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加圧トレーニングやヨガのダイエット効果

2000年代に流行した加圧トレーニングとヨガは、ブームが去った後も定番のダイエット法として親しまれていますが、これらにダイエット効果はほとんどない、と、元格闘家で肉体づくりのプロである戸井田カツヤさんは言います。それは何故でしょう?戸井田さんの著書より、ご紹介します!

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目次

  1. ○「加圧トレーニング、ヨガでやせる」という幻想
     
    • 「加圧トレーニング、ヨガでやせる」という幻想

      2000年代に流行した「加圧トレーニング」や、同じく2000年代半ばからダイエット法のひとつとして広く認知されるようになった「ヨガ」。これらはブームが去ったあとも定番のダイエット法として残っており、みなさんのなかにも実践してみた方がいらっしゃるかと思います。巷ちまたに知られるこの二つのダイエット法に共通するキーワードといえば、「お手軽な満足感」です。
      加圧トレーニングとは腕や太もものつけ根を適切な圧力で締めることで血流を適度に制限し、短時間かつ軽い負荷でハードなトレーニングと同様の効果を得ようという手法です。血流を制限した状態で疲労物質(乳酸など)を高濃度に蓄積させ、トレーニング後にそれを解放することで体内に流出。脳下垂体の反応を促し、成長ホルモンの分泌を促進することで脂肪の分解と筋肉の合成が進むとされています。また、実際に重い負荷をかけているわけではないので筋肉組織が破壊されることが少なく、関節や人体にかかる負担が軽くてすむとのこと。1997年に特許登録されたことで、「身体に本来備わっているメカニズムを利用した新しいメソッド」として注目を浴びました。
      たしかに、実際にやってみると、たとえば「3㎏の鉄アレイを10回持ち上げる」というように、普段なら軽々とできるトレーニングでも非常に疲れます。「血流を止めると、これほど力が出ないのだな」という実感は得られると思います。効果があるようにも感じられるかもしれません。
      しかし、ここで重要なのは「実際の負荷が少ないので、筋肉組織が破壊されることが少ない」という部分。先ほども記したように、筋肉は損傷↓修復の繰り返しで大きくなります。そして筋肉を大きくすることはダイエットに必要な「燃費の悪い身体」をつくるために非常に重要です。加圧トレーニングは非常に疲れるものの、それは「ただ血流を止めているから限界点が低くなる」というだけの話。それでも疲労感は溜た まるので「トレーニングをした」という手軽な満足感は得られてしまいます。
      しかし、実際に行ったことは「3㎏の鉄アレイを10回持ち上げた」というだけ。筋肉にかかった負荷は加圧せずに同じ量のトレーニングをしたときと変わらないのです。身体はそこまでバカではありません。むしろ、血流を止めて力が出ない状態にしたことで十分なトレーニングができなくなってしまう弊害のほうが大きいといえるでしょう。
      また、ヨガがなぜダイエットに向かないかといえば、ひとことでいえば「運動していない」からです。いま、日本で主流になっているのは、肉体的に多少の負荷がある各種ポーズを一連の流れのなかで行う「パワー・ヨガ」(動的ヨガ)です。しかし、これは運動量としては高齢者のみなさんが健康のために行う「太極拳」の強度を少し上げた程度。また「ホット・ヨガ」で体重が減ったと喜んでいる人もいるかもしれませんが、あれは汗が出ているだけです。汗をかけばもちろん一時的に体重は減ります。短期的には成果が出ているように感じられ、手軽な満足感にもつながるでしょう。しかし、汗の成分は99%が水分(残りが塩分や鉄分、乳酸やカリウムなど)です。そして人体は60%が水分であり、その割合が変わるようなことがあれば、とんでもない事態です。失った水分は補給しないと人体を維持することすらできなくなります。意味のない「一瞬だけのダイエット」なのです。
      もちろん本来のホット・ヨガの目的は「たっぷり発汗して老廃物の排出を促し、体内をクリアな状態に導くこと」だそうで、その効果を否定するものではありません。また、古くからのヨガの宗教的、精神修養的な意味合いに関しても私の専門外なので、とくにコメントすることはありません。しかし、ことダイエットのための運動としては、加圧トレーニングと同じく、ヨガもほとんど意味がないものといえるのです。
プロ格闘家流 「できる人」の身体のつくり方

プロ格闘家流「できる人」の身体のつくり方

戸井田カツヤ

イースト・プレス

第1章 「ダイエット常識」のウソ――すべて実体験で検証!より

なぜ世にはびこる「お手軽ダイエット法」は無意味なのか。なぜスポーツジムがすすめるジョギングなどの「有酸素運動」ではやせないのか。なぜ1日3食とってもお腹がすくのか。なぜほとんどのダイエット法は挫折するのか。元世界ランキング1位のプロ格闘家で、日本一たくさん道場を経営する格闘技業界No.1経営者が、食事と運動に関して、プロ格闘家としての経験から学んだ真実に加え、科学的な裏づけもとった「やせてあたりまえの方法」を伝授する。

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