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男女のコミュニケーションがうまくいかない要因とは

現代社会においては保育園や幼稚園といった幼い頃から男女共学という環境で育つ人が多いです。しかし、同じような環境で育っても男女で協調性に差があります。その差の原因は、なんと原始社会にもさかのぼると言います。なんだかんだ男女平等って難しい、と感じる方も納得の協調性の差の理由をご紹介します。

長沼毅(理学博士)

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目次

  1. ○男女平等混合のチームは人類史上初
     
    • 男女平等混合のチームは人類史上初

      近年、集団の中でうまく生きていくための社交性、コミュニケーション能力が、実は遺伝子によって決定づけられているということがわかってきました。
      知能が発達しているサルやイルカの群れを観察していてもわかるのですが、群れの中でうまくコミュニケーションして有利に立ちまわることができる個体もいれば、疎外感を感じながら不利益を被る個体も存在します。この差を決めるのが「協調性遺伝子」です。
      人間は、原始の頃から協調性をグーンと伸ばしてきました。
      ただ、その上で協調性が男女で違う発達の仕方をしてきたということは、知っておくといいかもしれません。
      まだ私たちの祖先が狩猟採集民だった頃、男は徒党を組んでハンティングに出かけていました。個々の能力や技能を発揮して一つの目的を達成する。このようなチームを作り上げるために、男の協調性は発達してきたわけです。
      一方で女は、洞窟の中や木の下でまとまって住み、食事を作ったり、子育てに励んだりしていました。そうした狭い空間の中に複数の人がいると、和を保つのが最大の目的になり、協調性を発揮することに長けるようになったのです。
      こうした時期が非常に長く続いたせいで、今も男女それぞれのグループでのコミュニケーションの仕方は違うものになっています。現在においても男女で違った群れの作り方をするのです。
      人間は男女を分けたまま生活していれば、ある程度うまくやっていく術を身につけてきました。しかし昨今の人間社会では、学校でも会社でも男女を一緒に、かつ平等にする状況が出現してきました。この流れは急速に広まりつつあります。
      問題は、この手の「平等」は生物としての人間の男女差をまだうまく扱えていないことです。人間にとってあまり慣れていない状況に対して、一体どうやったらうまく運営できるのか、手探りなのです。

考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子

長沼毅

クロスメディア・パブリッシング

第4章 群れの中で疲れずに働くより

現代人は、脳ばかりが暴走して、身体の限界を超えることをやってしまうバグを抱えているのです。本書では、「科学界のインディー・ジョーンズ」が、過酷な探検と研究のなかで見つけた、『ストレスなく、悩まずに生きる方法』を紹介します。

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