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乳酸菌の種類と効果効能|多く含まれるヨーグルト【医師執筆】

乳酸菌といえばヨーグルト。ヨーグルトと言えば便秘解消に効果的なイメージがありますが、一言で乳酸菌といっても実に多くの菌種が存在します。その中で特に便秘に効果的な菌種を、それが含まれる具体的な商品とともにご紹介します。

後藤利夫(新宿大腸クリニック院長)

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目次

  1. ○便秘解消にはビフィズス菌
  2. お腹の調子を整えて美肌づくりにつながる
  3. 酸菌がつくる成分が血圧を下げ、血管を若返らせる
     
    • 便秘解消にはビフィズス菌

       ◎ビフィズス菌BE80株

       ◎ビフィズス菌GCL2505株

       ◎EC‐12株

       ◎サーモフィラス菌1131株

       ◎ビフィズス菌BB536株

       ◎乳酸菌シロタ株

      菌種にかかわらず、大腸のはたらきを支えるビフィズス菌を摂れば、便秘の解消につながります。
      特に便秘に効果があるといわれるのは、ビフィズス菌BE80株です。特徴は、腸で長く生きられること。つまり、より長い間、大腸のはたらきを支えてくれるのです。ビフィズス菌BE80株は、ダノンジャパンの『ダノンビオ』などに含まれています。
      また、ビフィズス菌GCL2505株は、ヒト由来のビフィズス菌なので、生きて腸に届くだけでなく、腸内で増えることもできます。ビフィズス菌GCL2505株は、グリコ乳業の『BifiXヨーグルト』シリーズなどに含まれています。
      このほか、便秘解消に効果があるとされている乳酸菌には、久光製薬のサプリメント『乳酸菌(EC‐12)』のEC‐12株、明治の『明治ブルガリアヨーグルト』のサーモフィラス菌1131株、森永乳業の『森永ビヒダスヨーグルト』シリーズや森下仁丹のサプリメント『ビフィーナ』のビフィズス菌BB536株、『ヤクルト』の乳酸菌シロタ株など、数多くの菌があります。
    • お腹の調子を整えて美肌づくりにつながる

       ◎LB81乳酸菌

       ◎JBL05株

       ◎B・ブレーベ・ヤクルト株

      乳酸菌の効果として、最も知られている便秘の解消。これは肌あれを防ぐのにも欠かせません。また、乳酸菌やビフィズス菌には、皮膚に適度な潤いを保つ効果もあり、きれいな肌づくりに大いに力を発揮してくれます。
      ビフィズス菌による腸内環境の改善効果を調べたところ、皮膚の角層水分かくそうすいぶん含有量がんゆうりょうについても大きな差が出ました。ビフィズス菌発酵乳を飲んだグループは、疑似飲料を飲んだグループに比べて、皮膚の角層水分含量が明らかに高くなったのです。つまり、ビフィズス菌を日常的に摂れば、肌の潤いも保たれるということです。
      また、ヨーグルトには、良質なタンパク質やビタミンB2、ビタミンAなども含まれており、美肌づくりに最適な食品です。
      ビタミンB2には、皮膚の毛細血管を丈夫にし、ダメージを受けた皮膚を再生させるはたらきがあります。ビタミンAには乾燥肌を防ぎ、汗腺や皮脂の機能を正常に保ち、皮膚の角化(肌が硬くなってしまう症状)を防ぐ効果があります。
      タンパク質やミネラル、ビタミンなどは、上澄み液である乳清(ホエー)に豊富に含まれているので、捨てずにヨーグルトと混ぜて食べるようにしましょう。
      美肌効果が高いといわれているのは、ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株という二つの菌を組み合わせたLB81乳酸菌。腸を若返らせ、皮膚機能の改善、皮膚の水分保持能力の向上作用があるといわれています。LB81乳酸菌は明治の『明治ブルガリアヨーグルト』などに含まれています。
      また、食べるだけでなく、ヨーグルトに少量の小麦粉を混ぜて10~15分パックすると、美白・ニキビ・鼻の黒ずみや角栓に効果があるといわれています。
      このほかにも、美肌効果が期待できる乳酸菌としては、森下仁丹の美容液『BPSLABエッセンスEX』の成分をつくるJBL05株、ヤクルトの『ミルミル』に含まれるB・ブレーベ・ヤクルト株などが挙げられます。美肌効果のあるものを一つ目のヨーグルトに選びたいと考えている人は、このような乳酸菌が入っているヨーグルトを選ぶのもよいでしょう。
    • 乳酸菌がつくる成分が血圧を下げ、血管を若返らせる

