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【医師執筆】眼精疲労で肩こりになるしくみ

首や肩を回すと、ゴリゴリとした筋肉のこりや張りが気になることはないでしょうか。そんな症状があるとき、同時に、目が開けにくい、目の奥が痛い、目がしょぼしょぼするなどの不調も起こってはいませんか?実は肩こりと目の不調は密接に関係しているのです。それは何故なのでしょう。眼精疲労の専門医・森岡清史さんの著書から目と肩の関係を見ていきましょう。

森岡清史(吉祥寺森岡眼科院長)

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目次

  1. ○目が原因で肩こりになるしくみ
  2. ○眼瞼下垂による筋肉の負荷が肩に伝わる
  3. ○毛様体筋が緊張すると首や肩の血流が悪化
     
    • 目が原因で肩こりになるしくみ

      首や肩を回すと、ゴリゴリとした筋肉のこりや張りが気になることはないでしょうか。そんな症状があるとき、同時に、目が開けにくい、目の奥が痛い、目がしょぼしょぼするなどの不調も起こってはいませんか? 
      首や肩のこりと目の不調は関連性がないように思えますが、じつは密接に関係しており、これらのこりは目の不調によって引き起こされているのです。
      では、なぜ目に不調があると首や肩がこるのでしょうか。
    • 眼瞼下垂による筋肉の負荷が肩に伝わる

      まぶたが下がって目の開きが小さいという状態は、まぶたを上げている上じょう眼がん瞼けん挙きょ筋きんの筋肉退行によるもので、「眼瞼下垂がんけんかすい」という疾患です。加齢による皮膚のたるみでも起こります。
      意識をしていなくても額にシワが寄ったり、眉が上がったりしているという人は、上眼瞼挙筋とは別の筋肉でまぶたを上げようとしている可能性があります。試しに額を手で押さえてみて、まぶたが上がりにくいという人は、眼瞼下垂かもしれません。
      この疾患になるとまぶたが下がってくるため、視界が狭くなります。すると、視界を広げようとして顎あごを突き出した姿勢になるため、額や肩の筋肉に強い負荷がかかります。眼瞼下垂は、眼科や形成外科で保険適用の手術が可能です。眼瞼下垂の手術を受けると、肩こりの症状は改善します。
      また、まぶたを開けるたびに、交感神経の働きと関係しているミュラー筋(まぶたを持ち上げる筋肉のひとつ)が緊張します。この緊張が引き金となって、こりの症状が現われるといわれています。
      正常なまぶた

      正常なまぶた

      まぶたが下がった状態
      まぶたが下がった状態

       上眼瞼挙筋の筋肉退行などが原因で、まぶたが下がった状態。視界を広げようと顎を突き出すため、肩の筋肉に負荷がかかる。

    • 毛様体筋が緊張すると首や肩の血流が悪化

      こりは、眼瞼下垂だけが原因ではありません。毛様体筋の緊張が続いたり、目のまわりのほかの筋肉が疲労したりすると、首や肩の筋肉も緊張します。すると血行が悪くなって、慢性的に首や肩がこるのです。
      それに加えて、疲れ目や眼精疲労によるストレスで自律神経が乱れると、首の側面にある胸鎖乳突筋きょうさにゅうとつきんという太い筋肉が固くなります。これが、首の痛みやこりにつながることもあります。副交感神経を優位にするツボを押したり、ストレッチをしたりすると、胸鎖乳突筋を緩められます。

1日3回ツボを押すだけで目はすぐによくなる

森岡清史

KADOKAWA

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