起こし、具体例に登場する男女への徹底取材から導き出された、本当に役に立つテクニックを提示してあります。 全事例は、エグいほどの現場事例です。結婚相談所で起こる醜いドロドロとした人間模様も描かれています。 ただ、笑って読めるようなエンターテイメント性もしっかりと入っています。 これらの工夫によって、この本は、従来の婚活本では絶対に得られなかった解決策を身につけられるようになっています。