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部下のモチベーションを上げるたった一つの質問

何かトラブルが起こった時の原因分析や、新たに何か取り組もうとするとき「5回《なぜ》を繰り返せ」と聞いたことはないでしょうか?「なぜ?」と自問自答を繰り返すと筋道の通った考えがまとまるというものですが、これは本当なのでしょうか?とある経営コンサルタントが行った実験結果を見てみましょう。

池田貴将

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目次

  1. ○思い込みを再評価する
     
    • 思い込みを再評価する

      経営者たちにお願いし、自社の従業員に「今の仕事について面白さを感じていますか?」という質問をしてもらいました。
      「今の仕事についてどう思うか?」

       「仕事は面白くないし、面白くできるものではない」
       「自分たちの仕事はいくら工夫をしても意味がない」
       といった悲観的な回答をした従業員たちに、さらに2 パターンの質問をしてもらいました。
      質問1 そう考える理由
       「なぜそのような仕事観を持っているのか」

       ほとんどの従業員が「仕事は面白くないものだ」という自分の考えに固執しました。
      質問2 そう考えるメリット
       「そう考えることで、仕事にどう役立っているか?」

       ほとんどの従業員はメリットがないことに気づき、そのうちの一部は「どうすれば、仕事を面白くできるだろうか?」を考えはじめました。
      …つまり
      「人の考え」は
      “ 理由” をたずねると強化され、
      “ 目的” をたずねると軟化する
      傾向がある。

      「なぜそんな風に考えるの?」と理由をたずねれば、相手の哲学はますます強化されます。
      「なぜ」という言葉には、過去に意識を向けさせる効果があるからです。過去に意識を向ければ向けるほど、「自分は正しい」という確信を強めることになります。
      思い込みは自分のアイデンティティを守るものであり、正しいか、間違っているかは本人にとっては重要ではありません。
      思い込みを持っていると、(こういう時はこうだからこう)と、その思い込みに即した決断がスムーズにできます。
      「苦手な味だ」と思い込んでいるからこそ、食べるか食べないか迷うことなく、はじめからレストランで注文しなくて済んでいるのです。
      しかしその思い込みを持っていることによって、「本人が本当になりたい姿」へ近づいているのか、遠ざかっているのかという点はしっかりと再評価されるべきでしょう。
      このプロセスは年末の大掃除によく似ています。年末に大掃除をすると、たくさんの不要品が出てきます。なんでこんなもの買ったんだと疑問に思うものもあるでしょう。旅行先で目に留めた工芸品が、その土地の世界観の中では雰囲気があった。
      ところが自宅に持ち帰って飾ってみると、妙に周囲から浮いてしまい、置き場所に困った。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。今では場所を取って目障りになっているだけのような代物でも、それを買った当時は「素敵だ」「便利そう」と思って買っていたのです。しかし部屋のスペースは限られていますから、定期的に「評価して捨てる」という見直しが必要になります。
      思い込みも同様です。思い込みには、その当時は自分を守るために必要があって作られたものでも、いま望んでいる状態に近づくためには、手放すべきものもたくさんあるはずなのです。私たちは無意識のうちに、「自分はこういう人間だ」というアイデンティティと矛盾しないような行動を取り続けようとします。しかし実際は、昨日と同じものを好んだり、嫌ったり、同じような振る舞いをしなくてはならない理由はないのです。

      その考え方は、「今の自分にとって本当に有用なものか?」を考えてもらおう。

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池田貴将

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CHAPTER2 人材育成のモデルケースより

“モチベーション"の正体を突き止めるべく、スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大、ペンシルバニア大など数々の一流研究機関でおこなわれた100通りの心理・行動実験を、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説。

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