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高級ワインっていくらから?値段とランキング一覧【ソムリエ執筆】

ワインを買う前に大事なポイントは「高ければ高いほど、どんどんおいしくなる」というわけではなく、高ければ高いほどハズレの確率が確実に減っていくということです。高いワインを買う前に知っておきたいことを紹介します。

小久保尊

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目次

  1. ○たまには高めのワインを買う前に知っておきたいこと
  2. ○ワインは選ばれれば選ばれるほど、価値が高くなる。
     
    • たまには高めのワインを買う前に知っておきたいこと

      はじめてのワインを手にしたとき、それが果たしておいしいワインなのかどうか。
      そこに絶対的な基準はなく、確率が高いか低いかという話になります。
      “おいしいワインに当たる確率”はシンプルに価格に比例します。
      大事なポイントは「高ければ高いほど、どんどんおいしくなる」というわけではなく、高ければ高いほどハズレの確率が確実に減っていくということです。
      なぜなら一般的に、ワインは安ければ安いほどコストを下げるために添加物やダメなぶどうを多く混ぜて、大量生産しますし、反対に高ければ高いほど、それは優れた産地のぶどうを使っていたり、そのぶどうをさらに良いものとダメなものとにより分ける手間をかけていたりするからです。
      安くてもおいしいワインはあります。でも高いワインはたいていおいしいです。
      ではどれくらいお金をかけると、味が変わってくるのか。ざっくりと「ここまでの価格帯だったらだいたい確率は同じ」という値段のランクを出してみました。

       ・千円未満 プチプラワイン

       ・千〜二千円 デイリーワイン

       ・二千〜五千円 ちょっと贅沢ワイン

       ・五千円以上 高級ワイン

       ・三万円以上 超高級ワイン(だいたい一級以上)

      千円未満のワインは、まあ、あまり過剰に期待しない方がいいですよね。まれに南アフリカのワインのような「新世界の中の新世界」的な、ワイン生産の新興国には掘り出し物もありますが、おいしいワインは少ないと考えておいた方が無難です。ただもちろん満足できる人もいるでしょう。
      千〜二千円のデイリーワインは“ものによってはおいしい”です。筆者が個人的に飲むのもこの価格帯のワインがほとんどです。ただ、おいしいものがあるとは言っても、それは果実味がハッキリしていたり、さっぱりしているような「わかりやすくおいしい」ワインです。だから新世界のワインが集中しています。反対に、複雑な味わいを魅力とするボルドーやブルゴーニュを飲むなら、この価格帯のものはあまりおすすめしません。
      二千〜五千円のちょっと贅沢ワインともなると、果実味に頼らない、複雑で、繊細で「わかりにくくおいしい」ワインに出会えることがあります。新世界のワインならほぼ間違いなし。旧世界、特にフランスワインはせめてお値段三千円くらい出さないと、ハズレが多い印象があります。
      五千円以上の高級ワインとなるとほとんど外しません。初心者にわかりやすいものも、わかりにくいものもありますが、いずれもおいしいワインです。ワインで贅沢してみたいけど、あんまり舌に自信がないという人は「わかりやすくおいしい」チリの【アルマヴィーヴァ】や、カリフォルニアの【オーパス・ワン】を選ぶといいのではないでしょうか。
      三万円以上の超高級ワインとなると、もう一生の思い出です。あなたが大富豪じゃない限り、このクラスのワインを飲んだという事実は、きっと死ぬまで語り草になるでしょう。超高級ワインの味は壮大です。飲み手の人間力が問われるような迫力さえあります。超高級ワインをしっかり味わえるような、立派な人間に成長したいものです。
      高いお金を出してまでワインを飲みたくない、という人もいるでしょう。筆者も昔はそうでした。高いワインがなぜ高いのか、いまいち価値を感じられなかったからです。
      高いワインがなぜ高いのかといえば、その理由の一つはぶどうの希少価値です。
      良質なぶどうが取れる地域は限られている、という条件に加え、もともとの出荷量が少ない。ということは、それだけぶどうの剪定をいっぱいしてるということです。
      剪定されればされるほど、ぶどう一粒一粒にうまさの栄養が集まります。だからどうしても本数が少なくなり、希少価値が上がるのです。
      また良いぶどうだけを選り分けるために、ぶどうを人の手で摘むなどの人件費も余計にかかっています。ボトルにお金がかかっている場合もあります。
      ブランド価値が高いワインは、偽物を簡単に造れないようにするため、ボトルを分厚くしたり、大きめに作ったりするのです。古い年代のものになると、さらに高くなります。みんな我慢できずに飲んでしまい、時代とともにどんどん「絶滅危惧種」になっていくからです。
      というわけで、いろんな理由が挙げられますが、ざっくり言えば「飲みたい!」と思う人が多いから、そのワインの値段は高くなるのです。
      だから「値段が高いワインは、どうせおいしいだろう」という偏見を持ってもいいと思います。だって実際、おいしいですから。
      人生の中には、「確実に気持ちよく酔いたい」大切な日もあるでしょう。そんな日は、下手にケチってハズレワインを引き当てて台無しにしちゃうより、その一日の価値をさらに高めてくれるようなお高めワインを買ってもいいと思います。
      ただ、間違えてほしくないのは、高級ワインでいうところの「おいしい」は、たいてい“大人”おいしいやつです。舌のレベルがお子様の状態で、高級ワインを飲んでも、たぶんイマイチに感じると思います。
      まずは自分ならではの基準で「わかりやすくおいしいワイン」を選べるようになるまで、千〜二千円のデイリーワインで楽しんでみてください。
      ちなみにレストランやバーで出されるワインボトル一本のお値段は、だいたいワインショップの三倍だといわれています。「一律プラスいくら」と決めているお店もあり、その場合は高級ワインほどお得ということになります。
    • ワインは選ばれれば選ばれるほど、価値が高くなる。

図解 ワイン一年生表紙

図解 ワイン一年生

小久保尊

サンクチュアリ出版

1章より

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