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目安は収入の50%!ローンを組む時に知っておきたいこと

普通に職について生活していれば、住宅ローン以外で借金を作るようなことはないはずです。借金をつくるときはその原因を知り、また返済計画もしっかり立てましょう。

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目次

  1. ○ローンについて調べる
  2. ○ローンの性格
  3. ○目安は収入の50%
  4. ○借金する側の意識
  5. ○メインバンクのメリット
  6. ○自分のローンの状況を調べる
  7. ○ローン返済の猶予
     
    • ローンの性格

      さて、これまでさまざまなローンを紹介してきました。「小」はクレジットカードのローンから、「大」は住宅ローンまで、借金の種類とその性格について述べてきました。何度もこれまで述べたように、借りたものは返さなくてはならない、ということを肝に銘じてください。
      蟹は、自分の甲羅にあった穴を掘るといいます。借金も同種です。自分の収入に見合った額に収まっていないと、いつまで経っても借金は減りません。減らないどころか、どつぼにはまって借金が雪だるま式に増えていくようでは、何らかの手を打たなければなりません。
      仮に収入の50%を返済に充てているようであれば、返済は大部分を利息に充てられなかなか元金が減りません。このような状況に陥った場合には、何らかの返済額を減らす方法を考えなくてはなりません。
      住宅ローンについては、他のローンよりも低金利なので、安定した収入があれば問題はないでしょう。問題となるのは高金利の消費者金融からの借り入れです。
      消費者金融は、大手は株式を東証に上場しているから、中小は個人が開業しているところまでさまざまです。大半の貸金業者は利息制限法で定められた金利の20%から、出資法の29・2%までの間に金利を設定しています。中には貸し金業者として許可を得ていない、いわゆる闇金融と呼ばれるところもあります。闇金融は、出資法で定められた金利の上限29・2%を超える利息をとるような悪質な業者が多いので、借り入れを行うときは、まず金融業者がどれくらいの金利であるかを第一に確認しましょう。
    • 目安は収入の50%

      借金を返済するときに、どこからいくら借りて、いくら残高があり、その利息の金利を一覧表にしてみる、というのは第1章で触れました。一覧表を作ることで、自分の借金を客観的に把握することができます。
      返済の一覧表ができたら、月々いくら返済する必要があるのか計算してみましょう。毎月の収入の30%以下の返済であれば、まだ生活費に余裕があるはずです。借金の額が50万円で、毎月1万円ずつ返済しているのであれば、もっと返済額を増やしてみましょう。すると、返済する期間が短くなるばかりでなく、返済する額そのものも格段に少なくなります。ただし、返済はあくまでも収入の50%以下に抑えてください。
      返済が50%を超えるようであれば、生活がかなり苦しくなると思います。こうなった場合には、次章の法的整理を行ったほうが良いでしょう。
      多重債務を抱えている場合には、利息の高いものから完済するようにしましょう。決して借金を返済するために新たな借金をしないでください。こんなことをしていては、借金を増やすだけです。借金をして借金を返しても良い場合というのは、現在抱えている借金の利率が高いときに、もっと安い利率に借り替えるときのみです。安い利息の銀行系クレジットで、サラ金などの利息の高い借入金を完済してしまいましょう。住宅ローンで利率の安いローンに借り替えるのと同じです。
      また、第2章でも述べましたが、安易に「多重債務を一本化」などとうたっている金融業者から、絶対借り入れしないでください。詳しくは次章で紹介しますが、このようなうたい文句を広告に載せている業者は、大抵は悪質な業者です。一本化しようとしたために、悪質な詐欺まがいの行為の罠に陥ることが多いのです。
      もし、生活費として残るお金がない場合や、収入が返済に追いつかない場合には、本業の他にアルバイトも必要でしょう。ただ、もうこの状態になった場合には計画自体が破綻していますので、早めに法的整理を行ったほうが良いでしょう。法的整理というと、自己破産しか思いつかない方のために次章でさまざまな法的整理を紹介していますので、これらを参考に、自分が使える方法を選んでください。安易に自己破産してしまうと、その後の生活に支障をきたす場合があるので、あくまでも自己破産は最後の手段と思ってください。
    • 借金する側の意識

