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【医師執筆】知っておきたいカラダに悪い油と良い油
「トランス脂肪酸=悪い油」ということは近年よく知られていることだと思いますが、では逆にカラダに良い油とはどのようなものがあるのでしょうか。
糖尿病や肥満、がんなどの病気から美容にもすぐ効果があると言われている良い油や、そのとり方をご紹介します♡
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目次
- ○トランス脂肪酸の恐怖
- ○オメガ3の必要性
- ○亜麻仁油のすすめ
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トランス脂肪酸の恐怖
油には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。それぞれ動物性と植物性の油です。一般には「動物性脂肪は出来るだけ控えた方がよい。それに比べると植物性脂肪は、身体に良いので安心だ」というイメージはないですか?動物性の油は、脂身やラード、バターを見てもわかるように常温では固形です。一方植物性の油は、本来冷蔵庫に入れても液体です。ここからも一般には、植物性はサラサラというイメージがありますね。オリーブオイル、菜種油、ごま油などです。先に結論を言います。一般的に、安心して使えるのはオリーブオイルとごま油です。その他にも低温圧搾しぼり製法の菜種油、べにばな油なども良いです。そして後述しますが、今一番おすすめなのは、亜麻仁油です。では、マーガリンはどうでしょうか。身体に良い植物性であるからと、バターを止めて積極的にマーガリンを取っていませんか。マーガリンは植物性のはずですが、液体ではなく半固形ですね。これが問題なのです。固形にするためには、水素添加などと言われる加工を始め、もともとの液体の植物性の油にさまざまな化学変化が加えられています。マーガリンは、もとが植物性であることは間違いありませんが、危険な油になってしまっています。動物性でもない、植物性でもない、機械の潤滑油としては非常に優れた機械性の油と言えば言い過ぎでしょうか。この植物性油の加工の過程でできてしまう危険な油の正体は「トランス脂肪酸」とよばれ、取るべきでない油です。加工油脂、マーガリン、ショートニング、植物油脂といった表示があれば、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。できるだけ避けた方が無難です。ファーストフードや外食でも使われています。少なくとも、気づかないうちにトランス脂肪酸の海にどっぷりと浸かる食生活だけは避けたいものです。 -
オメガ3の必要性
このように取ってはいけない油がある一方で、多くの現代人に不足している油があります。多くの慢性病、急性病や身体のさまざまな不調に関係しています。それが、「オメガ3」です。穀類を精白して白米とする時に、胚芽等は捨てられてしまいます。この胚芽に含まれる栄養素の一つが、オメガ3です。現在では、オメガ3は食品から取れる量が減っています。厚生労働省が2005年に発表した「日本人の食事摂取基準」は、このオメガ3摂取について取り上げています。詳しい説明は割愛しますが、オメガ3に含まれる「アルファリノレン酸」は、必須脂肪酸といわれるものです。生命活動に必ずなくてはならない、しかも人間の体内で合成できない油です。つまり、食物として外から取らなければ生きていけない、不可欠な油です。EPA、DHAなど青魚に豊富に含まれる油もオメガ3です。青魚も血液サラサラにしてくれると言われますね。糖尿病、肥満、がん、認知症、うつ病、統合失調、ウイルス感染、アレルギー、アトピー等で血液中の必須脂肪酸オメガ3の不足が証明されたり、必須脂肪酸オメガ3の補給でこれらが改善した例なども多く研究されています。トランス脂肪酸などの高熱で処理され人工的・化学的に加工精製された危険な油は極力取らず、自然の必須脂肪酸を積極的に補うようにしましょう。 -
亜麻仁油のすすめ
オメガ3の補給としておすすめなのが、自然な製法・コールドプレス(低温圧搾法)で作られた亜麻仁油です(カナダのオメガニュートリション社の製品がおすすめです)。亜麻仁油とは、胡麻のような形をした亜麻という植物の種子から取られた油です。亜麻(植物)の仁(種)の油で、亜麻仁油といいます。コールドプレス製法の「コールド」は、熱を加えないという意味です。「プレス」はしぼるという意味です。つまり悪くならないように極力加熱せず、光を当てずにしぼるだけという単純な製法です。新鮮な油は熱でも光でも酸化してしまうので、熱も光も出来るだけ避けながらの製造が必要になります。容器も光を通さないように黒いものを使います。亜麻仁油による体調の変化で驚くのは、取ってから数時間で気分が良くなる、落ち着いたと感じられるケースがある事です。黄金色に輝く美しい油なので、取る時は、太陽のエネルギーが身体中に満ちて、身体が黄金色に輝くイメージを持つと良いかもしれません。実際お肌や髪質にも良いので、美容にもお勧めです。不足していたオメガ3が補給されることで、頭痛の予防も期待できます。個人差はありますが、試してみてはいかがでしょうか。大人は一日にテーブルスプーン1~2口取ればよいでしょう。テーブルスプーンとは、カレーを食べるときに使うスプーンのことです。子供は離乳食から、ティースプーン1/2口程度から取り始めればよいでしょう。加熱してはいけません。そのまま取ってください。空腹時は避けて、食事と一緒に取りましょう。開封後は冷蔵庫保存してできるだけ早く使い切りましょう。目安は6週間以内です。液状の抗酸化ビタミンEカプセルの中身を亜麻仁油のボトルに入れて、酸化を防いだりしてもよいです。キャップを開けた時に、紙のラベルで封がされている場合には、これを取らずに、爪楊枝で2か所ほど穴をあけて使うとよいでしょう。液だれを防ぎ、スプーンへ注ぐ際も、一気に出過ぎてあふれさせることがありません。人により必要量も当然異なります。小さじ1杯から初めて自分の体調や肌の状態を見ながら、少しずつ増やしてもよいでしょう。またある程度身体に補給・補充されれば、体調を維持しながら一日当たりの量を減らしていくこともできるでしょう。後のサプリメントの項でも述べますが、油は身体に補充して貯めることができます。逆に取り過ぎると過剰症の問題もあります。過剰と不足は同じような症状です。適量を守ってください。亜麻仁油は1本当たり約240㏄でおおよそ1300~1900円程度です。一日当たりテーブルスプーン1口で5㏄取れば、1本で6週程度分になります。