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【博士(医学)執筆】ココナッツミルクがダイエットに効果的な理由

ココナッツミルクは摂取するとケトン体の血中濃度を高めてくれます。そのためダイエット効果が期待されると言われていますが、何故ケトン体が増えるとダイエット効果があるのでしょうか。人間のエネルギー代謝システムと併せてご紹介します。

白澤卓二(お茶の水健康長寿クリニック院長),ダニエラ・シガ

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目次

  1. ○ココナッツミルクがあなたをやせやすい体質にする
  2. ○3つのエネルギー代謝システムについて知ろう
  3. ○ケトン体質を手に入れれば〝やせる〞〝体が活性化する〞
     
    • ココナッツミルクがあなたをやせやすい体質にする

      ケトン体とは、脂質から合成されるエネルギー物質です。ココナッツミルクに含まれる中鎖脂肪酸から合成されますが、それ以外にも体内の脂肪からつくられることもわかっています。
      日本では、「エネルギー源はブドウ糖である。だから、炭水化物(糖質)を多く含むごはんやパン、めんなど主食をしっかり食べなければいけない」という考え方が主流になっています。
      ところが、この炭水化物至上主義による炭水化物の過剰摂取が私たちに肥満をもたらし、糖尿病をはじめとする生活習慣病を招いていることが、最新の研究報告で明らかになってきました。アメリカでは小麦に含まれるグルテンによる弊害が問題視され、いまやグルテンが含まれていないグルテンフリーの食事がいたるところで見られるようになっています。
    • 3つのエネルギー代謝システムについて知ろう

      ケトン体について知るためには、まず私たちの体がどのようにエネルギーをつくり出しているかを知りましょう。これは「どうして太るのか」という、ダイエットの永遠のテーマにもつながるとても大切なことです。
      少し難しいかもしれませんが、基本となる大切なことなので、まずはここを理解することから始めましょう。
      そもそも、私たちは体を動かしたり、体温を維持したり、内臓を動かしたりするためのエネルギーをつくり出すシステムを体内に備えています。
      このエネルギーは、私たちがふだん口にしている食事によって摂取した栄養からつくられています。そして、この食物に含まれる栄養からエネルギーをつくり出す過程を「エネルギー代謝」と呼びます。
      まっさきにエネルギー源として使われるのは、ごはんやパン、めんなどに多く含まれる炭水化物(糖質)です。炭水化物は腸管で消化・分解されてブドウ糖となり、血液中に送られて全身の細胞に届けられます。これは「解糖系かいとうけい」と呼ばれるもっとも私たちになじみが深いエネルギー代謝システムなので、第1の回路と呼んでもいいでしょう。
      解糖系に次ぐ第2の回路が「糖新生とうしんせい」と呼ばれる、食事で摂取したたんぱく質や筋肉からブドウ糖をつくり出すエネルギー代謝システムです。これは、長期間の絶食や極端な栄養不足などで体内のエネルギーが枯渇したときに使われるため、ふつうに生活していればスイッチが入ることはほとんどありません。
      このようなことから、これまで私たちが生命活動を維持するためのエネルギー源はブドウ糖だけであり、ごはんやパン、めんなど炭水化物を多く含む主食を「毎食、必ず食べなければいけない」と思い込まされてきたのです。
      そんななか、ごく最近、新たなエネルギー源として彗星のごとく登場したのが「ケトン体」です。ケトン体は体内のブドウ糖を使い切ったときに、脂質が分解されてできる物質で、ブドウ糖とはまったく違う物質です。ココナッツミルクやココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸や、体内にため込まれている脂肪細胞などの脂質から合成されます。
      最近の研究で、このケトン体をエネルギー源として利用する第3の回路が、私たちの体に備わっていることが改めて見直され、ダイエットや糖尿病予防、認知症の予防・改善、健康長寿に役立つなど、さまざまな効果があることがわかってきたのです。
      私たちの体に備わっているエネルギー代謝システム

      私たちの体に備わっているエネルギー代謝システム

    • ケトン体質を手に入れれば〝やせる〞〝体が活性化する〞

      なぜケトン体がここまで注目されているのか。
      それは、現代人が炭水化物(糖質)の過剰摂取に陥り、そのことによる病気が加速度的に増加しているからです。
      これまで、甘いお菓子やドリンクなど「甘いもの(砂糖)」を過剰摂取することが糖尿病の原因のように考えられてきました。もしかしたら、いまでもそう思っている人が多いかもしれません。
      血糖値(血液中のブドウ糖の量)やインスリンという血糖値を下げるホルモンの研究が進み、ごはんやパン、めんなど炭水化物を多く含む主食も血糖値を上昇させることがわかっています。
      糖質(ブドウ糖)はエネルギー源として必要なものではありますが、多すぎても少なすぎてもよくありません。現代日本のように、3食すべてで主食をとり、なおかつ甘いお菓子やドリンクをたっぷりとる食習慣を送っていると、糖質を過剰に摂取しています。いまは、このように使い切れないくらいのブドウ糖を体内に取り入れている人がほとんどです。
      使い切れなかったブドウ糖は、インスリンの働きで中性脂肪に変えられて脂肪細胞にため込まれます。ため込まれた中性脂肪がどんどん増えていくと体重が増えます。これがいわゆる肥満です。
      肥満に陥ると、血液中の血糖や脂質、血圧のコントロールがうまくできなくなる代謝異常に陥り、動脈硬化が進行しやすくなって、脳卒中や心筋梗塞などのリスクがとても高くなってしまいます。これがメタボリックシンドロームです。
      また、認知症のリスクが高くなる、がんを発症しやすいという指摘もありますし、何より動脈硬化によって血管がボロボロになり、全身の老化を促進するという、私たちにとってありがたくないことばかりなのです。
      これらはすべて、糖質の過剰摂取によって起こります。
      糖質の過剰摂取による弊害を避けるため、ブドウ糖以外のエネルギー源であるケトン体が注目されることになったわけです。
      さらに、ケトン体そのものが体内の老化を抑制する抗酸化物質であることがわかり、アンチエイジングにも効くようだということもわかってきました。
      わかりやすく、私たちの体を車にたとえてみましょう。ブドウ糖は燃焼したときに二酸化炭素を発生して地球環境に害をもたらすガソリンのようなもの、ケトン体は燃焼しても不要物を発生しないクリーンエネルギーのようなものです。
      ただ、ケトン体はブドウ糖を使い切ったときに合成されます。いまの日本でふつうとされている食事を続けているかぎり、ケトン体は合成されることなくエネルギー源をブドウ糖に依存して糖質の過剰摂取を招くことになります。
      逆に言えば、ケトン体を合成できる「ケトン体質」を手に入れれば、あなたの体についている余分な脂肪がどんどん燃焼し、心身が活性化するでしょう。

      体脂肪を減らし、体を活性化するにはケトン体回路をスイッチオン。

Dr.白澤のココナッツミルク・ダイエット

白澤卓二,ダニエラ・シガ

神宮館

2章 ココナッツミルクでやせる&心身が活性化する!より

順天堂大学大学院教授の白澤卓二氏が最新の医学情報をもとにココナッツミルクによるダイエット方法を考案。さらにココナッツミルクを使った健康&ダイエットレシピを同大学院の研究員ダニエラ・シガ氏が担当し、カンタンでダイエットに良く効くおいしいメニューが満載です。

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