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- ○ふくらはぎだけではむくみを解消できない!
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ふくらはぎだけではむくみを解消できない!
足のむくみやだるさ、冷え症がすっきりと治る。そんなことをうたった治療法や民間療法がすでにいろいろと世に出ています。ただし、科学的に考察すると、効果がなかったり、むしろ逆に悪い方へ作用してしまうものもあるので、しっかりと注意を払った方がいいでしょう。たとえば、〝ふくらはぎをもむと健康になる〟。そんな「ふくらはぎ健康法」も、そのひとつです。取り上げた本がベストセラーになるなど、今、注目度も高いようです。実は、ふくらはぎの筋肉の中にも抜け道血管があります。暑い(熱い)ときや気圧が下がったとき、ホルモンバランスをくずしたときなどに抜け道血管は開き、動脈から静脈へ血液が流れ出します。静脈内の圧力が上がることでリンパ水が静脈からしみ出し、周囲にたまっていきます。これを筋肉浮腫(ふしゅ)と呼びます。この筋肉浮腫がだるさや疲れの原因になっています。それを解消するために、ふくらはぎをもむマッサージや湿布などの対処策がありますが、本当のところ、もっとも効果があるのは十分に水を飲んで、正座やあぐらをかくことです。ふくらはぎ自体がぺちゃんこになり、筋肉の中の抜け道血管を閉じることができるからです。やはり、原因を作っている大元をしっかり対処しないと意味がありません。ただし、ふくらはぎの抜け道血管は深部静脈に属するものなので足のむくみを直接引き起こしているわけではありません。つまり、ふくらはぎ健康法だけでは足のむくみは解消できないわけなのです。むくみを起こしている張本人は、足の甲にあるアーチ状静脈への抜け道血管です。ここをきちっとケアをしなければ、むくみは治らないでしょう。【足の甲の動脈、静脈、「抜け道血管」】