目次
- ○女性ホルモンとの深いかかわり
- ○女性ホルモンの分泌の流れ
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女性ホルモンとの深いかかわり
がんは、私たちの体をつくる細胞から生じます。正常な細胞には寿命がありますが、突然変異を起こし、際限なく増殖を続けるようになった異常な細胞が「がん」です。増え続けた結果、しこりをつくったり、他の臓器に広がり、その臓器の正常な臓器の機能を奪うという、やっかいな性質があります。では、なぜ正常な細胞ががん化するのでしょう?乳がんの場合、その直接的な原因はまだ解明されていません。ただし、乳がんの発生と増殖には、女性ホルモンが深くかかわっていることがわかってきています。女性ホルモンといわれるのは、脳の下垂体から指令を受けて卵巣から分泌されるホルモンのことで、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類を指します。エストロゲンは子宮内膜の増殖、乳腺の発達を促します。プロゲステロンは、排卵してから月経までに受精卵が着床すれば妊娠を維持し、着床しなければ子宮内膜をはがして月経を生じさせる働きをします。この2つのホルモンがバランスよく分泌されることで、月経周期や妊娠はコントロールされています。2つの女性ホルモンのうち、乳がんに大きく影響するのはエストロゲンだといわれています。がん細胞が1つできたからといって、ただちに危険なわけではありません。問題は、発生したがん細胞が分裂をくり返して増殖することです。乳腺の発達にかかわるエストロゲンは、乳腺にできたがん細胞に刺激を与え、増殖を促してしまうのではないかと考えられているのです。じつは男性の体内でも、閉経後の女性と同様に微量のエストロゲンはつくられており、女性と比べると頻度は低いですが、乳がんになることがあります。男性の乳がん(*)は遺伝的な要因も大きいと考えられます。
用語解説男性の乳がん 全乳がんの1%前後は男性にみられるといわれている。男性の場合、比較的高齢で発症することが多い。治療法は女性の場合と基本的に同様。
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女性ホルモンの分泌の流れ
乳がんの発生と増殖には、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが深くかかわっていることがわかってきている正常な性周期における女性ホルモンの分泌状態女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、この2つのホルモンのバランスによって月経周期や妊娠がコントロールされている乳がんに大きく影響するホルモンはエストロゲン乳腺の発達や充実に関わるエストロゲンが乳腺にできたがん細胞に刺激を与える
ウルトラ図解乳がん
第1章 女性の大敵、乳がんの見つけ方より
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