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【医師監修】ぜんそくの発作を防ぐ室内掃除のコツ

直接的に発作を引き起こす原因(カゼ、冷たい空気を吸い込むこと、 急激な運動)のすべてを避けるのは難しいかもしれませんが、発作を起 こしやすくする原因・悪化させる原因を少なくすることはできます。
この記事では、環境整備によるぜんそくの発作を抑える秘訣について紹介します。

大矢 幸弘

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目次

  1. ○室内環境を改善して発作を防ぎましょう
  2. ○ダニは最大のアレルゲン
  3. ○掃除と除湿でダニアレルゲンを減らしましょう
  4. ○家具などの選び方と置き方
  5. ○寝具の管理は重要です
  6. ○ぬいぐるみは丸洗いできるものを
  7. ○ペットが発作を悪化させることも……
  8. ○タバコを吸う家族に禁煙をお願いしましょう
  9. ○空気汚染の原因をできるだけなくしましょう
  10. ○PM2.5などの大気汚染にも注意を
     
    • 室内環境を改善して発作を防ぎましょう

      ぜんそくの治療は、3本の柱で支えられています。

       

      ◦薬で気管支の炎症をおさえていく。
      ◦原因となるアレルゲンなどを取り除くために生活環境を整備する。
      ◦適度な運動によって免疫力を高める。

       

      直接的に発作を引き起こす原因(カゼ、冷たい空気を吸い込むこと、急激な運動)のすべてを避けるのは難しいかもしれませんが、発作を起こしやすくする原因・悪化させる原因を少なくすることはできます。それが環境整備です。

    • ダニは最大のアレルゲン

      ぜんそくに関係しているアレルゲンのなかで、圧倒的に多いのはチリダニです。人を刺すことはありませんが、フンや死がいのかけらはとても小さく、空気中にただようため、気管支を刺激して発作を引き起こしたり、悪化させたりします。
      ぜんそく発作は、急に涼しくなった秋の日に多いという統計結果があります。これは、夏にたくさん発生したチリダニなどが、急に気温が下がって死に、ダニの死がいやフンがハウスダスト(室内のホコリやチリ)のなかに多く含まれるからだと考えられています。

    • 掃除と除湿でダニアレルゲンを減らしましょう

      チリダニは、ほぼ1年中、家のなかに発生します。きれい好きな家庭でも、家のなかのダニをゼロにすることは不可能ですが、次のことに気をつければ、ダニの繁殖を減らすことができます。

       

      こまめな除湿
      除湿器やエアコンの除湿機能を使って、室内の湿度を下げましょう。また洗濯物はできるだけ室外に干すようにしましょう。

      ていねいな掃除
      できるだけ毎日掃除をして、ダニのえさになるようなものやホコリをカーペットや畳のなかにためないようにしましょう。
      ▶カーペット
      毛足の短いものにして、表面だけでなく、裏側や下の床にもこまめに掃除機をかけましょう。
      ▶畳敷きの床
      できるだけ頻繁に、時間をかけて掃除機をかけましょう。
      ▶カーテン
      ホコリがつきやすいので、できればブラインドに替えてふき掃除をするか、洗濯しやすい素材のものにして、こまめに洗濯しましょう。
      ▶エアコン
      フィルターの奥にある冷却フィンは、非常にカビが発生しやすい部分です。年に1回は専門業者に頼んで洗浄してもらいましょう。冷房を使ったあとの時期にカビを除去するのが効果的です。また、フィルターにたまったカビやホコリは、家庭で定期的に掃除をしましょう。毎日使うシーズン中は2週間に1回がめやすです。
      ▶サッシのみぞ
      ほこりもていねいに取り除き、カビなどが発生しないよう、水分をふき取りましょう。

       

      掃除中は部屋にホコリが舞い上がるので、窓を開けて空気の入れ替えをし、お子さんが家にいないときに行うか、別の部屋にいさせるようにしましょう。なお、掃除機は、排気がきれいな機種を選びましょう。でも、「すべて完璧にやらなければいけない」と無理をすると負担になり、かえって長続きしなくなってしまいます。まずは「少しでも減らす」をめざして、発作の起こりにくい環境をつくっていきましょう。
    • 家具などの選び方と置き方

