目次
- ○不合理なことを選ぶ。
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不合理なことを選ぶ。
被験者たちに専用の携帯電話を渡して、数週間にわたって、不定期にメールを送ったり電話をかけるなどして、その瞬間瞬間の「幸福感」をたずねました。
不定期に、何度も調査することにより幸福感をその時その時の「状態」ではなく、長く続いている「特徴」としてとらえることができた。結果経験の自己
いまを楽しむことによって得られる幸福感
たとえば、すごく楽しくて、
すべて予定どおりにいった旅行から得られるもの。
記憶の自己
苦しいことを経験しながら、振り返ってみると
「あれをやってよかった」
と感じられる満足感がもたらす幸福感
たとえば、トラブルに巻き込まれ、
ことごとく予定どおりに行かなかった旅行から得られるもの。
振り返ったときに、楽しかったと
継続的に幸福を感じられるのは
「記憶の自己」だった。
…つまり
穏やかに快適に暮らす幸せもある。
けど、あとで振り返ったときに
「あのときは大変だったけど、
よい経験だった」
と思える方が、
脳はより幸福を感じる。学生時代、私は自分自身にこんな質問をしました。「今から10 年経って、今を振り返ってみたとき、学生時代になにをしなかったことを後悔するだろうか?」そして、ノートに「失敗の仕方を学ばなかったこと」と書きました。ノートに書かれた文字を見ていたら、「起業をしたい」という気持ちをおさえられなくなりました。そして実際に起業することにしました。起業は誰にでもできます。大変なのは起業をしてからです。何度も失敗をくり返し、何度も打ちのめされる出来事に見舞われ、何度も「いっそ辞めてしまおう」と決意しましたが、実際に10年経ってみて、この10 年間を振り返ってみたとき、深い満足感のある1 日の連続だったと心から思います。人は“ 幸福感” というものについて、自分自身を騙してしまうといいます。毎日、安心感のある場所にいるだけで、短期的には自分は幸福な人間であると思うことができます。ところが、ずっと困難やストレス、変化を避け続けていると、やがて「楽だったけど、もっとなにかできたのではないか」という苦しさに、じわじわと追いかけられることになります。今の自分はどんな状態でしょうか。やりたいと思っていることを、できているでしょうか。自戒の意味も込めて「今年が終わったときに、どんな仕事をしておけば良い1 年だったと思えるか?」を考えてみます。やりたいことは、“ やろうと思えばできる” うちにやるべきです。それは「いつやるか」という計画を具体的に予定に入れることです。「本当にやってもいいのだろうか」と恐れていることのほとんどは、やってみても問題ないことです。毎日を無難にこなすだけでなく、より良い経験を求めましょう。
迷ったときは、あえて大変な方を選ぼう。
図解 モチベーション大百科
CHAPTER4 意思決定のモデルケースより
“モチベーション"の正体を突き止めるべく、スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大、ペンシルバニア大など数々の一流研究機関でおこなわれた100通りの心理・行動実験を、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説。