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プロテインスイーツにぴったりの材料の選び方

トレーニングジムなどで飲まれるプロテインパウダーをスイーツ作りに使うと聞くと、とても不思議な感じがしますが、糖質を減らしたヘルシースイーツを作るのにはとても有効です!しかし、意外と種類の多いプロテインパウダーはスイーツ作りのためには何を基準に選べば良いのでしょうか。プロテインパウダーの種類やフレーバーなど、選び方のポイントをご紹介ます。

山崎志保(監)

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目次

  1. ○プロテインパウダーの選び方
  2. ○糖質と脂質の関係
  3. ○脂質が美味しさを補っている
  4. ○油脂類の選び方
  5. ○生クリームの選び方
     
    • プロテインパウダーの選び方

      本書のレシピでは、「○○用」と記載されていない、タンパク質含有量を重視した一般的なホエイ、及びソイのプロテインパウダーを推奨しています。なぜなら、スイーツを作る際には、必ず糖質と脂質が加えられるため、わざわざ糖質が配合されているタイプのプロテインを使用する必要がないためです。スイーツ作りも視野に入れて商品を購入する際は、裏ラベルの「栄養成分」を確認し、「100gあたり/タンパク質75 ~ 95%」のプロテインパウダーを選んでください。詳しくは、下記の表に記載しましたので参考にしてください。
      ※タンパク質100%という商品は存在しません。
      100gあたりの表示がない商品の計算式
      商品によっては、「1食分(スプーン山盛り2杯)約28gあたり/107kcal、タンパク質22.6g、糖質1.1g」などという表示の商品もあります。その際は下記のような比例計算で、100gあたりのkcal、タンパク質量、糖質量を算出することができます。

       「28g/107kcalと表記がある商品」100gあたりkcal計算

        100×107÷28=382kcal

        カロリーは382kcal

       「28g/タンパク質22.6gと表記がある商品」100g含有量

        100×22.6÷28=80.7g

        タンパク質は80.7g

      大豆プロテイン、ホエイプロテインの使い分け
      本書ではレシピごとに、「ホエイプロテインパウダー〇g」、「大豆プロテインパウダー〇g」と表記しています。ホエイも大豆もタンパク質の粉で、プロテインパウダーであることに違いはありませんが、スイーツや料理に使用する場合は、「全く別なもの」と考えてください。ホエイは牛乳から作られた動物性タンパク質。大豆は植物性タンパク質で、成分も吸水率も全く異なります。よって、「ホエイプロテイン〇g」と表記したレシピで大豆プロテインを使用すると、写真のようなスイーツにはなりません。もちろん美味しく、キレイにでき上がれば結果オーライなのですが…、なかなかそうならないと思って下さい。「ホエイ」と表示がある場合はホエイを。「大豆」と明記されたレシピは、大豆プロテインを使用するよう心掛けてください。
      メーカーによって差がある現実
      「レシピごとホエイプロテイン、大豆プロテインを使い分けてください」とお伝えしましたが、実はそれを守って頂いても、イメージ通り完成しない場合もあります。なぜなら各メーカーごと、ベースとなる原料も、プラスされている機能性素材やフレーバーも異なるためです。国内に流通している原料はアメリカ、ドイツ、ニュージーランド、インドなど様々な国のタンパク質原料が使われており、フレーバーも進化し続けています。レシピに対する水分量を、「〇g~様子を見て増量してください」などと表示しているのはそのためで、仕上がりには若干差があることをご理解ください。
      フレーバーの選び方
      基本的にはお好みで、自由に選んでいただいて問題ありません。私が初めてプロテインを購入した2007年頃は、「ホエイ」はバニラ・いちご・ココア・プレーンの4フレーバーが主流で、「大豆」はプレーンまたはココアの2種類くらいしかありませんでした。あれから10年経った今、ビックリするほどフレーバーの種類は増えました。飽きずにいろいろ楽しめる反面、選択肢が増えるとなると選ぶのに悩みますよね。本書ではメニューに合った推奨フレーバーを明記していますが、その都度揃えるのも大変でしょう。そういった場合は、プレーンタイプの商品を購入してフレーバーをプラスする方法をおススメします。市販のフレーバーシュガーは1本100円前後から、フレーバーオイルは250円くらいから販売されています。お好みの量を加えるだけで、プレーンタイプを臨機応変に使い回すことができます。
      よくあるフレーバー
      プレーン、バニラ、ココア、チョコレート、ストロベリー、バナナ、抹茶、ミックスベリー系、ヨーグルトなど。
      やや珍しいフレーバー
      メロン、レモン、オレンジ、パイナップル、りんご、マンゴー、グレープフルーツ、珈琲、キャラメル、ミルクティ、チョコミント
      珍しいフレーバー
      やきいも、コーラ、ラムネ、杏仁豆腐、ゆず、キウイ、アセロラ、クッキー入りココア、シナモン、マロン、コーンポタージュ、あんず
      最近の傾向
      オレンジ&バナナ、ココナツ&ココア、スイカ&ラズベリーなど、2種類以上を組み合わせたオリジナルフレーバータイプ。
    • せっかくなら油にも、とことんこだわろう!

