目次
- ○元カレと別れなければ、今の人と出会えてない。あなた、ラッキーよ
- ○うふふ。愛のダメ出しよ♡
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元カレと別れなければ、今の人と出会えてない。あなた、ラッキーよ
つらい結果に終わった恋が、あとあとまで自分に影響を与えてしまう。そういう経験がある人、多いのではないかしら。そんな方からのご相談です。
「同棲していた彼との婚約を破棄して2年。その人とは親友から恋愛に発展したパターンにもかかわらず、最後は女性&金銭問題でもめ、人間不信に陥った時期も。そんな私に、気になる男性が出現! 元カレに未練などないし、新しい恋に踏み出したい気持ちでいっぱい。なのにある日、その男性からあるマニアックな映画をすすめられ、それが元カレも大好きだった映画で絶句…。そう、その彼に、前の彼と似た部分を見つけると、無意識に引いてしまう自分がいるのです。『見る目のない自分は、また同じ失敗を繰り返すのでは?』と。こんな私が相手と、また自分と上手につきあうにはどうすればよいですか?」(33歳・編集者)
まず最初に。元カレのダメな部分が明らかになったのが結婚前で、本当によかったわね。アタシ(高山真)の周りの離婚経験者が口をそろえて言っているのだけれど、結婚より離婚のほうが何倍も大変だし、面倒くさいもの。おつきあいが婚約破棄で終わったのに「よかった」だなんて、不謹慎とか冷酷だと思う方もいるかもね。でも、それにはアタシなりの理由があるのです。あなたも薄々感じているように、過去のひどい恋愛がトラウマになっている可能性はあると思う。そのトラウマを、少しでも軽くすることが、あなたのご相談の最後の部分、「こんな私が相手と、また自分と上手につきあう」ための重要なカギになってくると思います。だからアタシは、何より強調したいの。あなたは、結婚前に元カレのだらしない部分がわかって、ラッキーだったんです。その大前提のもとに言わせていただくなら、元カレと今の彼氏候補くんに共通項が出てきてしまうのも、極めて自然なことだと思うの。「元カレとは親友から発展した」というあなたなら、「恋人に求めるものは、まずルックス」ではなく、「交際には、内面が合うかどうかを重視する」ように思えるから。ルックスの好みがなかなか変わらないのと同じで、内面の好みもそうそう変わるものではないのよね。だから、あなたの「マニアックな映画を好むオトコに惹かれる」という部分も、劇的に変わることはないと思うの。でも、それを「こんな私」なんて卑下する必要、まったくないわ。先ほど言ったように、誰もが「内面の好みもそうそう変わるものではない」のだから。歴代のボーイフレンドたちに、大なり小なり、似ている部分があるのも仕方のないところよね。ちなみにアタシは、昔、ルックスから入ったオトコの子と映画デートをして心から後悔したオンナ(正確にはゲイ)。フランソワ・オゾンやペドロ・アルモドバルの新作に血が騒ぐアタシと、日本のホラー映画しか見ないハンサムくんが、話なんて合うわけがなかったわ。うふふ。アタシは、恋やアバンチュールがらみで自分に降りかかった災難は、「うふふ」という単語でもおわかりのように、ネタというかギャグにして昇華してしまおうと努めるタイプです。というのもアタシは、「起きてしまったこと自体は変えられないけれど、それをどう解釈するかは変えることができる。ある経験をネタとして面白がるのと同時に、その経験から何かを学ぶこともできる」と強く信じているから。これは、恋愛に限らず、人生に対するアタシのスタンスそのものと言ってもいいと思います。2007年に、9歳下のパートナーに先立たれたときはさすがに「面白がる」のは無理だったけれど、残された彼の病弱なお母様との関係を、彼なしでつむぎ直していく中で、「自分なりに得るものはあった。あのとき、悲しみで自分だけの世界に閉じこもらなくてよかった」と今でも思えるの。はっきり言えるのは、
「元カレと別れていなければ、今の人と出会うこともなかった」
ということ。そう考えたら、やっぱりラッキーでしょ?
今の人とおつきあいを深めていく中で、その人の「元カレとは違う部分」にたくさん触れることでしょう。そのたびに、あなたは何かを学んでいくと思う。そうして積み上げる「解釈」が、「金銭問題も異性問題もない。元カレなんかよりはるかにバージョンアップされたタイプだわ」であることを、心から祈っています。「昔の彼と今の彼は、違う人。どこからどう見ても、今の彼のほうが上」という、当たり前で、でもハッピーな結論が、自然に生まれますように! 頑張ってね! -
うふふ。愛のダメ出しよ♡
つらい過去はネタにして、笑って学んで昇華させるの。
それで未来って変わるわよ
恋愛がらみ。
元カレと別れなければ、今の人と出会えてない。あなた、ラッキーよより
「知的ゲイは悩める女の共有財産」とジェーン・スーさんも本書を絶賛! マツコ・デラックス、ミッツ・マングローブ両氏とも旧知の間柄、フリーランス編集者でエッセイストの高山真、待望の新刊は「愛のダメ出し」満載の新感覚幸福論です。