      ▶家具
      なかにホコリがたまらないように、扉やふたつきのものにしましょう。家具の裏側も掃除をします。また、家具の上の掃除がしやすいように、小物類を置かないようにしましょう。
      ▶布製のソファやクッション
      ダニが繁殖しやすいので、掃除機をていねいにかけましょう。できれば目の細かい防ダニカバーをかけて、カバーをこまめに洗濯するとよいでしょう。
      ▶こたつ
      ダニの温床になりやすいので、避けたほうがよいでしょう。使う場合は、こたつ布団やカバー、こたつの下の敷物をこまめに洗いましょう。
      ▶照明器具
      天井に直接取りつけるタイプのものは、カバー内にたまったホコリを定期的にふき取りましょう。吊り下げ式はカサにホコリがつきやすいので、こまめにふき掃除をしましょう。
      ▶鉢植え
      室外に出しましょう。鉢植えの土や砂、葉についたホコリ、植物の花粉、水受け皿に発生するカビなどは、ぜんそく発作を引き起こすアレルゲンになることがあります。

    • 寝具の管理は重要です

      寝具類は家のなかで最もダニにさらされやすいうえ、大人よりも寝る時間が長い子どもは、寝具についたダニの影響を受けやすいのです。おもな対策は次の通りです。

       

      こまめに洗濯
      シーツ、布団カバー、枕カバーは、1週間に1回は洗濯しましょう。

       

      安い布団を買って毎年取り替える
      どんなに干したり洗ったりしても、布団からダニをなくすことは難しいものです。けれども、新しい布団にはダニがついていません。化学繊維素材の安い布団を買い、毎年取り替えると、寝具にダニが繁殖するのを防ぐことができます。

       

      ダニを通さないカバーを使う
      高密度生地(とても細い繊維をすきまのないように織り、加熱処理した生地)を使った布団カバーやシーツ類が市販されています。「防ダニカバー」「防ダニシーツ」などと呼ばれているもので、汗などの水分や空気は通しますが、数ミクロンのダニのフンでも通しません。新しく買った布団に防ダニカバーや防ダニシーツをかけ、週に1回はカバーやシーツを洗うことで、ダニの繁殖を防ぐことができます。

       

      防ダニ寝具の使用
      高密度生地を使った布団や枕も市販されています。普通の寝具より高価ですが、ダニアレルギー対策に有効です。

       

      天日干し、布団乾燥機の使用
      まめに天日干しをするか、お子さんがアレルギー性鼻炎なら布団乾燥機を使います。いずれの場合も、できれば仕上げに掃除機をかけましょう。

      その他
      ダニは湿気が好きなので、押し入れのなかにスノコを敷いて、通気性をよくしましょう。寝室に空気清浄機を置くと、ある程度の効果は期待できますが、それだけでダニ対策ができるわけではありません。寝具からできる限りダニを取り除くことが何より大事です。

    • ぬいぐるみは丸洗いできるものを

      ぬいぐるみはダニやホコリの温床です。丸洗いできるものを少数にとどめ、月に1回は洗いましょう。防ダニ素材のぬいぐるみもあります。
      洗えないもので、お子さんがどうしても手放したがらないなど、処分できない場合は、料金はかかりますが、ぬいぐるみの特殊クリーニングを行う業者に頼むという方法もあります。
      また、ぬいぐるみを抱いて寝ると発作を引き起こす可能性が高いので、寝具のまわりに置くのは避けましょう。ダニやホコリの影響を、できるだけ少なくすることが大切です。
    • ペットが発作を悪化させることも……

      イヌ、ネコ、ハムスター、ウサギ、小鳥など、毛や羽のあるペットは、毛やフケや排せつ物がアレルゲンとなり、発作を悪化させる危険性があります。たとえば、イヌを室内で飼っている家庭のお子さんがカゼをひいて発作を起こすケースや、ペットにかまれて急にアレルギー反応を起こすケースもあります。
      基本的には、ぜんそくのお子さんがいる家庭では、毛や羽のあるペットを飼ったり近づけたりしないようにしましょう。

