目次
- ○適切な検診内容は人によって異なる
- ○自分の状態に合った検診を続ける
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適切な検診内容は人によって異なる
毎月のセルフチェックで気になることがない場合にこそ、定期的な乳がん検診をおすすめします。セルフチェックで異常を感じたら検診ではなく専門家を受診します。乳がんの早期発見に用いられる検査は、問診や視触診、マンモグラフィ検査、超音波検査などです。日本で乳がん検診が始まった1987年度当初は30歳以上の女性に対する問診・視触診のみでしたが、その後乳がん罹患率、死亡率が増加し続ける状況を受け、2004年度には厚生労働省が40歳以上の女性に対して2年に1回のマンモグラフィ検診を併用するようガイドラインを示しています。40歳代の女性に視触診とマンモグラフィによる乳がん検診をおこなうと、約10人に1人になんらかの影が見つかり、精密検査が必要と判断されます。精密検査の結果、乳がんと診断されるのは約50人に1人とされています。日本でもマンモグラフィ検診の受診率が欧米並みに高まれば、乳がんの死亡率は減少すると期待されます。ただ、「2年に1回のマンモグラフィ検査」が、すべてのケースに有効というわけではありません。じつは乳腺が充実している閉経前の乳房はX線の透過率が悪く、マンモグラフィで病変を見分けにくいのです。乳腺密度が高く、張りのあるおっぱいの場合には超音波検査のほうが向いています。また乳がんの発症リスクが高い人は40歳以上からといわず、より早くからの検診が必要です。検診で「異常なし」と判断された人の約2700人に1人は、検診後1年以内に自分で乳房の異変に気づき、乳がんと診断されているという報告もあります。自分の状態に合った検診内容を選ぶこと、検診を受けていてもセルフチェックは怠らず、気になる点があれば次回の検診を待たずに受診することを心がけていきましょう。 -
自分の状態に合った検診を続ける
セルフチェックだけでなく、乳房の病変に早く気づくためには定期的な検診が必要。年齢や乳房の状態などに合わせて適切な検診を続けよう
ウルトラ図解乳がん
第1章 女性の大敵、乳がんの見つけ方より
本書は、オールカラーの豊富な図解で乳がんの基礎知識、検査・診断、治療法、リハビリと心のケア、また再発を防ぐための工夫をわかりやすく解説しています。正しい知識を持つことで不安を解消し、自分に合った治療法を見つけ、生活の質をより良く保つことができます。