目次
- ○外反母趾は足指の変形なのになぜ、足裏に痛みが出るの!?
- ○「3つの足のアーチ」が崩れると外反母趾が起こるってホント?
- ○足でタオルを引き寄せる運動で痛みが強くなったのですが……。
- ○外反母趾のつらい痛みその場でなんとかしたい!
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外反母趾は足指の変形なのになぜ、足裏に痛みが出るの!?
「母趾丘(ぼしきゅう)」は、足裏の親指のつけ根にあるふくらみです。外反母趾では、骨の変形によって足裏の筋肉が正しく使われずにこり固まってしまう、さらには、じん帯や腱が引っ張られるなど、足の裏に痛みを引き起こす要因はたくさんあるといえます。また、母趾丘は親指の押し出す力のカギとなる部分ですが、親指の機能が低下し、母趾丘を地面に打ち付けるだけの歩き方を続けると、骨を守ろうとする防御反応によってカルシウムが放出され、骨の出っ張りが形成される「仮骨性(かこつせい)外反母趾」を生じ、痛みを引き起こしていることも考えられます。仮骨性でない外反母趾が原因ならば、歩き方矯正などで痛みを取り去ることができるでしょう。 -
「3つの足のアーチ」が崩れると外反母趾が起こるってホント?
足裏の3つのアーチは、体を支え、地面からの衝撃を受け止める役目を担っています。たしかに、土踏まずがなくなる「扁平足」になると外反母趾を誘発しますが、反面、外反母趾の人は足裏が高く反りかえった「ハイアーチ」の人が多いというのが私の実感です。扁平足とハイアーチのどちらが不安定かといえば、断然、ハイアーチです。「アーチはあればいい」のではなく、3つのバランスが大事。正しく足を使い、足裏の筋肉を衰えさせないことが重要です。実は、外反母趾の人は「内側たてのアーチ」が高い人(ハイアーチ)が多い。足を安定させるには、3つのアーチのバランスを保つこと! -
足でタオルを引き寄せる運動で痛みが強くなったのですが……。
「タオル引き寄せ」は、外反母趾を予防・改善する定番運動。普段、窮屈な靴の中で縮こまった足指を意識して動かすことは、足裏全体の筋力アップにもつながります。ですから、すでに外反母趾の状態が固定してしまった人(骨の変形はあるが痛みはない状態)、外反母趾を防ぎたい人には適した運動といえます。しかし、痛みがある人向きではありません。痛みをがまんして筋肉を使うのではなく、『テニスボールころころ』で固まった足裏や足指の筋肉をほぐしてあげましょう。外反母趾予防に効く「タオル引き寄せ」
床にタオルを敷き、イスに座って両足を乗せる。足の指を使ってタオルをたぐり寄せる。
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外反母趾のつらい痛みその場でなんとかしたい!
外反母趾で痛みがある場合、ハイヒールなどの靴は避けたほうが無難ですが、どうしても履かなくてはならない場面もありますよね。また、圧迫のないサンダルや大きめの靴ばかり履いていると、「指歩き」になって外反母趾を悪化させる懸念もあるので気をつけましょう。とても簡単な方法ですが、骨のでっぱりに2~3㎝に切ったテーピングを張ると、外反母趾の接触痛がずいぶんやわらぎます。クッション性のある絆創膏も効果的。痛くて仕方がないときの応急処置として試してみてください!外出先でもOK!外反母趾の応急手当
テーピングや絆創膏をカットし、骨の出っ張りなどの痛みが強い箇所に貼る。
外反母趾・内反小趾は、骨がどのくらい曲がっているか、その角度が診断基準となりますが、より重視すべき症状は“痛み”です。痛みの出方や進行の個人差が大きい疾患なので、見た目がさほど曲がっていなくても、強く痛むこともあります。その場合は適切な治療とセルフケアが必要になります。
また、痛みの出方によって、親指の機能低下もわかります。例えば、つま先立ちになったり、足指を反らすストレッチを行ったとき、「痛みが生じるか?」も診断材料となります。
ここで紹介している『足指正座』は、私も治療に取り入れていますが、外反母趾を予防・改善するセルフケアであり、外反母趾の進行度合いチェックにも活用できます。自身の体重をかけて足裏をグーっとのばした際、親指全体や母趾丘(親指つけ根のふくらみ)の周辺に痛みがあったら危険信号! たとえ今は症状が出ていなくても、近い将来、外反母趾になる可能性のある“外反母趾予備軍”といえるでしょう。
さらに、歩き方が足のトラブルに影響を及ぼすことを考えると、股関節痛、ひざ痛、冷えやむくみなどの症状も見過ごすことはできません。骨盤からつながる下肢は連動して動いているため、間違った足の使い方をしていると、どこかに不調があらわれます。外反母趾もその一つとしてとらえ、正しく足を使うことを心がけましょう。