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知っててよかった!幼稚園、保育園選び!
4月9日付の朝日新聞 別刷り「be」の「はじまりを歩く」の中で、昨年11月に出版された『倉橋惣三物語-上皇さまの教育係』が取り上げられます。
お茶の水女子大学附属幼稚園は、日本で初めての幼稚園です。
その附属幼稚園の園長を20年以上に渡って務めたのが、倉橋惣三です。
「日本幼児教育の父」と呼ばれ、乳幼児期の育ちがいかに大切かということを、大正、昭和を通して説いてきました。近年、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大のヘックマン教授の研究などから、就学前に、子どもが遊びを通じて自ら習得する根気強さや注意深さ、意欲などの能力が、テストで測る学力よりも、将来の成功に影響するとの結果が示されました。倉橋の説がよみがえりつつあると感じます。『倉橋惣三物語 -上皇さまの教育係』」は、なぜ倉橋が幼児教育に目覚めていったのか、親族などの口伝をつなぎ合わせてつづった物語になっています。
筆者は、倉橋惣三の孫・和雄の妻で、児童書作家の倉橋燿子さんと、その娘の麻生さん。
倉橋が遺した本や日記を手掛かりに、1冊の小説にまとめました。子ども一人ひとりを見て、内在する可能性をとことん信じて待つことを貫いた、倉橋の教育を描いています。
「子育てに悩み、幼稚園・保育園選びに悩むお母さん、お父さんに是非読んでもらいたい」と語ります。
倉橋惣三物語 上皇さまの教育係
子供は自ら育つ――自発性を大切にし、子供たちの中に眠る可能性を信じた倉橋惣三の教育が、 今の時代にこそ求められている。
“日本のフレーベル”、“近代幼児教育の父”と呼ばれる倉橋惣三は、大正期から昭和にかけて活躍した教育者。 昭和3年からは昭和天皇、皇后陛下へのご進講が始まり、上皇陛下が皇太子でいらした幼少期に、教育係を務めた人物である。
少年時代、運動が苦手で不器用なうえ、引っ込み思案だった惣三の心を開いてくれた、下町の子供たち。 導いてくれた恩師や、夢を語り合った生涯の友。さまざまな出会いが、惣三という人間を作っていく。 学生時代から幼児教育に興味を持ち、やがて教育者となった惣三は、激動の時代にあっても、変わらず「子供の友達」であろうとした。幼児教育の改革を次々行っていく一方で、息子との関係に悩む一人の親でもあった。 遺された日記をはじめとする貴重な資料をもとに描く、感動の物語。