目次
- ○ワインが育った土地を想像しよう
- ○良いぶどうは、その土地の風土をたっぷり吸い込む。
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ワインが育った土地を想像しよう
おいしいワインは、ちゃんと意識して飲めばたしかにおいしい。少し興味が出てくれば、ワイン売り場に行くたびに異なる顔ぶれを見せるワインを、フィギュアやトレーディングカードを集める感覚でコレクションしたくなる気持ちもわからないでもない。でもどうしたら、そこまで世界中の人々はワインに“熱狂”でできるのか。そうたずねられたら、筆者は「テロワールを知っちゃったからかも」と答えることにしています。テロワールというのは、無理やり超訳すると「ワインだけじゃなくて、ぶどうを生み出す土壌とか気候みたいなものも、ボトルの中に封じ込められていますよ」というような意味になるのですが、直接的な味やブランド性から得られる興奮は、ワインの世界のほんの入り口です。舌から伝わってくる味の先には、ぶどうを生み出した土壌である砂利、粘土、石灰、火山灰はもちろん、そのワインを生み出した環境、たとえば周辺に住んでいる動物とか、土に棲息する虫とか細菌、さらにはその土地で暮らす人の性格がおおらかなのか丁寧なのか、そういったありとあらゆる情報が絡み合い、複雑な味を形成しています。そしてそのテロワールの深い部分を感じ取ることができた瞬間、まるで大好きな楽曲に込められた裏のテーマや、映画監督が物語に忍ばせたメッセージに「気づいちゃった」ときと同様、全身に鳥肌がぶわーっと立って、得も言われぬ高揚感に包まれるのです。たとえばそのぶどう畑の周辺にキツネが棲んでいたり、鳥小屋があったりすると、意図せずとも土にキツネやニワトリの糞尿がまじります。またぶどう畑にハーブが生えているとか、一緒にオリーブの木が植わってるようなこともあります。ときどきラベルに動物の絵が描いてあるワインがありますが、その中には「近くにそういう動物が棲んでいる」ということを表しているものもあります。正直に言うと直接、酸っぱいとか甘いといった味に影響してくるわけではないのですが、(健康そうだな)とか(のどかな風景だな)とか、そういう印象を与えてくれます。そして一度テロワールを感じ取ってしまうと、もうそういう光景が次から次へと思い浮かんできて、楽しくて仕方なくなってきます。「そんなの気のせいじゃないの?」と言う人がいるかもしれません。でもワインというものは、この“そういう気が、しないでもない”という心意気を増幅させることによって、より楽しめるものだと筆者は思うのです。 -
良いぶどうは、その土地の風土をたっぷり吸い込む。
図解 ワイン一年生
1章より
またまた重版11刷5万9千部突破! 2016年年間ランキング1位(トーネッツアイ調べ 酒・ドリンク部門)ほか、全国書店で続々ランクイン!今、ワインの本で一番売れてます。ぶどう品種が擬人化されているので、ワインの味の違いがかんたんに想像できます。今まで読んだワイン本の中でも一番斬新で、わかりやすいと思えた一冊です。