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【歯科医執筆】毒出しうがいで「ばい菌」の増殖を防ぐ!

口の中の菌は虫歯や歯周病といった歯の病気や口臭だけではなく、動脈硬化や心筋梗塞などさまざまな病気を引き起こすことがわかっています。口の中で繁殖する「ばい菌」を防ぐには歯磨きだけでは不十分です。ばい菌の繁殖を防ぐ方法を、歯科医執筆の書籍からご紹介します。
※毒出しうがい:歯の各所に向かって、口に含んだ水を強くぶつけるうがい方法

照山裕子(歯学博士)

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目次

  1. ○毒出しうがいで、ばい菌の増殖を防ぐ!
     
    • 毒出しうがいで、ばい菌の増殖を防ぐ!

      口の中のばい菌が悪さをするのは、虫歯や歯周病といった歯の病気、それから人間関係まで悪化させる口臭だけとは、限りません。
      恐ろしいことに、口の中のばい菌は、口だけでなく、からだ全体に悪さをすることがわかってきました。
      動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性ごえんせい肺炎、敗血症、皮膚炎、腎炎、リウマチ性関節炎、アルツハイマー型認知症など、さらには早産や低体重児出産の原因になるともいわれています。
      口の中にいる細菌は300種類以上あるといわれ、数にすると約1000億~6000億個。1日3回歯みがきする、寝る前に洗口液でうがいする、そういった口の中をきれいにする習慣がない人には、約1兆個もの細菌が生息しているといいます。
      歯科医院にある、生きたままの細胞を観察できる位相差顕微鏡で自分の口の中の細菌を見せてもらうと、驚くほど細菌がうじゃうじゃいることを確認できます。
      この口の中にいる細菌群のことを、近頃は口内フローラ(口腔内細菌叢こうくうないさいきんそう)と呼ぶこともあるようです。
      もっとも、口の中にいるすべての細菌がからだに悪さをしているわけではなく、約8割の細菌は口内の環境を整え、健康を維持するためにはたらいています。これを常在菌といい、誰の口の中にも共通して生息しています。
      からだに悪さをするのは、細菌群のほんの一部。それが虫歯菌や歯周病菌といった「ばい菌」たちです。
      どうしてそれだけの数の細菌が口の中にいるのかというと、細菌にとって口ほど住み心地のいい場所はないからです。
      体温によって一定の温度が維持される。
      唾液によって水分が供給される。
      さらに、わたしたちが食事をする度に栄養分が補給される。
      とくに、ばい菌が好んで住み着く場所は、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、歯と歯が重なったところ、抜けた歯のまわりなど、丁寧に歯をみがいても食べかすや汚れがとれないところです。
      しかも、ばい菌は、食べたり、飲んだり、息をしたり、話したりするときに口を開くと、その度に外から新しい仲間がどんどん入ってきます。
      それでも簡単に病気にならないのは、唾液の自浄作用によってばい菌が洗い流され、健康維持のためにはたらく菌とのバランスが保たれているからです。このバランスが保たれている限り、ばい菌がからだに悪さをすることはありません。
      逆に、ばい菌が増えてバランスが崩れはじめると虫歯になり、歯周病を発症し、口臭がひどくなり、やがては、からだのあちこちに症状があらわれるようになります。

歯科医が考案 毒出しうがい

照山裕子

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