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「ウォーキング」と「ランニング」消費カロリーが多いのはどっち?
エネルギー消費量だけ増やしたいなら、速歩(そくほ)のほうが消費量は増えることをご存知でしょうか?
この記事では、ランニングのメカニズムついて紹介します。
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目次
- ○「走る」より「歩く」ほうが消費カロリーは大きい
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「走る」より「歩く」ほうが消費カロリーは大きい
「時速4キロメートルの速さでのウォーキング」と「ランニング」では、どちらがエネルギー消費量は大きいでしょうか?答えは「ランニング」です。それでは「時速8キロメートルの速さでのウォーキング」と「ランニング」ではどうでしょう?答えは「ウォーキング」です。エネルギー消費量だけ増やしたいなら、速歩のほうが消費量は増えます。エネルギー消費量は「運動の強度×時間」ですから、同じ時間運動するなら、できるだけ運動強度が高いほうがエネルギー消費量は大きくなります。速く走ったほうが運動強度は高まると一般的には思われがちですが、時速7キロメートルを超えたあたりから、人間は「腱」が稼働するようになります。腱は筋肉ほどエネルギーを必要としませんので、腱が使えるようになるとエネルギー消費量は少なくて済むようになります。腱をバネや強いゴムだと思ってください。伸ばす方向には大きな力を要しますが、縮む方向は反射的に縮みます。このときには、生理学的エネルギーはほとんど必要としません。腱を1センチ伸ばすには、一般の成人男性で43キロ程度の力が必要だと言われています(この力は筋肉で生み出す力ではなく、ランニングの着地時のような物理学的な力のこと)。時速4キロメートル程度のランニングでは、着地時のエネルギーは大きくないので、あまり腱は稼働しません。しかし、ウォーキングより上下動が大きくなるため、ランニングのほうがエネルギー消費量は大きくなります。時速8キロメートルほどのランニングになると、滞空時間が長くなり着地時の力が大きくなるため、腱が稼働しだします。しかしながらウォーキングにおいては、時速8キロメートル程度でも腱は稼働しないため、筋肉の稼働がますます盛んになり、エネルギー消費量が大きくなります。つまり時速8キロメートル以上の速さでのウォーキングは、ランニングより苦しいということになります。私がお手伝いさせていただいている市町村事業の健康づくり教室などでは、陸上競技場などの距離がはっきりわかる場所で、6分間歩の体力測定をおこないます。おもしろいのは、決まって先頭の人の距離は800メートルくらいで終わるのです。つまり時速8キロメートルくらいの歩きです。また、最近では歩くよりスロージョグ(ゆっくりのランニング)のほうが効果的と言われますが、これも、こうしたメカニズムのためです。エネルギーを消費したいのなら、時速8キロメートルくらいまでは走ればいいのです。ぜひ、時速8キロ程度の速歩に挑戦してみてください。きっと「走ったほうが楽!」という感覚を味わえると思います。