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あえて結婚しないで16年!事実婚を貫くふたりのあり方とは?

現代の日本では恋愛の先には結婚がある、という考えの方が大多数を占めますが、あえて結婚せず、子どもを持たず、パートナーとの共同生活を楽しんでいる人もいます。続に「事実婚」と呼ばれる家族形態です。結婚しないふたりのあり方はどのようなものなのでしょう?連れ添って16年を迎えた事実婚カップルのエピソードをご紹介します。

池田園子

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目次

  1. ○「パートナー」というあり方
     
    • 「パートナー」というあり方

      結婚し、子どもができると、私たちは「妻」や「夫」という意識に比べて、「親」という意識を持つようになります。子どもを持つようになると、夫婦中心の生活から、子ども中心の生活に変わるからです。
      一方で、結婚せず、子どもを持たず、パートナーとの共同生活を楽しんでいる人もいます。俗に「事実婚」と呼ばれる家族形態です。
      一緒に連れ添う人のことを「パートナー」と呼ぶのはまだ一般的には定着していないと思いますが、結婚しないふたりのあり方は、どんなものなのでしょうか。
      そこで会いに行ったのは、パートナーと結婚しない選択をした40代前半の優子さん(出版)です。今年でパートナーと連れ添って16年を迎えます。
      26歳のときに彼と同居を始め、それ以前の期間を含めると約19年ものときをともに過ごしてきました。今でも休日はふたりで、あるいは共通の友人夫婦と過ごすことが多く、とにかく仲のいいカップルです。
      そんな優子さんは彼のことを「彼はよいパートナーです。同志といってもいいかもしれません。お互いの価値観をすべて共有していて、たくさんのことを話し合える相手」と話します。
      IT企業2社に勤めた後、半年前に転職した優子さん。これまでのキャリアが重宝され、出版社の中で起ち上がったIT関連部署で働いています。新しいサイトのディレクションから起ち上げ、キャンペーンの企画立案、既存サイトの改修、スマホアプリのリリースなど、人員は少ないながらも、やることは山積み。
      平日の帰宅は繁忙期だと22〜23時あたりがあたりまえで、ときに終電後タクシーで帰路に着くこともあります。
      「もちろん彼は先に寝ています。彼も私もITという業種は同じですが、私のほうが帰宅時間が遅くなることが多いです。とくに多忙を極めているときは、すれ違ってあまり会えないこともありますね。私が深夜に帰宅して、朝起きると、彼はすでに家を出てしまっている……みたいな(笑)。
      そんなときは付箋に『今週はなかなか会えないね。でも、週末はテニスだよ〜。楽しみだね』などと気軽なメッセージを書いて、ダイニングテーブルに貼っておくんです。
      私が夜帰宅した頃には、先に帰っていた彼がそこに『楽しみだね。今日帰ったら、できるだけ早く、たくさん寝るんだよ』といった返事やイラストが添えてあるんです。
      そんなほのぼのとしたコミュニケーションを楽しんでいますよ」
      優子さんはハードなIT業界で働く者同士が、16年も仲のいいパートナーであり続けるなかで「コミュニケーションは話し言葉だけではないなぁと、いつしか感じるようになりました」と語ります。
      どちらか一方ではなく、双方が互いのことを気にかけて、丁寧な眼差しで見つめている。素晴らしいパートナーシップを組んでいるふたりには、そんなふうに安らかで、心地よい雰囲気があります。
      優子さんもそうですが、きっと優子さんのパートナーも特別にやさしい方なのでしょう。「彼はどんな男性ですか?」と尋ねた私に、優子さんは穏やかな表情で答えてくれました。「できた人だと思います。これまで私がいくつかのスタートアップ企業に勤めてきたこともあって、けっこうハードな日々が多かったんですね。彼も同じ業界ですから、忙しいし大変だとは思うんですが、文句ひとつ言わずに、私を応援してきてくれました。
      『がんばってね。でも無理はしすぎないで』『身体が心配だから、帰ったらすぐにお風呂入って寝て』といったメッセージをくれることは、本当によくありました。
      ほかにも、隣で眠る私を起こさないよう、朝そうっと起きて出かけたり、私が夜できずにいた洗い物を、朝出かける前に済ませてくれていたり、日曜の朝起きたら家事をすべてやってくれていたり。
      びっくりしている私に、『最近忙しすぎて、睡眠時間3時間くらいが続いてたでしょ?だからせめて寝られるときは寝なさいよ。買い物も掃除も終わったから、午後はのんびりしよう』と言って、本当は外出したいはずなのに、私に合わせてくれることは多いです」
      優子さんは5年以内には、趣味の料理を活かして起業することも考えています。
      「ビストロをオープンさせたい」と語った優子さんに、彼は目を輝かせながら「いいね。君がやりたいことは全部応援する。ぼくの貯金で資金援助もするから、夢を実現させよう」とまで言ってくれたといいます。
      「昔からその調子でしたし、お互いに応援し、ハードな時期も励まし合うという関係性は変わっていません。結果的に私のほうが慌ただしい日が多く、彼が応援してくれた量のほうが多いと思いますが。一方で、彼が仕事で疲れているとき、元気がないときは観察し、そのときどきに合った言葉を選んでかけるようにしています」
      このふたりの例から、妻や夫、母や父とは種類の異なる、パートナーとしてのあり方や佇まいが見えてくるような気がします。「パートナー」とは、「何かひとつの目標に向かって何かを成し遂げたりする仲間」や、「同志」といった意味合いを含んでいるのです。
      その関係性は、たとえば、「ソフトテニスのペア」がイメージしやすいかもしれません。
      ソフトテニスをペアで始めるとき、まずは前衛と後衛どちらを担当するか、ふたりで話し合います。前衛はネット付近にポジションをとり、チャンスボールを狙ってポイントをとりにいく役割、後衛はベースライン付近で主に相手側の後衛とラリーをする役割。どちらかがサボったり、楽をしようとしたりすると、試合はうまくいきません。
      ソフトテニスを長年している方に話を聞いてみたところ、ペアとしてうまくいくか、長く続くかどうかは、相性の良し悪しとは関係ないのだそうです。
      「大事なのは相手のことを見て、自分が何をするべきか考えて行動すること。勝てないときはどちらか、あるいはふたりの弱さが原因なので、その原因となる核を見つけて、ともに解決していくこと」との言葉が印象的でした。
      ふたりが互いをパートナーとして認識し、大事にし合うようになる過程にも、うまくいっているソフトテニスのペアのような向き合い方、あり方が欠かせないのかもしれません。
      重要なのは言葉よりも行動です。実際に考えて動くことが、信用や信頼に結びつき、良きペアであり続ける基盤を作るのでしょう。優子さんをはじめ、ふたりで生きていくことを選択した複数のカップルから話を聞くうちに、そう考えるようになりました。
      婚姻関係という法的な拘束がないぶん、こうした信頼関係が崩れると、別れも簡単な事実婚。
      パートナーがピンチに陥っていたらサポートし、足りないものがあれば補い、大変そうなときは応援し、一緒に喜んでもらいたいと思っているときは祝福する。
      そういった場面で「あなたの味方だから」「あなたの仲間だから」と相手に伝わる行動を繰り返すこと、助けてもらったのなら、相手にもお返しすること。その信頼が積み重なっていくうちに、最強で最高のパートナーへと、ふたりで一緒に成長していけるのだと思います。

はたらく人の結婚しない生き方

池田園子

クロスメディア・パブリッシング

第2章 パートナーとの生活を楽しむという選択より

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