目次
- ○特定のものや習慣に異常に固執する
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特定のものや習慣に異常に固執する
子どもによって、こだわる対象はさまざまです。食器を置く位置や、登園時に歩くコースや時間、洋服を着る順番、就寝時間、寝る前の儀式など、多くの場合、日常生活の習慣で「こだわり」を見せます。そのほかの「こだわり」パターンでは、回転椅子に座ってずっとぐるぐる回り続けるなど、同じ動きをくり返すといったあらわれもあります。Why? 無理にやめさせない。本人の過ごしやすい環境を整え徐々に新しい体験を重ねていけば受け入れられるように。誰でも好みの服装や、愛着のある品物はあり、そのこと自体は人それぞれの個性です。広汎性発達障害の子どもの場合は、その個性が強くあらわれていると考えられます。こう対処 こだわりを0にすることはできません。新しい習慣を取り入れるときは少しずつ。こだわり特性そのものは、なくしてしまうことはできません。また、こだわりは悪いものと決めつけることもないでしょう。無理に別の色の服を着せようとしたり、愛着のあるものを取り上げて慣らそうとしても、子どもは理由がわからないので混乱してしまいます。まずはこだわることを個性の一つと考え、幼児期はできるだけ安心させるため、こだわりを受け入れてあげましょう。小学校入学の前から集団生活に必要なことから少しずつ現実的な生活に慣らしていきます。日常生活でのストレスや不安が大きいとこだわりが強くなる傾向があります。こだわりが強くなったときは何かしらのストレスをお子さんが感じているのかも知れません。たとえば、急な予定や環境の変更などは避け、変わることは事前に予告するなどしてストレスの軽減をしてあげましょう。
子どもの発達障害 家族応援ブック
「うちの子、理解されにくいかも……」「うちの子、学校になじめないかも……」。言葉としてはよく知られるようになった「発達障害」。ただ、障害の詳しい特性や、望ましい接し方、「療育」など支援の仕方など、肝心なことはまだまだ十分知られているとは言えません。大切なことは、周囲の方が「発達障害」について正しい知識を持ち、早いうちに子どもが抱えている困難感を理解して、その子が持っている伸びる力を発揮できるようサポートしてあげることです。本書は、発達障害を持つ子どもが、すこやかに成長し、将来自立していけるように、発達障害の基礎知識、療育や支援の受け方など、実践的で役立つ情報を児童精神科医師がやさしく解説し家族を応援します