目次
- ○良いところ探しでプラス1
- ○心と頭を一致させよう
- ○良いところを探すことで、変化が生まれる可能性
- ○整理メモ
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良いところ探しでプラス1
本当に誰かを好きになったことがありません。「一緒にいると楽しい」と思うことはありますが、実際につき合うとなると、イヤになってしまいます。誰でもできるはずの「人を好きになること」が自分にはできなくて、どうしたら良いのか分かりません。苦しいです。心と頭の状態「苦しい」「人を好きになるのは誰でもできること」人を好きになることにも、さまざまな形があります。家族や友だちへの「好き」の経験があるのなら「人を好きになれない」わけではないと思います。「好きにならなければならない」と思うと、反作用のように「嫌いな気持ち」が逆に目立ってきます。そこから離れてみることが良さそうです。 -
心と頭を一致させよう
Eさんは、告白されてから「いいかも」と思っておつき合いしても、長続きしません。「今回こそ!」と思う反面、「本当にこの人とい続けられる?」と考えるとNO。「好きになりたいのになれなくて、相手も傷つけてしまう」と苦しそうです。人を好きになったら幸せになれる?Eさんに「なぜ、人を好きになりたいのか」について尋ねてみました。「だって、それが当たり前ですし、できたら幸せになって楽しいだろうと思うし」「Eさんにとっての幸せとはどんな状態?」「誰かを好きで、向こうも好きでいて、その状態がずっと続くこと」「人を好きにならねばならない」にとらわれるあまり、「好きになりたい理由」も「幸せの状態」もそこから離れられないようです。そんなときは「思い込みを捨てよう」と言われても納得できないもの。そのときは、少しの間だけ離れてみると良いです。「今の彼、本当の恋か分からなくても、それでもどんなところが良いと思うの?」「…考えたことないですが…。誰に対しても誠実なところでしょうか」決定しないという選択も答えにつながるそこで「その誠実さの具体例と、他の良いと思う点を、これから3週間探してください。それでも好きな気持ちが減っていくようならムリに続ける必要はないし、減らないようなら、もうちょっとつき合い続けても良いかもしれませんよ」と提案してみました。「やってみます。本当に苦しいのでこのサイクルから脱したいです」それから1カ月後、「好きの気持ちが減った感じはないので、もう少しつき合ってみます」とEさんから連絡がありました。 -
良いところを探すことで、変化が生まれる可能性
「好きにならねばならない」も「思い込みを捨てなければならない」も、頭で考えた理屈。しっくりこないときには、どちらも採用する必要はありません。そういった考え自体から離れてみるのがひとつの選択肢です。そうは言っても、どんなところが良いところ?
こんな質問を自分にしてみましょう。まったく思い浮かばなければ、好きにならなくて自然だし、少し思い浮かぶようならば、一定の猶予期間を設けて、さらに良いところを探し続けることで、変化が生まれる可能性があるので試す価値はありますよ。 -
整理メモ
脳研究者である池谷裕二さんの著書『自分では気づかない、ココロの盲点』(講談社)に興味深いお話があります。かいつまんでご紹介します。質問者に異性の写真を2枚見せられ、「好みのほうの写真をあげる」と言われた参加者は選んだほうを指します。しかし、質問者は手品師で写真をすり替えて手渡します。参加者は違う写真だと気づくかというと「8割以上が気づかない」。さらに「なぜタイプなの?」と訊ねられると、特徴を挙げて好きな理由を答えるそう。これは「選択盲」といわれる脳のクセの実験で、「脳は理由を問われると、つくり話をする」ことを明らかにしてます。しかも、本人は心の底から「本当の理由」だと勘違いしてしまうそう。「思い込み」の大きな影響力をうまく活用して、ポジティブな「本当」をつくってしまいたいものです。
人間関係の整理術
第2章 【家族や恋人との関係編】プラス1だけ心がけようより
本書でご紹介する「問いかけ」は、身近な人たちの悩み相談にのる際にも有用です。賛否でもなく、的外れなアドバイスでもなく、悩んでいる人の心に届き、動かす、そんな勇気づけの言葉としてお使いください。