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幸せな結婚生活を手に入れるにはスピード婚?ゆっくり婚?

「スピード婚」と聞くと、「すぐに結婚生活がうまくいかなくなりそう」とか「離婚率が高そう」というイメージを持つ人は多いですよね。出会ったときの高まる感情だけで突発的に決めるより、じっくりと長く付き合い、相手の性格や考え方を見極めたいと思うのが一般的です。そんな中、下田美咲さんがあえてスピード婚を推す理由とは?

下田美咲

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目次

  1. ○交際と結婚の違いは「決意」にある
  2. ○石橋を叩きすぎて割っていない?
  3. ○お互い特別な存在と実感できるように
     
    • 交際と結婚の違いは「決意」にある

      幸せな結婚生活を手に入れるにあたって、私(下田 美咲)はまず「スピード婚」をオススメする。
      さらに言うと、スピード婚からの即妊娠(ベストはハネムーンベイビー)からの妊娠をキッカケに同居をする、というこのコースが素晴らしい。私自身がこのやり方をしたのだけれど、ことあるごとにそのことを「大正解だった!」と思っていて、「ああスピード婚で良かった」「ああ即妊娠で良かった」「ああ同居スタートが妊娠期間で良かった」と、それも「命拾いした……」というような意味で「ああ本当に、この段取りで良かった!」と思う機会が、結婚生活を送る中で(まだ新婚なのに)すでに山ほどあったので、これはもう強く推します。
      スピード婚が良い理由としては、そもそも論で、交際も同棲もプレ結婚にはまったくならないからする意味ないよってこと。それらは、お試し期間として機能していない。「結婚したらどんな人なのか」「結婚してうまくいきそうなのか」というのは、結婚する以外では知りようがなく、交際を通してわかるのは「付き合う場合にどういう人なのか」でしかない。同棲してわかるのも「彼女と暮らすとどんな人なのか」でしかない。それって、結婚後のその人をリサーチする材料にはなっていない。つまり夫としてどんな人なのかは、夫として過ごしているその人を見るしかなく、それ以外の姿は参考にならない。
      そもそも交際や同棲という選択をしているときは、相手に対して結婚の決意ができていないわけだから、腹もくくれていなければ覚悟も決まっていなくて、その程度の態度になっている。そういう付き合い方だから、それは結婚後の向き合い方とはまったく違う。
      とくに同棲は絶対にしない方がいい。
      なぜなら同棲をすると「暮らす」という距離に入るため、相手の色々なことが見えてしまうけれど、そのわりにまだ口を出してはいけないことだらけな間柄だから、とにかく余計なストレスが溜まる。そして、彼氏モードの(腹をくくってない)彼に対して、つい夫用のチェックシートを当てて採点を始めてしまい、変に減点しちゃったりもする。これも良くない。
      同棲をして暮らす距離に入ってしまうと、お金や時間の使い方、生活習慣などで、目につくことや気になることが山ほど出てくるけれど、たかだか彼女や彼氏ごときというのは、そこに口を出せる立場ではないところが本当に難しい。「いや、私は言うよ! 我慢できないから言っちゃうよ!」という人をよく見かけるけれど、言うのは別に自由だが相手からしたら「あなたのためにそこを変えようとは思えない」「うるさい」「面倒くさい……」という話であり、出すぎたマネは嫌われるのでやめた方がいい。
      結婚していないということは、結婚するほどの相手じゃない、と思っているということ。「結婚するほど特別だ!」とはまだ思えていない存在である、たかだか彼女や彼氏ごときにそこまで口を出されると、多くの人は「嫌だな」と感じる。
      混同されがちだけれど、同棲することと、結婚をして同居をすることは、まるで違う。そして、同じ男女の組み合わせで一緒に暮らすのであれば、結婚して同居をする方がよっぽどうまくいく。
      同棲したために相手に対して「嫌だな」と感じる機会が生まれてしまい、それが積み重なった結果として、結婚する気になれなくなり、破局してしまうカップルをこれまでたくさん見かけてきた。
      そうやって破局してしまうと、たいていの人が「二人の相性のせい」「その程度の二人だったんだ」「それまでの恋だった」などと考えるけれど、そうではなくて、それは同棲という距離の性質のせいだ。だって、もしも私が夫と結婚前に同棲していたら、結婚までいけずに破局していたんじゃないかなぁ、と思うから。
      相手から結婚相手に選ばれていない段階では、お金や時間の使い方、生活習慣に口を出すとウザがられるし嫌われてしまう。
      よって、口を出せない間柄のときは、そういうのが見える距離には入らないでおくべきだ。その方がお互いに好きでいられるから、結婚が遠ざからない。
      そういうのが見える距離まで近づいてしまうのであれば、結婚という形をとる。相手のことが大好きで「ずっと一緒にいたい! 絶対に別れたくない!」と思うときほど、そこはこだわった方がいい。
      別れずに済むようにするために、同棲は避けて結婚に持ち込むのが得策。「結婚してうまくいく相性なのかどうか確認をして、良さそうだったら結婚したい……」なんて中途半端なことを言って石橋を叩いていると、恋心も愛情も中折れしてフィニッシュできなくなるから要注意である。
    • 石橋を叩きすぎて割っていない?

