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FXトレード方法でやってはいけない禁じ手【FXプロ:川合美智子】

FXのトレード方法は多種多様です。そんな多種多様なトレード方法の中でも、やってはいけない禁じ手があるようです。そこで、「FXトレード方法でやってはいけない禁じ手」について、外国為替ストラテジストの川合 美智子さんの著書、『FXプロの定石』よりご紹介します。

川合美智子

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目次

  1. ・乗り遅れた電車に飛び乗るとケガをする
  2. ・途中で投資スタイルを変えてはいけない
  3. ・多数派についてはいけない
  4. ・両建ては自分の欲望をコントロールできない証拠
     
    • 乗り遅れた電車に飛び乗るとケガをする

      ドアの閉まりかけた電車に飛び乗ろうとしてケガをするくらいなら、多少時間には遅れるかもしれませんが、1本後の電車に乗りましょう。
      これは相場にも当てはまります。
      相場は波動ですから、行きっぱなしはありません。一つの波が通り過ぎたとしても、またしばらくすれば、新しい波がやってきます。そして、波は永遠に、いくらでもやってきます。だから、一つの波を逃したと思ったら、次の波を待てばいいのです。
      なぜ飛び乗りがダメなのでしょうか。
      乗り遅れそうだということで意を決して飛び乗った相場というのは、だいたい目先の高値であったり、安値であったりするケースが多いからです。
      飛び乗った相場というのは、そこから先、自分のとったポジションに対して、アゲインストに動く危険性が高いということです。つまり、むずかしい対応を迫られます。
      「エントリーがうまくいけば後が楽」と書きましたが、心に余裕を持って相場に対峙し、結果的に利益を残していくためには、最初が肝心なのです。
      もちろん、飛び乗った後もトレンドが続くというケースもあります。一概に飛び乗りがダメだと否定するつもりはありませんが、二番電車を待って乗るよりはむずかしくなることは間違いありません。
      そうしたむずかしい対応をする自信がない場合は、押し目や戻りを待ってエントリーするなり、次のトレンド(電車)がくるまで待てばいいのです。チャンスはいくらでもやってきます。
    • 途中で投資スタイルを変えてはいけない

      トレードのスタンスを途中で変更することは、負け戦の常道です。
      たとえば、5分足や10分足をみながらトレードをしている人というのは、基本的に短期のトレーダーです。5分足をみてポジションを持ったのに、それを2〜3日持ち続けてしまうというのは、明らかに失敗です。ポジションを持ったときの判断基準と、現在のポジション状況に明らかに差が生じてしまうからです。
      短期トレードを前提にしたポジションというのは、レバレッジが高く、損切りも浅目に置くのがセオリーです。一方、スイングトレードであれば、ある程度懷を深くするために、レバレッジも低めに抑え、損切りも深めに置きます。みているチャートも、5分足と日足、あるいは週足とでは、まったく異なります。短期トレードと長期トレードとでは、まったくアプローチが違うのです。
      時間軸が異なれば、チャートを通じて見える風景はガラリと変わります。いくら時間足が上昇トレンドだったとしても、日足や週足など長い時間軸のチャートが下降トレンドだったら、上昇余地は限られたものになります。つまり、たんなるアヤ狙いで入ったはずの短期ポジションを、長期ポジションに切り替えるというのは、すでにポジションを持っている理由そのものがない状態なのです。
      こういうトレードは、ほとんどの場合、損失を拡大させるだけに終わりますし、しかもそれが致命傷となってしまうケースも多くなりますから、注意が必要です。
    • 多数派についてはいけない

