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【医師執筆】「うちの子発達の問題があるのかも?」と思った時の対処法

普段の生活のなかでわが子の気になる行動が続き、「ひょっとしたら発達の問題があるのかも」と心配になったり、乳幼児健診などで小児科医や保健師に発達の問題について指摘されたりしたときには、できるだけ早目に専門機関に相談することをおすすめします。この記事では、広汎性発達障害の可能性がある子どもとご家族のサポートを行ういろいろな専門機関について紹介します。

高貝 就

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目次

  1. ○「ひょっとしたら?」と思ったら早めの相談を
  2. ○障害に早く気づいて、早く手をさしのべるのがカギ
  3. ○判断に迷ったときが相談のサイン
  4. ○相談できる機関と次のステップへの流れ
  5. ○相談内容は、まとめて書き出しておく
     
    • 「ひょっとしたら?」と思ったら早めの相談を

      普段の生活のなかでわが子の気になる行動が続き、「ひょっとしたら発達の問題があるのかも」と心配になったり、乳幼児健診などで小児科医や保健師に発達の問題について指摘されたりしたときには、できるだけ早目に専門機関に相談することをおすすめします。一人で悩むより専門家に相談することで親御さんの不安も軽くなるでしょう。それだけでもその後の子育てにプラスとなります。この章では、広汎性発達障害の可能性がある子どもとご家族のサポートを行ういろいろな専門機関について紹介します。
    • 障害に早く気づいて、早く手をさしのべるのがカギ

      子どもの心身の健やかな成長のためには、気になる症状などの早期発見、早期からの発達支援が最重要課題です。子どもの成長や特徴にあった適切な医療や保育を提供し、発達を支援することを「療育」といいます。療育を始めるのはなるべく早いほうがよく、できれば小学校就学前が望まれます。発達の問題への対応が早ければ早いほど効果があらわれやすいからです。
    • 判断に迷ったときが相談のサイン

      そうはいっても、「あれ?ちょっと心配だな」と思う程度だったり、何となく違和感を感じながらも「このまま様子を見たほうがいいのかな?」と判断に迷う場合も少なくないでしょう。それは子ども一人ひとりの性格が異なるように、障害の特性や症状もさまざまなため、単なる個性の延長にすぎないと受け取られてしまいがちだからです。
      祖父母や周りの人たちから「まだ小さいからしばらく様子を見てみては?」「父親のあの子も子どもの頃はやんちゃだったのよ」などと言われることもあるかもしれません。ご夫婦の意見が一致しないこともあるでしょう。一見、幼いゆえに見える行動は、発達に問題のある子の場合、残念ながら成長とともに消えてはなくなりません。むしろ「ちょっと変かな?」と思っていたことが「ほかの子とは大分違うのかな?」と感じるまでにはっきりと目立ってくることが多いものです。
      広汎性こうはんせい発達障害という診断がついてしまうと『普通の子』として育てることができないのではないか」という心配をされる方もいます。しかし診断のつくことが子どもの将来にマイナスではないのです。診断は障害のレッテルを貼るためにするのではなく、どのようなサポートをしたらいいのかを明らかにするための道しるべです。できるだけ早く支援の手をさしのべてもらうことができたほうが、将来社会に適応しやすくなります。
      逆に対応が遅くなるほど、その後の成長に影響を及ぼす可能性が高くなります。小学校入学以降の集団行動をスムーズにこなせるようになるためにも、療育を始める時期はとても重要です。「もしかしたら」と感じたときをサインと受け止め、ぜひ行動を起こしてください。
    • 相談できる機関と次のステップへの流れ

      広汎性発達障害について相談できる公的機関には、各都道府県や政令指定都市に設置されている発達障害者支援センター、各自治体の保健所・保健センター(以下、保健センターと略)、子育て支援センター、児童相談所などが挙げられます。また、精神科の医療機関や専門団体で相談できる場合もあります。一般に、公的機関での相談は無料(税金でまかなわれている)で、予約制となっているところがほとんどです。
      どこで相談すべきか迷ったら、まず最寄りの保健センターへ相談するといいでしょう。住所ごとに所轄の保健センターが決まっています。保健センターでは保健師が母子保健に関わる相談を定期的に行っています。相談の結果によっては、保健師が必要に応じてよりニーズにあった専門の機関を紹介したり、連携をとってくれます。無料相談の開催日時は各市区町村のホームページや広報紙で確認することができますし、直接電話で問いあわせてもいいでしょう。
      早期の段階で、気になる子どもとそのお母さんのフォローアップを目的としたシステムを運営している自治体もあります。たとえば静岡県浜松市では、1歳半健診で経過観察や指導が必要と判断された子どもを対象に、「発達支援広場」と名づけられた療育活動を行っています。発達支援広場は保育士、心理士、医師で構成されており、保健師や発達障害者支援センターと連携をとっています。子育てに悩みを抱える親が孤立せず、ほかの保護者とも交流したり、スタッフに気軽に相談できる機会になっています。参加を続けるなかで、より専門的な療育が必要と判断されれば、保健師が対応可能な機関を紹介してくれます。
      日本全国で同様の支援体制があるわけではありませんが、早い時期から広汎性発達障害の専門家とつながるきっかけをつくることは大切なことです。
    • 相談内容は、まとめて書き出しておく

      保健センターや専門機関で相談するときには事前に相談内容をまとめておきましょう。ノートを一冊用意して、子どもについて気になることや聞きたいことを書き出しておきます。母子手帳もあわせて持参してください。相談時間が限られている場合は、質問事項に優先順位をつけておくと大事なことを聞きもらさずにすみます。相談のときにもらったアドバイスは同じノートに日付とともにメモしておきましょう。後から見返したり、ほかの家族に相談の内容を説明するのにも役立ちます。


      療育手帳
      知的障害のある人が生活上の援助を受けやすくすることを目的とした制度で、広汎性発達障害と診断され、日常生活上の支援が必要と認められた人に対して交付される。援助内容は住民税・所得税の控除、自動車税・軽自動車税・自動車取得税の減免、公共交通機関や公共料金の割引や減免など。

子どもの発達障害 家族応援ブック

高貝就

法研

「うちの子、理解されにくいかも……」「うちの子、学校になじめないかも……」。言葉としてはよく知られるようになった「発達障害」。ただ、障害の詳しい特性や、望ましい接し方、「療育」など支援の仕方など、肝心なことはまだまだ十分知られているとは言えません。大切なことは、周囲の方が「発達障害」について正しい知識を持ち、早いうちに子どもが抱えている困難感を理解して、その子が持っている伸びる力を発揮できるようサポートしてあげることです。本書は、発達障害を持つ子どもが、すこやかに成長し、将来自立していけるように、発達障害の基礎知識、療育や支援の受け方など、実践的で役立つ情報を児童精神科医師がやさしく解説し家族を応援します

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