目次
- ○ぜんそくとは?
- ○小児ぜんそくと大人のぜんそく、どう違うの?
-
ぜんそくとは?
ぜんそくは、空気の通り道である気道(P.22)のうち、肺から先にある気管支が炎症を起こす病気です。正式には「気管支ぜんそく」といいます。ぜんそくの症状の大きな特徴は、呼吸をするときに、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった苦しそうな音がすることです。これは、慢性的な炎症のために細くなった気道を空気が通るときに出る音で、「ぜんめい(喘鳴)」と呼ばれています。炎症を起こした気管支は、ちょっとした刺激にも敏感になっています。そのため、カゼをひいたり、さまざまな刺激物(たとえば、ダニやペットの毛など)や冷たい空気を吸い込んだりすると、急に激しく咳き込んだり、ゼーゼー、ヒューヒューしはじめて、息が苦しくなります。また、カゼをひいていないのに咳が長引いたり、運動をすると咳やぜんめいが出て呼吸困難になることもあります。これが、ぜんそく発作です。お子さんがこのような症状をくり返すときは、小児ぜんそくの可能性があるので、早めに病院で診てもらいましょう。 -
小児ぜんそくと大人のぜんそく、どう違うの?
小児ぜんそくと大人のぜんそく(成人ぜんそく)には、いくつかの違いがあります。たとえば、小児ぜんそくの95%はアレルギー性のものですが、成人ぜんそくの約35%は、アレルギーとは直接関係がありません。治療目標も異なります。成人ぜんそくは、小児ぜんそくに比べて治りにくいため、症状をやわらげること(緩和)を治療の目標に病状をコントロールしますが、小児ぜんそくの場合は、適切な治療を行うことで治すことができますので、治癒を目標としています。ぜんそく発作を引き起こすものには、カゼ、運動、冷たい空気を吸い込むことなどがありますが、これらを避けて生活することはできません。本書では、発作を起こさないようにし、あるいは発作が起きても軽くすむようにコントロールして、治癒をめざす方法を説明していきます。
図解でわかる!小児ぜんそく
正しい治療をわかりやすく! 小児ぜんそくの患者数は増加し、100 万人を超えているという統計があります。 ほとんどの小児ぜんそくはアレルギーが原因で、病院で処方される薬物での治療と同時に、生活の中で発作の原因となるアレルゲンと接することを減らす環境作りがとても重要です。 本書は、小児ぜんそくの子どもを持つ保護者の方向けに、病気による成長への影響を最小限にするための、小児ぜんそくの基礎知識、薬物治療の正しい知識、環境整備の方法、幼稚園や学校など集団生活での過ごし方などを医学的根拠に基づいてわかりやすく紹介します。