      大抵の人は為替のトレードでエントリーする際にファンダメンタルズ分析を重視します。経済の強さが通貨の方向性をみるうえでとても重要であると思われがちですが、実はそこに盲点があります。好材料に目を奪われてしまい、「自分が他の人と同じポジションを持っている」ということに気が付かない、あるいは気付いていても材料がいいからという安心感に騙されてしまうのです。しかし、そこには「市場のリスク」を見落としているという盲点があります。
      市場のリスクというのは「想定外の事変があったときの通貨の市場流動性」や「通貨の波動すなわちトレンド」です。
      市場にはその時々で変動要因となる大きなテーマがあります。たとえば、最近ではユーロ危機です。このようなときにはたとえその国の景気が良好で金利が高くても為替相場は上昇しません。むしろリスク資産からの逃避の動きが強まって下げ幅が大きくなることもあります。経済が良好なオーストラリアドルは、ギリシャのデフォルト懸念が高まった時期やスペインの金融不安でユーロが売られたときに、当事国であるユーロより下落幅が大きかったのです。
      この背景には流動性の問題があります。豪ドル/円は、リーマンショックのときにはたった4カ月あまりのあいだに101円台から55円台まで45%以上の下落をみているのです。これに対してユーロは同じ期間に21%の下落に留まっています。市場がファンダメンタルズではなく流動性やトレンド(方向性)に大きく反応したことがわかります。
      ファンダメンタルズ分析の盲点は、通貨の買われ過ぎや売られ過ぎに気付くのが遅れることです。他の先進諸国よりファンダメンタルズの良好な豪ドルは買われやすく、為替相場が上昇するとさらに買い進まれて、買い持ちポジションの積み上がりを招きます。その結果、買われ過ぎが極限まで達した反動で大きなポジション調整を招き、結果的にトレンドが大きく変化してしまうのです。
      これが多数派に身を置くリスクです。ファンダメンタルズ分析が為替相場に関係がないというわけではありません。むしろ長期的な目でみればファンダメンタルズは相場に反映されますが、必ずしも短期のトレンドとは一致しないということなのです。
      では少数派に身を置くにはどうしたらよいのでしょうか?
      そのためには、材料に左右されないテクニカル分析も併用するか、有効に使うことです。重要なポイントを抜けた時点でトレンド転換がわかりますから、いち早くポジションをスクエアにすることができます。エントリーする前にチャート上で相場が変化するポイントを押さえておけば、逃げ足を早くすることもできますし、利食いにも応用できます。社会現象に注意するのもいいでしょう。
    • 両建ては自分の欲望をコントロールできない証拠

      両建てというのは、同じ通貨ペアについて売り買い両方のポジションを同時に持つことです。たとえばドル/円について、ドル買い円売りとともに、ドル売り円買いのポジションを持ちます。
      確かに一見すると、両建てポジションはリスクをコントロールするうえで便利な方法であるかのように思えます。たとえばドル高・円安が進んだとき、ドル売り円買いポジションには損失が生じますが、ドル買い円売りポジションには利益が生じますから、一方の損失を、もう一方の利益で相殺できます。
      しかし、それならわざわざ相場を張る必要はありません。両建てのポジションを持つというのは、相場に対して敬意を表していないことになりますし、自分の欲望をコントロールできないことを意味します。自己管理ができない人はポジション操作もできません。
      もちろん、投資対象のなかには、両建てをする意味のあるものもあります。金などのコモディティは、24時間トレードができませんから、マーケットが閉じている空白の時間帯に何か大きな事件が起こり、翌日のオープン時に価格が大きく飛んでしまうのに備えて、前日のクローズ近辺で両建てにしておくことが有効であるケースもあるからです。しかし、外国為替市場は24時間マーケットが開いていますから、両建てにする意味がまったくありません。両建てにするぐらいなら、素早く損切りをするほうが、はるかに効率的なのです。
fxプロの定石

FXプロの定石

川合 美智子

日本実業出版社

東京銀行時代に伝説の為替ディーラー・若林栄四氏の下で鍛えられ、外銀の為替部長など要職を歴任してきた本物のプロである著者が、自らが日常使っているスイングトレードのテクニックをわかりやすく体系的にまとめた初めての本。エントリーの方法だけではなく、ポジション操作(利乗せとナンピン)を有効に使って損小利大を実現し、利益を残していくのがプロ。本書では、これまではほとんど明かされることがなかった、その考え方とノウハウを解説。応用編としてプロだけが知っている「シドニー市場で毎朝サクッと儲ける法」「ドル/円相場の値動きのクセ」「マドは埋まるという経験則」など、即役立つTIPSも多数紹介。為替トレードの技術が確実に一段上達する“基本書”。

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