      結婚してみて実感するのは、夫婦は彼氏彼女の延長線上にある関係ではないし、結婚と交際もまったくの別物だということ。
      結婚をしたら、あれもこれも口を出していい存在になれる。そんなことでウザがられない。「たかだか彼女ごとき」ではない「俺の妻」に対して男の人は、こちらがビックリするほど独身時代のスタンスを曲げることができるし、頑張れる生き物だと、夫を見ても、結婚した男友達を見ていても思う。
      全国の石橋叩き女になっている彼女さんたちに安心してほしいのが、男性にとって妻って本当に超ウルトラスーパー特別な存在だから、妻に言われたらかなり直すし、けっこう変える、ということ。つまり交際や同棲をしている中で「こういうところが嫌だなぁ……」と減点していたようなところも、結婚後は変えてくれる可能性が大いにある。
      だから結婚前の彼を見て、そこに結婚後の生活を見出すのはムダ。これは良くも悪くも、彼女に見せているのは外面であり、妻に見せるのは「自分でも自分がこんな人って知らなかった」となるような内なる自分なので、まったくの別人なのである。
      結婚していない女に対しているときの、腹のくくれていない、覚悟も決まってない、そしてまだカッコつけている、そういうモードの彼に対して「この人と結婚したら、こうなるんだろうな」と覚悟したり(それで勝手に心折れたり)、「この人と結婚したら、こうなるんだろうな♡」と期待したり(そして夢を膨らませたり)、どっちもするべきではなく、それらは当たらないから、そんな関係ない姿を参考にしちゃダメ。
      たとえば私は今、夫のご飯を毎日作っているし、掃除や洗濯などの基本的な家事もすべて担当しているけれど、同棲だったらまずやらない。実際に過去、付き合った相手にご飯を作ってあげたこともないし、同棲をしたときも家事はしていなかった。
      それに、今はもう結婚したから他の男の人と遊ぼうとは考えていないし、飲み会も当たり前に行かない方針だけれど、結婚していなかったら別に普通に行く。
      それは私にとって、結婚と交際では、あまりにも違う覚悟を持って決意していることだから当然で、ごく自然に変化したことなのだけど、もし私たちが即結婚ではなく「まずは付き合ってから」とか「とりあえず同棲を」と石橋を叩いて、彼氏彼女として過ごす期間があったとしたら、夫は私に対して「美咲ちゃんってご飯作ってくれない奥さんなんだろうな」「結婚しても俺は家事からは解放されないんだろうな」「飲み活動はやめてくれないんだろうな」という印象を持っただろうし、実際とは全然違う結婚生活を想像しただろう。男の人の性格によっては、その誤解により結婚したい気持ちが中折れする可能性は十分にある。
      また私も、結婚前に同棲し、彼と関わりすぎていたとしたら「こういう金銭感覚の人って嫌だなぁ」「だらしないなぁ」と思いながら、妻でもないのにそんなことは言えないから「この人と結婚したらこれに耐えることになるのか。私はそれを許容できるだろうか……」と悩んでしまったように思う。
      結婚すればそうじゃなくなるのに。杞憂なのに。そうとは知らずに「そんな人が夫の人生って嫌だから、彼との結婚はやめておこうかな」と考えてしまった可能性は、決して低いものではない。
      結婚を決めた後の向き合い方と、結婚するほどじゃない相手との付き合い方は、まるで違う。だからどれだけ長くお付き合いをしても、暮らしてみても、結婚してうまくいく相手かなんてわからない。これは私が、結婚をしてからつくづく思うこと。せっかく出会えた大好きな人と、同棲しないで結婚をすれば別にうまくいくのに、同棲してしまったがためにうまくいかなそうな妄想が膨らんでダメになってしまうのは、本当にもったいない。
    • お互い特別な存在と実感できるように

      スピード婚が支持されないのは、お互いのことをリサーチ不足な印象があるからだろう。だからうまくいかない可能性が高そうで、「そんな結婚はリスキーだ」と思う人が多いのだろうけれど、結婚してうまくいく二人なのかをリサーチできないのはすべての結婚に共通することだから、リスクはどんな結婚でも変わらない。
      結婚したらどんな人になるのかは、結婚してみないと知りようがない。だってそんなの本人さえ、自分がどんな夫・妻になるのかは知らないくらいなのだから。
      私は自分がこんなに良妻になるとは想像していなかった。実家暮らしのときは「家事をするくらいなら生きていきたくない」と宣言するほど家事を嫌がって生きてきたし、だから当然のように「自分は家政婦を雇う系の妻になる」と思っていたし、そのつもりだった。夫にしたって、まさかあの彼が、こんなにも良い子な夫になってくれるとは思っていなかった。
      結婚して「こんなはずじゃなかった」となるリスクは、スピード婚でも長い交際を経ていても変わらないから、そこは気にしなくて大丈夫。
      それに、スピード婚は、お互いを「特別な人」って目で見れるところがとても良い。そこが本当にお得。
      結婚前に石橋を叩いた分だけ、特別感は失われていくように思う。とくに石橋を叩かれた側にとっては。あなたが彼に対して石橋を叩けば、彼の心の中では、その分だけ「特別な女」感が粉砕されていく。「自分に対して結婚を即決してくれた人」という事実は、相手を見る目にずっと影響する。私たち夫婦がお互いのことをこんなにも「特別な人」だと思い、「元カノや元カレたちとは別格だ」という認識を持てているのは、お互いが「自分に対して結婚を即決してくれた人」だからだ。それだけで別格の女になれるのだから、結婚するならスピード婚が断然お得。

そうだ、結婚しよう。

下田美咲

毎日新聞出版

part1 非常識が幸せな結婚を呼ぶ!より

気鋭の恋愛コラムニストが予想外だった自らの結婚、妊娠を通してつづる幸せな結婚を呼ぶ非常識の哲学。cakesで大人気連載中「下田美咲の口説き方」の書籍化!アラサー未婚女子に放つ、痛快エッセイ。

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