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【医師監修】小児ぜんそくと運動

運動をすることで引き起こされる発作を「運動誘発ぜんそく」といい ます。 原因は、運動によって呼吸が深く速くなることで気道粘膜の水分が蒸 発して乾燥し、同時に外気に触れることで気管支が冷えて刺激されるた めだと考えられています。
この記事では、運動誘発ぜんそくを軽くするための予防や対処法について紹介します。

大矢 幸弘

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目次

  1. ○小児ぜんそくと運動
  2. ○医師と相談して適度な運動を
  3. ○運動誘発ぜんそくを軽くするために~
  4. ○運動しているときに苦しくなったら
  5. ○運動への苦手意識をなくしましょう
     
    • 小児ぜんそくと運動

      運動をすることで引き起こされる発作を「運動誘発ぜんそく」といいます。運動後5~10分で発作が最も強くなり、ほとんどの場合、30分ほどでおさまります。
      原因は、運動によって呼吸が深く速くなることで気道粘膜の水分が蒸発して乾燥し、同時に外気に触れることで気管支が冷えて刺激されるためだと考えられています。
    • 医師と相談して適度な運動を

      運動誘発ぜんそくがあっても、適切な予防策をとりながら運動を適度にするほうがよいので、運動への取り組み方を医師と相談しておくことが大切です。どのくらい運動をするとどのくらいの発作が起きるのか、発作の頻度や程度などを医師に伝え、どういう運動から始めればよいかのアドバイスを受けましょう。
      運動をするときにお子さんが注意する点、周囲の人に気をつけてもらう点、発作が起きたときの対応なども確認しておきましょう。
      学校に行くようになると、体育の時間に運動誘発ぜんそくを起こすケースが、比較的よくみられますが、適切な指導と予防で体育の授業に参加できる場合もあります。運動中に発作が起きたときのことについて、お子さんと話し合っておくことも大切です。
    • 運動誘発ぜんそくを軽くするために

      ウォーミングアップ
      運動をするときは、いきなり激しく動くのではなく、ウォーミングアップをしっかり行い、体を慣らしておくと、発作が起こりにくくなります。

       

      薬による予防
      運動をする前に、ぜんそく治療薬を使うと、予防効果があります。
      とくに、秋や冬の空気は乾いているので、発作が起こりやすくなります。どの薬を運動の何分前に使うかは、医師の指示に従いましょう。

       

      マスクの使用
      マスクをして運動すると鼻や口の湿度と温度が保たれ、気道粘膜の水分の蒸発を防げます。マスクで息苦しさを感じるようなら、医師に相談しましょう。

       

      その他
      運動をする前に、水などでのどをうるおしておくと、発作が起こりにくくなります。
    • 運動しているときに苦しくなったら

      お子さんと対処法について話し合っておくことが大切です。運動しているときに苦しくなったら、すぐに運動を中止し、周囲の人に伝えるようにさせましょう。少し休み、水を飲んで、腹式呼吸をすることで、よくなることもあります。とても苦しいときには、吸入をして、病院へ連れていってもらうようにしましょう。

    • 運動への苦手意識をなくしましょう

      運動誘発ぜんそくの多くは、適度の運動を続けるうちによくなっていきます。お子さんが運動に対する苦手意識をなくし、自信と積極性をもつためにも、運動療法は重要です。
      気道が乾燥するような運動は発作を起こしやすいので避け、十分なウォーミングアップのあと、ウォーキングなどのエアロビクス運動(有酸素運動)と短いダッシュや筋トレなどを組み合わせ、水分を補給しながら行うとよいでしょう。息を吸ったときにお腹がふくらむ腹式呼吸を練習すると、ほどよい運動になり、呼吸を整える方法を知ることで発作のときにも役立ちます。

図解でわかる!小児ぜんそく

大矢幸弘

法研

正しい治療をわかりやすく! 小児ぜんそくの患者数は増加し、100 万人を超えているという統計があります。 ほとんどの小児ぜんそくはアレルギーが原因で、病院で処方される薬物での治療と同時に、生活の中で発作の原因となるアレルゲンと接することを減らす環境作りがとても重要です。 本書は、小児ぜんそくの子どもを持つ保護者の方向けに、病気による成長への影響を最小限にするための、小児ぜんそくの基礎知識、薬物治療の正しい知識、環境整備の方法、幼稚園や学校など集団生活での過ごし方などを医学的根拠に基づいてわかりやすく紹介します。

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