       ◎ラクトトリペプチド

       ◎GABA

      「サイレント・キラー」として恐れられている高血圧。自覚症状がほとんどないため放置されやすく、徐々に血管がむしばまれていき、脳梗塞のうこうそくや脳出血などの脳卒中のうそっちゅう狭心症きょうしんしょう心筋梗塞しんきんこうそくなどの命に関わる病気の原因となります。最近の研究によると、特に脳卒中は高血圧の影響が大きいことがわかってきました。

      脳卒中は、命が助かったとしても、運動機能や言語・認知機能などに障害が残りやすいのが特徴で、後遺症のために長年リハビリ治療を受けることになるケースもあります。
      高血圧というと、高齢者のイメージがあるかもしれませんが、30~40代の男性の30%、女性の10~20%が高血圧の状態であるといわれ、その多くは治療を受けていません。また、30歳以上の男性の60%、女性の45%という推計もあります。
      乳酸菌は、高血圧にも有効にはたらきます。
      「ラクトトリペプチド(LTP)」には、血圧を下げる効果があるといわれています。LTPは乳酸菌ではなく、乳酸菌がつくる成分で、カルピスの『アミールS』などに含まれています。
      血圧の上昇には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)という物質が関わっています。ACEは肥大化した脂肪細胞からつくられる物質で、体内でつくられるアンジオテンシンⅠを、血管を収縮させて血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡに変化させてしまう酵素です。
      このACEのはたらきを邪魔するのが、ラクトトリペプチド。ラクトトリペプチドを摂取することで血圧が低下することは、いろいろな実験で証明されています。
      ラクトトリペプチドには、血管年齢を若返らせる作用もあります。血管年齢が若いほど血管は軟らかく、弾力性に富み、血管年齢が高いと血管は硬く、狭くなり、動脈硬化が進んでいることになります。
      ある実験では、実年齢より血管年齢の高い女性の被験者を二つのグループに分け、片方には食事指導を行い、もう片方には食事指導は行わずにラクトトリペプチドを含む飲料を一日1回摂取させ、8週間後に再び血管年齢をチェックしました。その結果、食事指導だけのグループでは特に血管年齢の変化はありませんでしたが、ラクトトリペプチドを摂取したグループでは、平均5歳もの年齢低下が認められました。
      また、乳酸菌がつくるGABA(ギャバ、γアミノ酪酸)というアミノ酸の一種も、高血圧予防効果があるといわれています。血圧を上昇させる要因の一つに、交感神経系のノルアドレナリンという ホルモンがあります。GABAには、このノルアドレナリンの分泌を抑制し、血圧の上昇を抑えるはたらきがあります。GABAは、ヤクルトの『プレティオ』などに含まれています。
      そもそも、ヨーグルトを食べるだけでも高血圧予防につながります。
      乳酸菌を含むヨーグルトには豊富なミネラルが含まれていますが、なかでもカリウムは体内のナトリウムを排出させる役割を果たします。血管内にナトリウムが多いと、浸透圧の関係で水分が多くなり、そのために血圧が上昇します。カリウムは余分なナトリウムを体から排出させるので、それが血圧を下げる一因となるのです。

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後藤利夫

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