肩こりにも効く血行促進の食材とは【国際中医薬膳師執筆】

部の業績、ローン、教育費……。それでなくても肩の荷が重いおやじのみなさま、鉄板のようにこりまくった肩をもみほぐすマッサージ代で、身体ばかりか財布的にも首が回らない状態になる前に、食で肩こりケアをいたしましょう。

中医学では肩こりにはふたつのタイプがあるとしています。まず、「血」の巡りが悪いことで筋肉が硬くなって強い肩こりを引き起こす「血行不良肩こり」。

長時間のデスクワークで同じ姿勢を続けていたり、パソコンでの作業が多い人がなりやすいタイプです。押すと、グリグリとした硬いしこりがあって痛みがあり、顔色や唇の色が悪い、クマがある、頭痛、関節痛などのトラブルも見られます。

さらに、そのまま放っておくとがんなどの悪性腫瘍、血液がドロドロになり、あちこちに固まりやすいことから脳梗塞、心筋梗塞に要注意な体質！！“もみ食い”で健康診断の数値も改善を。

このタイプは血行を促進する食材を取り入れましょう。おすすめはカニ。血の滞りを解消して、血液を浄化する効能があります。中国では「土の中で動くカニは肩の中でも動いてこりをほぐす」と言われ、血行をよくして肩こりを解消する効果大。まさに“食べるマッサージ機”！　エグゼクティブのみなさんは金沢にでも上海にでも行っていただき、そうでないみなさんはランチにはカニ玉やカニサラダ、カニあんかけメニュー、居酒屋ではカニ酢をどうぞ。

いや、カニなんてとんでもない、贅沢すぎる！というあなたは血流アップに役立つ青魚がありますから。イワシ、アジ、サバ、サンマなどの青魚は血行を促進し、老廃物を洗い流すパワーがあります。青光りこそ、おやじの肩をほぐすレーザービーム！

ランチはサバのみそ煮や、塩サバ、しめサバ、アジフライ、アジのたたき、イワシのしょうが煮、サンマの塩焼きでこりをほぐしましょう。

そして青魚マッサージはコンビニでも可能です。サバの水煮缶、イワシのかば焼き缶、サンマの照り焼き缶……etc。キラ星のように並ぶ“つぼ押し”系缶詰で、お手軽もみタイムを。

野菜はたまねぎがおすすめ。血液をサラサラにして、血の巡りをよくして肩こり解消。縦横無尽な“もみ玉ベジタブル”として愛用を。そのうえ胃の不快感やキレの悪い痰をとる効果もあり、生活習慣病にもおすすめと、まさにおやじの神食材です。

ランチはコンビニのカップオニオンスープ、居酒屋でオニオンスライス、たまねぎフライで徹底的にもみしだきを。

また、スパイス類ではサフランが血行促進効果がバツグンです。サ、サフラン？？というあなた、スペインバルへゴー！　パエリヤってものに入ってますから。

もうひとつのタイプは、「ストレス肩こり」。ストレスで「気」が滞ることが原因の肩こりです。肩がパンパンに張っているこり方で、イライラがひどい、怒りっぽい、情緒不安定気味な人に多く見られます。またげっぷが多い、血圧が高い、目が充血しているといった傾向も。

こちらのおすすめはピーマン。自律神経をつかさどる臓器「肝」の働きをよくして気を巡らせて肩の張りをやわらげます。じつはピーマンは、血の巡りもよくしてくれる食材。「血行不良肩こり」にも、「ストレス肩こり」にもダブルで効果を発揮するという、エアバッグで肩をわしづかみ的なスーパーフード。ランチにチンジャオロースならしっかり摂取可能！　夜は焼き鳥屋のピーマン串焼きで“もみ飲み”するなり、焼き肉屋で肉よりピーマンを攻めるべし。

オレンジやグレープフルーツ、ゆずなどのかんきつ類も、さわやかな香りが気の流れをアップして、肩をほっこり癒やしてくれます。会議でヘロヘロになったら、すかさずオレンジジュース、グレープフルーツジュース、ゆずジュースを飲んで、癒やしのひとときを。

また、両方のタイプにおすすめの“あんま食材”として取り入れたいのが葛。筋肉の緊張をゆるめるパワーが絶大です。お姉ちゃんを誘って甘味処で葛切りデート、肩も心も、もみほぐされるひとときを。