      普通に職について生活していれば、住宅ローン以外で借金を作るようなことはないはずです。借金するからには、何らかの動機があるはずです。極端な例ですが、ギャンブルが好きで週に複数回パチンコや競馬、競艇などに行くようであれば、その遊興費として借金をすることも考えられます。これらのギャンブルで一発当ててやろうとする「一発屋」が、負けが込んできて借金を返済できなくなるばかりか、今度こそ取り返してやると、再び借金に走るのです。
      この例のように、借りる側に問題がある場合も多重債務に陥る予備軍です。こんな極端な例でなくとも、会社の部下に奢ってやる「見栄っ張り」も、自分の小遣いがなくなり、つい借金をしてしまう体質にあるといえます。女性でもブランド好きで、どうしても欲しくなり借金に頼ってしまう人は要注意です。
      消費者金融のテレビコマーシャルでも、借り入れは計画を持って、とうたっています。金融業者側は顧客を増やしたい一心で借りるメリットばかり主張しますが、「計画を持って借り入れする」というのは、借金する上で最も大事なポイントなのです。一発屋も見栄っ張りも、支出ばかり増えて収入が増えていないという現実が見えなくなり、借金の返済に困ってしまうケースです。このような問題行動は、本人の意識改革を行う以外に、救う手立てがないのです。また、人は借金が返せなくなっても、自分の行動に問題があっても、たいてい意識していません。そして、このような人は他人に問題行動を指摘されても、他人の言葉を素直に聞き入れてはくれません。ブランド好きの女性も、買い集めたブランド品を手放すことができないために、周りから見ると単に金遣いの荒い人としか映りません。
      借金が返済できなくなって、はじめて役所の相談窓口を訪れますが、ここでの相談は素直に聞き入れるべきです。借金の返済に困るのであれば、夜会社が終わってからアルバイトするなどの自助努力も必要です。その上で問題行動をやめる勇気が必要なのです。この本では、借金の仕方、返済の仕方を主に述べていますが、問題行動については触れていません。なぜならば、問題行動は個人の意識改革がなければやめることができないからです。
      借金で苦しんでいる方は、どうか自分のどこが問題なのか探ってください。問題点がわからなければ、借金を減らすことはできないのです。
      ●多重債務への道
      Hさんは、自営業を営んでいます。Hさんの収入には波があり、ある年には600万円の所得だったのに、またある年には赤字を出してしまっています。赤字を出した年には、保有する株式を取り崩して、生活費に充てています。どうがんばっても家賃などの固定費が捻出できない月に、Hさんは事業者ローンを借りてしまいました。これで、このローンの返済分が固定費として増えてしまいました。
      また、今まで使用していた機械が故障してしまい、修理するか買い換えるかの選択に迫られてしまいました。専門家に見てもらったところ、修理するほうが買い換えるよりも費用がかかると言われ、新たに機械を買い入れることにしました。Hさんは法人化していないので、10万円以上の機材購入は減価償却で翌年以降に購入費用が分割されます。
      この減価償却と節税でその翌年以降の決算は赤字が続きました。実はこの赤字決算が問題で、優良な金融業者とえば信用金庫ら融資してもらうことが事実上不可能になりました。Hさんの事業では、数ヶ月に一度まとまった大きな収入があるのですが、そのほかの月は、この入ってきた収入を預金しておいて分割して使っています。あるとき入金があるはずが、1ヶ月伸びてしまい預金も底をついていたため、仕方なく消費者金融から借りることにしました。これで、何とかその月をやり過ごすことができたのですが、多重債務を負うことになってしまいました。翌月に入金があったときにローンを完済してしまえばよかったのですが、そうすると、次の入金まで持たないことがわかり、せっかくの完済のチャンスを逃してしまいました。
      なんとか入金で収入の谷の部分を穴埋めすることができたのですが、2箇所のローン返済までは手が回らなくなることがあり、ローン返済のためにまた別の金融業者から借りて返済しました。実はこの「借金して借金を返済する」ことは多重債務者としてやってはならないことなのですが、返済期日が迫っているときにHさんには他に思い当たる方法がなかったのです。かくして3箇所から合計250万円の借金を返済することになってしまいました。
      Hさんは現在なんとか月に10万円のローンの返済を続けています。借金完済まであと2年。無事に返済することを願うばかりです。
    • メインバンクのメリット