      とくに、ネコのアレルゲンは舞い上がりやすく、衣服や家具にくっつきやすい特徴があります。家で飼っていなくても、親せきの家など親しく行き来する家でネコを飼っていると、アレルゲンに接して、症状が出ることもあります。
      金魚や熱帯魚であれば影響が少ないでしょう。しかし、水槽のカビがアレルゲンとなることがあるので、カビ対策が必要になります。すでにペットを飼っているご家庭では、つらい選択になると思いますが、治療を最優先しなければいけないことをお子さんにお話ししてあげてください。
      どうしても手放せない場合は、少なくとも屋外で飼うようにしましょう。そして、週2回はペットを洗い、アレルゲンの影響をできるだけ減らしましょう。しかし、発作のリスクがあるので、お子さんの部屋には入れないようにしてください。

    • タバコを吸う家族に禁煙をお願いしましょう

      タバコの煙には、200種類以上の有害な化学物質が含まれています。しかも、喫煙者本人が吸い込む煙より、タバコの先から出る煙(副流煙)のほうに有害物質が多いのです。
      受動喫煙はぜんそくを悪化させるだけでなく、肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症や、呼吸機能の低下も招きます。受動喫煙の期間が長いほど発症が増えるという報告もあります。また、お子さんのいない部屋や換気扇の下でタバコを吸っても、リスクはなくなりません。
      家族にタバコを吸う方がいる場合は、禁煙をお願いしましょう。ニコチン依存症などで自力での禁煙が難しい場合は、病院で禁煙治療が受けられます。病院の禁煙外来は、一定の条件を満たせば健康保険が適用され、医師のアドバイスを受けながら禁煙補助薬を処方してもらえます。薬局でも、OTC医薬品(市販薬)として体に貼る禁煙パッチや、禁煙ガムが売られています。
      どうしても禁煙が無理なら、室内でタバコを吸うのをやめてもらいましょう。ただし、体や肺のなかにタバコの有害物質をつけたまま家のなかに入るだけで、室内の空気は汚れてしまいます。ご家族みんなの健康のためには、やはり禁煙するのがいちばんです。

    • 空気汚染の原因をできるだけなくしましょう

      ▶仏壇の線香や蚊取り線香の煙
      発作の原因になることがあるので、できるだけ使わないようにするか、線香をたいている部屋にお子さんを近づけないようにしましょう。
      ▶エアコン
      エアコンは冷却フィンの掃除だけでなく、フィルターのお掃除もこまめにしましょう。
      ▶二酸化炭素
      石油やガスを使う暖房器具や調理器具から出る二酸化窒素も影響があるので、使うときは換気をしっかり行いましょう。
      ▶ホルムアルデヒド
      家の新築やリフォームのときは、ホルムアルデヒドなどの発生量が少ない建材や家具を選ぶようにしましょう。
    • PM2.5などの大気汚染にも注意を

      近年、PM2.5による大気汚染が問題になっています。PM2.5は、大気中にただよっている2.5ミクロン(0.0025mm)以下の小さな粒子で、多量に吸い込むとぜんそくや気管支炎の原因になることがあります。
      日本気象協会のホームページの「PM2.5分布予測」や、自治体が公表している観測値に注意して、PM2.5の濃度が上がったら外出を控えるか、外に出るときは細かなチリも通さないマスクをするようにしましょう。
      最近では、PM2.5をはじめとする大気汚染に対応する空気清浄機も登場していますが、今のところ、応急的な対策にしかならないようです。

図解でわかる!小児ぜんそく

大矢幸弘

法研

正しい治療をわかりやすく! 小児ぜんそくの患者数は増加し、100 万人を超えているという統計があります。 ほとんどの小児ぜんそくはアレルギーが原因で、病院で処方される薬物での治療と同時に、生活の中で発作の原因となるアレルゲンと接することを減らす環境作りがとても重要です。 本書は、小児ぜんそくの子どもを持つ保護者の方向けに、病気による成長への影響を最小限にするための、小児ぜんそくの基礎知識、薬物治療の正しい知識、環境整備の方法、幼稚園や学校など集団生活での過ごし方などを医学的根拠に基づいてわかりやすく紹介します。

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