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腸内フローラの基礎知識(バランスを崩す食事とは)【医師執筆】

乳酸菌の棲みかとなる腸内フローラの原型は赤ちゃんの時に母親から受け継ぐもので、その後の育つ環境に影響を受けながら3歳くらいまでにつくられるといわれています。その大事な3年間、お子さんをどのような環境で育てるべきなのでしょうか。病気にかかりにくく長生きできる子どもに育てる秘訣をご紹介します。

後藤利夫(新宿大腸クリニック院長)

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目次

  1. ○腸内フローラは3歳までにつくられる
  2. ○50代になると乳児の100分の1しか善玉菌がいない!?
  3. ○肉中心の食生活が腸を老化させている
     
    • 腸内フローラは3歳までにつくられる

      乳酸菌の棲みかとなる腸内フローラの原型は、3歳くらいまでにつくられるといわれています。そして、それ以降は、善玉菌と悪玉菌の縄張り争いが死ぬまで続くことになります。
      私たち人間は、母親の胎内にいるときは無菌の状態です。そして、産道を通って生まれてくるときに、初めて細菌と出会います。生まれてからは、母乳や離乳食など口から入ってくるもの、母親の体やベビーベッドなど体に触れるものから、どんどん細菌を体内に取り込んでいきます。
      私たちの腸内フローラを構成する細菌の多くは、赤ちゃんのときに主に母親から受け継ぐものなのです。そして、そのほかに影響を受けるのは、育つ環境です。
      私たちはそれぞれ母親も家庭環境も違うわけですから、当然ながら、腸内フローラも、まったく同じ人は一人としていません。誰もが、世界にたった一つだけの腸内フローラを持っているのです。そして、一般的には、3歳くらいのときの腸内フローラが最もよい状態だといわれています。
      しかし、そのようにしてつくられるはずの腸内フローラに赤信号をともしているのが、昨今の抗菌・殺菌ブーム。身の回りの菌を殺し、清潔にしすぎてしまうと、体内に入る菌の数や量も減って、腸内フローラをきちんと育てることができなくなってしまうからです。
      人は、皮膚にいる常在菌じょうざいきんなども含め、いろいろな菌に触れることで免疫を獲得していきます。菌を排除しすぎてしまうと、免疫力が下がり、さまざまな病気に感染しやすくなるとともに、結果的に寿命も縮めることになってしまいます。
      清潔な環境で子育てをしたい気持ちはわかりますが、度が過ぎると逆に体の弱い子どもになってしまいます。赤ちゃんが何でも口に入れたがるのは、母親の菌を受け継ごうとする行為なのかもしれません。
      小さいころからさまざまな菌に触れ、菌を体に取り入れていくことが、強い子ども、病気にかかりにくく長生きできる子どもに育てる秘訣ひけつといえるでしょう。
    • 50代になると乳児の100分の1しか善玉菌がいない!?

      私たちの腸では、常に善玉菌と悪玉菌の縄張り争いが起きていますが、そのバランスは、出生時から離乳期、成年期、老年期と経年でも変化していきます。増減が特に激しいのが、ビフィズス菌です。
      下のグラフは、年齢によるビフィズス菌数の推移です。
      歳をとるにつれて細菌のバランスは崩れていく!

      歳をとるにつれて細菌のバランスは崩れていく!

      私たちは、生まれてきて授乳が始まると、腸内細菌が一気に増えます。この時点では善玉菌100%、そのほとんどがビフィズス菌で占められています。
      そして、離乳食が始まるころから、少しずつ大人の腸内フローラのバランスに近づいていきます。成年期にかけて、ビフィズス菌の数は少しずつ減り、代わりにバクテロイデスなどの日和見菌が増えてきます。一方、ウェルシュ菌などの悪玉菌は比較的少なく、安定した腸内環境を保っています。
      ところが、老年期を迎える50~60歳ごろになると、ビフィズス菌の数は1億個ほどに激減してしまいます。つまり、乳児期(100億個以上)の約100分の1になってしまうのです。
      このように、善玉菌の減少と悪玉菌の増加により腸内フローラのバランスが崩れるのは、老化による自然現象でもあります。しかし、最近では、若くてもバランスが崩れている人が増えてきています。
      その原因には、日本人のライフスタイルの変化が大きく関わっています。
    • 肉中心の食生活が腸を老化させている

      年齢に関係なく、腸内フローラのバランスが崩れてしまう理由の一つは、食の欧米化です。
      腸内環境は、食べたものに大きく左右されます。
      乳酸菌の多い腸にするためには、このようなことが大切です。

      乳酸菌そのものを補充すること

      乳酸菌の好物である糖類を摂ること

      乳酸菌の好物である食物繊維を豊富に摂ること

      昔から私たち日本人の腸内環境を整えていたのは、味噌やしょう油、ぬか漬けなどの植物由来の乳酸菌と、食物繊維です。1950年代ごろまでの日本人は、特に食物繊維が豊富な食生活をしていました。
      しかし最近は、食物繊維の摂取量が年々減る傾向にあります。
      厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、食物繊維の一日当たりの摂取目標量は成人男性20グラム、成人女性18グラムと設定されていますが、実際は平均15グラム程度しか摂取できていません。
      食物繊維の摂取が減り、逆に増えてきたのが、悪玉菌が大好きな肉を中心とした高脂肪食です。
      肉類を摂りすぎると、小腸で消化しきれずに大腸に届き、そのまま悪玉菌のエサになってしまいます。悪玉菌が元気になると、乳酸菌たち善玉菌の領域は少しずつ奪われ、腸内フローラのバランスが崩れることになります。
      世界的に流通している加工食品も、腸内フローラのバランスを崩す要因の一つです。ハム、ベーコン、ソーセージ、缶詰の食肉製品など、肉類を加工したタンパク質系の食材は、長期保存したり、不適切に加工したりすると、すぐに変性してしまいます。変性したタンパク質は、人間の消化酵素では分解することができず、やはりそのまま大腸に届くことになります。そして、悪玉菌のエサになってしまうのです。

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後藤利夫

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