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- ○腸の炎症を起こし不要物や有害物が入りやすくなる
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腸の炎症を起こし不要物や有害物が入りやすくなる
小麦には、ほかにも怖い作用があります。私たちの腸は、食物を消化・吸収する際、必要なものだけを通し、不要なものは通さない機能を持っています。小麦は、腸のこの機能がうまく働かないようにしてしまうのです。このことを、医学的には「腸の透過性が上がる」といいます。透過性、つまり「通り抜けやすさ」が高まるということです。腸の内側は、絨毛と呼ばれる細かい突起で覆われています。その表面が、さらに微絨毛と呼ばれる微細な突起でおおわれ、表面積がとても広くなっています。これは、できるだけ多くの栄養素を吸収するためです。絨毛には上皮細胞(皮膚や臓器・器官の内側表面を覆っている細胞)が敷き詰められ、細胞どうしはつながっています。そのため、十分に分解された必要な栄養素は通しますが、ある一定の大きさのものは通さないという「ふるい」のような構造になっています。この物理的な「ふるい構造」に加え、腸の免疫細胞や腸内細菌も、不要物や有害物を吸収させないように働いています。腸には、全身の80%のリンパ球が集まるといわれるほど、多数の免疫細胞が存在し、病原体や異物を排除しているのです。また、おびただしい数の細菌からなる腸内細菌叢(腸内に棲みついている細菌の集まり)は、物理的にも、また細菌の出す分解酵素などによっても異物の侵入を防いでいます。同時に腸内細菌は、腸の内容物をより吸収しやすいように分解したり、ビタミンやホルモン、酵素などをつくったりしています。腸内には、有害な悪玉菌もいますが、健康であれば善玉菌とバランスをとり、このように有益な働きをしてくれます。さらに腸では、粘膜と粘液によって侵入物を防いだり、病原体を無力化する免疫グロブリンという免疫物質が働いたり、消化酵素で消化を助けるとともに、異物の侵入を防いだり……といったしくみも備わっています。体に必要なものだけがとり込まれるように、何重にも関門を張り巡らせているわけです。しかし、自然界で消化できない物質(加工品や添加物、トランス脂肪酸、電子レンジによって変性したものなど)が大量に腸に入り、未消化物が多くなると、悪玉菌が棲みやすい環境になります。すると、炎症が起こりやすくなります。腸に炎症が起こると、上皮細胞の物理的な結合が緩んだり、粘液などの防御機能が低下したりします。そこに異物の攻撃を受けると、腸粘膜の「ふるい」の穴が大きくなってしまいます。こうして、体内に通すべきではない異物を通してしまい、そこに免疫細胞が集まって、異物に対する抗体をつくります。全身を攻撃する抗体(IgG抗体など)ができ、さまざまな組織が攻撃されてしまうのです。これを「リーキーガット症候群」と呼びます。リーキーは「漏れる」、ガットは「腸」を意味し、物質を通しやすくなることを「漏れる腸」と表現したものです。リーキーガット症候群を起こす原因としては、抗生剤の乱用やカビの繁殖、慢性的なウイルスへの感染、異常な抗体の産生などもありますが、最も日常的な原因が、パンをはじめとした小麦製品の常食です。前述のとおり、現在の小麦は非常に消化されにくいので、パンを常食すると腸に多くの未消化物が残ります。その結果、ここまで説明したようなしくみで、リーキーガット症候群を引き起こしてしまうのです。リーキーガット症候群とは?
腸の網目構造がこわれると、リーキーガット(漏れる腸)症候群を引き起こす
★腸に未消化物が多くなると、体内に通すべきでない物質を通してしまい、全身のさまざまな組織が攻撃されるリーキーガット症候群が起こる
★パンを常食すると、リーキーガット症候群が引き起こされてしまう
パンと牛乳は今すぐやめなさい!
第2章 なぜ、パンをやめたほうがいいのか?より
パンは腸と脳をこわす!牛乳は骨と血管を弱くする!乳ガン患者はパンと牛乳が大好き。内臓脂肪が激減!アトピー、鼻炎が改善!子宮筋腫、卵巣嚢腫が縮小!子供が勉強に集中できる。