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【医師執筆】発達障害とはどのような障害なのか?

一般的に発達障害というと、自閉症や学習障害(以下、 LDと略)、注意欠陥多動性障害を指します。それらに高機能自閉症やアスペルガー症候群を含めたものは現在、広汎性発達障害と呼ばれています。この記事では、発達障害とは、どのような障害なのかを紹介します。

高貝 就

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目次

  1. ○発達障害とは、どのような障害なのかを知ろう
  2. ○広汎性発達障害の診断の基準
     
    • 発達障害とは、どのような障害なのかを知ろう

      一般的に発達障害というと、自閉症や学習障害(以下、LDと略)、注意欠陥多動性ちゅういけっかんたどうせい障害(以下、ADHDと略)を指します。それらに高機能自閉症こうきのうじへいしょうやアスペルガー症候群を含めたものは現在、広汎性こうはんせい発達障害と呼ばれています。広汎性とは、障害のあらわれが幅広いことをあらわす言葉です。
      自閉症を除いた広汎性発達障害と自閉症との違いは、知的障害があるかないかです。そのなかで、高機能自閉症は知的障害を伴わない自閉症を指し、アスペルガー症候群は知的障害と言葉の問題がないものを指しています。ただし病院では、この高機能自閉症とアスペルガー症候群の両者を明確に区別して治療を行うことはほとんどありません。またアスペルガー「障害」という場合とアスペルガー「症候群」という場合がありますが、両者は同じです。
      広汎性発達障害を「自閉症スペクトラム」と呼ぶこともあります。スペクトラムとは、境目さかいめなく一続きであることを指しています。症状を色のグラデーションでたとえると、自閉症は濃いめの色で、高機能自閉症・アスペルガー症候群は薄めの色といったイメージをもっていただくとわかりやすいでしょう。つまり、広汎性発達障害と自閉症スペクトラムは別々の疾患を指しているのではなく、見方による呼び方の違いなのです。
      今後、国際的にアスペルガー症候群や高機能自閉症といった疾患名は姿を消し、自閉症スペクトラム障害という表記に一本化される見込みです。先ほど説明したように、自閉症スペクトラムとは自閉症の一続きの症状の呼び方ですから、アスペルガー症候群・高機能自閉症も含んでいます。
      ちなみに本書では、アスペルガー症候群・高機能自閉症を中心とした広汎性発達障害の子どもについて触れていくので、「広汎性発達障害」または「発達障害」という呼び方を使い、また特性をわかりやすく説明するために、従来の分類名も使用していきます。

       

      自閉症
      多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害。「周囲との交流困難」「言語の遅れ」「限定的な興味や動作の反復性」が特徴で、3歳くらいまでに発現する。

       

      発達障害の定義
      平成17年施行の発達障害者支援法で「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義。

      ADHD(Attention-Deficit/HyperactivityDisorder)
      注意欠陥多動性障害の略。動き回り、じっとしていられない、ボーッとしていて話を聞けない、すぐに気が散る、待つのが苦手、整理整頓ができず忘れ物が多いなどのあらわれが特徴。不注意、多動性、衝動性が代表的な症状。

       

      LD(LearningDisorders,LearningDisabilities)
      学習障害の略。知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用がとても困難な状態。

      広汎性発達障害の診断の基準

      では広汎性発達障害と診断される基準とは、一体どのようなものなのでしょうか。現在、自閉症その他の診断では、イギリスの精神科医ウイングが提唱した次の3つの特性について当てはまるかどうかを見ていきます。
      ①対人的相互反応、すなわち社会性の障害(相手の気持ちがわからない、など)
      ②コミュニケーションの障害(気持ちをうまく伝えられない、など)
      ③想像力の障害とそれに基づく行動の障害(こだわりが強い、など)
      ウイングの3つの特性については、それぞれがよりくわしい項目に分かれています。続く項目で、自閉症の診断基準となっている『DiagnosticandStatisticalManualofMentalDisorders(精神疾患の分類と診断の手引)』にそって、それぞれを説明していきます。
      現在の代表的な自閉障害(自閉症)の診断方法は「①②③から合計6つ以上、そのうち②と③から1つずつの項目を含むこと」となっています。それに加えて、「①②③のうちの1つが3歳以前に始まること」とされています。
      アスペルガー症候群の診断基準は「①から2つ以上、そして③から1つ以上の基準を満たすこと」「いちじるしい言葉の遅れや知的障害を伴わないもの」とされています。
      この診断基準による広汎性発達障害に該当する人は1万人あたり数十人、そのうちの半数がアスペルガー症候群や高機能自閉症だとされています。

       

      精神科医ローナ・ウイング
      娘が自閉症だったことから自閉症スペクトラム障害の研究に携わる。1962年に全英自閉症協会(TheNationalAutisticSociety,NAS)の創設に関わり、広汎性発達障害の子どもと家族を支援している。

      DiagnosticandStatisticalManualofMentalDisorders
      精神疾患の国際的な診断基準とされている手引き書。日本語版は『精神疾患の分類と診断の手引第4版用修正版』(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸訳/医学書院/2006)。

子どもの発達障害 家族応援ブック

高貝就

法研

「うちの子、理解されにくいかも……」「うちの子、学校になじめないかも……」。言葉としてはよく知られるようになった「発達障害」。ただ、障害の詳しい特性や、望ましい接し方、「療育」など支援の仕方など、肝心なことはまだまだ十分知られているとは言えません。大切なことは、周囲の方が「発達障害」について正しい知識を持ち、早いうちに子どもが抱えている困難感を理解して、その子が持っている伸びる力を発揮できるようサポートしてあげることです。本書は、発達障害を持つ子どもが、すこやかに成長し、将来自立していけるように、発達障害の基礎知識、療育や支援の受け方など、実践的で役立つ情報を児童精神科医師がやさしく解説し家族を応援します

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