      「糖質オフのスイーツを手作りしよう」「プロテインパウダーを使ってスイーツを作ってみよう」こう考えた時に最もネックになる部分、実はコストです。食材の中で一番安価なものこそが、小麦粉・米・砂糖などの「糖質」。ゆえに、その糖質を減らした糖質オフスイーツを作るということは「原価の高い食材をメインにスイーツを作る」ことと同義なのです。本書で糖質を下げるために使用する甘味料やプロテインパウダーは、食材としてはかなり高額な部類に入ります。素材選びにココまでこだわってスイーツを作るのであれば、脂質についてもしっかりと良いものを選び、過不足なく使いこなしたいですよね。
    • 糖質と脂質の関係

      「おいしいものは脂肪と糖でできている」これは有名なお茶のCMコピーですが、ではタンパク質は美味しくないのかと言えば、そんなことはありませんよね。肉・魚・卵・大豆製品・チーズなどの乳製品、これらの美味しい食材は全てタンパク質です。ではなぜ、「脂肪と糖はおいしい」と言い切るCMが流れているのでしょう? その理由は、「食べやすくて、つい食べ過ぎてしまうから」に他なりません。
      代表的な糖質といえば、砂糖・小麦粉・米です。それらをたっぷり使ったメニュー…例えば、丼もの・麺類・パン・ピザ・ケーキなどは、脂質であるバター・生クリーム・サラダオイルをたっぷり使って作られています。もともと美味しい糖質を、さらに美味しくしてくれる脂質。この相性の良さは誰もが認めるところでしょう。さらに、これらに安くて、手軽に食べやすいメニューが多いことも食べ過ぎてしまう原因だと思われます。出かけた先でも自宅でも、いつでもどこでも食べられる便利さに加え、お財布にも優しいとくれば、つい手を伸ばしてしまうのも頷けます。
      しかし、この流れを踏まえると、食べ物の糖質を減らすことは美味しい部分を減らすこととイコールになってしまいます。しかし、市販されている糖質オフスイーツで、美味しくないものなんてそうお目にかかることはありません。本来ならば美味しい糖質を減らした分、平行して美味しくなくなるのが普通です。でもそうなっていないのはなぜでしょう? この答えは、糖質とセットで登場する脂質を理解すれば自ずと導かれるはずです。
    • 脂質が美味しさを補っている

      実は、糖質の美味しさが減った分を補っているのは脂質なのです。セットになっているのが美味しい脂質だからこそ、糖質オフのスイーツは「美味しい」と感じてもらえているのです。ただし、市販の糖質オフスイーツは、糖質オフになったことで生じる食べにくさを、過剰ぎみな脂質で美味しさを補っている傾向にあります。
      もちろん、脂質過剰ぎみであっても、本来の目標である糖質オフが達成されていれば十分という方もいらっしゃるでしょう。そのような方にとって「糖質オフをよく知るために、脂質もタンパク質も含め全体像を理解し、さらに自分で作る」 という提案は、まさに、面倒なことでしかないかも知れません。
      ただ、糖質を減らすことだけにポイントを置いたレシピ本は既に多く出回っており、私が今さら似たようなレシピをご提案する意味も無く、私のやってきたポリシーを貫く意味でも、「糖質オフがよくわかる」ために、脂質もタンパク質も含めた全体像からお伝えしたいと思います。
    • 油脂類の選び方

      本書の提唱する糖質オフスイーツのレシピで使用している油脂類は、体に良く健康を促進するものばかりを選んでいます。例として幾つか挙げておきますので参考にしてみてください。
      加熱

       太白胡麻油

        焼成後に時間が経過しても油脂のにじみが少なく、サクサク感が長時間保たれます。液体油脂は溶かす手間が無く、透明でどんなスイーツにも便利です。必須脂肪酸であるリノール酸、抗酸化物質であるセサミンを含んでおり、ノンコレステロールなのも嬉しい商品です。