      前章まで、さまざまな金融機関について見てきましたが、個人を対象として融資を行っているのは、主にクレジットカード会社、消費者金融、そして信用金庫です。融資に対する金利は、小さい順に信用金庫、クレジットカード会社、消費者金融となっています。つまり、借金をするのであればこの順番に打診してみるべきです。特に信用金庫の利率は地銀並ですので、普段から信用金庫に口座を設けて取引の実績を作っておいたほうが良いでしょう。
      私の友人であるI氏も、普段から信用金庫と取引していましたが、有限会社を設立すると、信用金庫の側から融資の話が舞い込んできたそうです。信用金庫には、このような法人を育てていくという役割があります。できたばかりの有限会社に融資するのも、それまでの取引を信用金庫を中心として行ってきましたので、I氏の取引履歴から優良顧客となっており、I氏が法人化の話を出したときにすばやく有限会社への融資に裁決が下りたのでした。
      このように、信用金庫をメインバンクとし預金残高があると、いざというときに機敏に動いてくれます。このようなまねは銀行ではかなりの資産を預けておかない限り、融資の話など出てこないでしょう。信用金庫を英語で表現するとリテイル・バンク口顧客に対する銀行なっており、我々個人事業者としても信用金庫をメインバンクとしておくと、このようなメリットがあります。
    • 自分のローンの状況を調べる

      ローンを組んだ場合には、信用金庫、クレジットカード会社、消費者金融の順に金利が上がってゆきます。返済時には、逆に金利の高い金融機関から返済してゆきます。金利の高い借金を長期間借りていると、利息分が膨れ上がってきます。したがって、高金利の借金については、多少無理をしてでも、短期間で完済するようにしましょう。
      私の場合には、事業者ローンが金利27%で最も金利が高いため、余裕のあるときには返済額を増やしています。次がモビットの18%、クレジットカードのキャッシング枠の17%と続いています。今理性的に考えれば、事業者ローンをクレジットカードのキャッシング枠を使って完済すべきでした。残高が一番多いのがクレジットカードのキャッシング枠ですが、残高に応じて毎月の返済額も最も多くなっています。
      収入についてですが、本の印税がどっと入る月や、収入のない月があるなど、月ごとの収入には大きな波があります。この収入の差を平均化するために事業者ローンを借り入れたのですが、本の発刊の遅延などもあり、事業者ローンで借り入れた分を使い果たしてしまうこともありました。印税が入ると、まず事業者ローンを多めに返済しています。このおかげで事業者ローンの残高も半分になりました。現在は、返済も事故済不能く行っています。
      こうして、金利の高い借金から完済するように計画しています。ひとつ完済したら、次のモビットの返済に事業者ローンで返済していた分を上乗せして、これも短期で完済する予定です。
      このように、自分の借り入れている借金の種類を調べて、ひとつずつ完済していきましょう。多重債務の状態から抜け出すのは、結局この方法が一番なのです。
      ●ローン返済の猶予
      クレジットカードや消費者金融の返済は、毎月決められた日に行いますが、どうしてもその期日までに返済できそうにない場合には、あらかじめ電話で返済できそうにない旨を告げましょう。
      クレジットカードの場合には「いつなら返済できますか?」と聞いてきますので、正直に次の入金日を告げましょう。消費者金融も同様に返済を猶予してくれることがあります。ただし、猶予は最大1ヶ月です。住宅ローンの場合には数ヶ月から6ヶ月程度猶予してくれることがありますので、その間になんとか金策を行いましょう。会社に勤務している場合には、ボーナスがありますので、この期日を伝えておきましょう。一度猶予してもらうと、その間の返済額をまとめて支払う必要がありますので、できるだけ猶予は短期間にして、金策を急いで行いましょう。ただし、絶対に借金の返済のために借金を行わないでください。借金が膨れ上がるだけです。
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