      太白胡麻油

      加熱・非加熱ともに可

       ココナッツオイル

        ぶどう糖が不足した際、代替エネルギーとなるケトン体を効率よく作ると言われている「中鎖脂肪酸」を60%以上含む植物性油脂。母乳や牛乳にも含まれる身体にやさしいオイルで、炒め物やお菓子作りにも合います。ココナッツ風味が特徴的です。

      ココナッツオイル

      非加熱

       MCTオイル(中鎖脂肪酸100%)

        ココナツオイルの項で説明した中鎖脂肪酸が100%のオイル。味や匂いにクセがなく、スイーツにも使いやすい。加熱料理にはむかないため、完成したスイーツにかけたり、プロテインとともにシェイクして「中鎖脂肪酸プロテインドリンク」として飲むのもオススメ。

      MCTオイル

       アマニ油

        本書では、加熱しない(生=RAW)タイプのスイーツレシピに使用しています。不飽和脂肪酸は血中の中性脂肪やコレステロールの調節、アレルギー症状の緩和に働くとされており、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。「多価不飽和脂肪酸」は、オメガ3、6、9などの脂肪酸に細分化され、このうちn-3系脂肪酸(オメガ3)とn-6系脂肪酸(オメガ6)の2系統は、人間の体内で作る事ができない「必須脂肪酸」であるため、食品からの摂取が必要とされます。小さじ1杯(5g弱)で、1日に必要なオメガ3オイルが摂取できます。

      アマニ油

      オススメ!製菓用太白胡麻油

      製菓用太白胡麻油

      高温加熱に強く常温で液体のため、本書で加熱するレシピにはこの油脂を使用しています。太白胡麻油はごまを煎らずに生のまま搾っているため、ごま油特有の色と香りがないので、どんな素材とも相性は抜群です!
      竹本油脂株式会社
      便利グッズ 加圧式オイルスプレーボトル

      加圧式オイルスプレー

      生地に油脂類を多めに配合するより、焼き上げる前にスプレーしたほうが少量で済み、焼き上がりにも効果的! プロテインバー、焼き菓子系をオーブンに入れる前、シュッとひとふきする。
      ポンプを上下するだけの簡単操作でオイルが霧状にスプレーできる。充填ガスを使わないタイプで環境にも優しい商品。(酢・アルコールの使用不可)
      マルハチ産業㈱
    • 生クリームの選び方

      スイーツに欠かせない生クリームも油脂類です。「糖質オフ」という観点で考えると、動物性の生クリーム、植物性のホイップ、いずれも糖質は非常に低く、どちらを選択しても問題ないと言えます。ただし成分は全く異なるため、どちらを選択するかは下記の表を見て決定して下さい。

      生クリーム
      ホイップ

      植物性ホイップが作られた背景(イミテーションクリーム)
      酪農製品を避けたい層(ヴィーガニズム信仰者など)や、牛乳アレルギーに対応した商品として。また宗教上の理由や、賞味期限が長い(冷蔵庫保存)、価格が安い(例外もある)などの理由も。(※イミテーションクリームには水素添加油脂、甘味料、水、増粘安定剤、乳化剤が添加され、状態変化を防止する効果もある。用途では、バターの代わりにマーガリンを用いることと同意と言える)
      オススメ!生クリーム屋さんのカロリー1/3カットフレッシュ
      私がオススメしたいのは、中沢フーズ「生クリーム屋さんのカロリー1/3カットフレッシュ」です。トランス脂肪酸を含む植物油脂や、乳化剤、安定剤も一切使用せず、天然の牛乳を主成分としているにも関わらず、カロリー1/3カットという嬉しい商品。乳脂肪分25%の低脂肪でありながら、しっかりとエッヂが立つキレイなクリームができるので、デコレーションにもおススメです。

      カロリーカットフレッシュ

糖質オフスイーツ

ダイエット中でも安心! 糖質オフのアレンジ自在スイーツレシピ

監修:山崎志保

芸文社

「糖質オフ」スイーツを始めよう!より

市販のプロテインパウダーを使って自宅で手軽に糖質オフスーツが作れる『糖質オフのアレンジ自在スイーツレシピ』を刊行します。薄着になる季節に向けて体のラインが気になる方、健康的な体を手に入れたい方、従来のダイエットやリバウンドにはもうこりごり、そんな方にこそ手に取っていただきたい一冊です。

    楽天ブックス オムニ7

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