目次
- ○返報性の原理こちらから先に好意を寄せる
- ○一字一句を素直にまねる。
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返報性の原理こちらから先に好意を寄せる
2人1組でニセの実験に参加します。
ひとりは被験者で、ひとりは仕掛け人です。
実験前に、お互いの印象をこっそり報告してもらいます。パターンAの被験者には…
実験の休憩時間中、仕掛人が2 本のコーラを買ってきてそのうちの1本を「君の分も買ってきたよ」と言って与える。パターンBの被験者には…
実験の休憩時間中、仕掛人はなにも親切をしない。実験が終わった後、仕掛け人は被験者にこんなお願いをします。
「実は私、個人的に新車が当たるくじを売っているんです。
1枚25セントなんだけど、何枚か買ってくれませんか。
できるだけたくさん買っていただけるとうれしいです」結果
パターンAの被験者は
パターンBの被験者とくらべて
2倍の枚数のくじを買った。
しかも、
実験前の相手に対する好感度と、
購入枚数の間には、相関関係がなかった。
…つまり
好き嫌いとは関係なく、人はなにかをして
もらうとその分返したい欲求がわく。人からなにかをしてもらった。その好意を無視して、礼儀知らずだと思われたくないから、なんらかの恩返しをしようとする心のはたらきは返報性の法則です。見返りを求めず、相手に物や情報をあげたり、人を紹介することで、相手に対して関心があることを伝えることができます。そして相手の「なにかお返しをしよう」という気持ちが具体的な形になることで、仕事のつながりが深まっていきます。こちらから先に「なにかをあげる」という好意をしめすことが、仕事においても暮らしにおいても人間関係を築く基本です。受け取る側としては「受け取る器」がためされます。いちいち恩を感じて、お返しをすれば、義理堅い人物だという評価は得られますが、窮屈にもなります。感謝の気持ちをしめしながら、いただけるものはなんでも気持ちよく受け取れる。そんな度量を持てば、人生はもっとおおらかなものになります。自分が見返りを期待しないからこそ、相手も見返りは期待しないと信じられるのです。
惜しみなくあげて、遠慮せずに受け取ろう。一字一句を素直にまねる。
レストランで実験をおこないます。
被験者はレストランの客で、仕掛人はウエイトレスたちです。Aチームの仕掛人は…
被験者である客から注文を受けたら、一語一句そっくりそのまま忠実に復唱するBチームの仕掛人は…
被験者である客から注文を受けたら、少しだけ言い回しを変えて復唱する結果
Aチームのウエイトレスは、Bチームのウエイトレスよりも70%多くチップをもらうことができた…つまり
相手の行動や癖をそっくり真似ると、
相手は自分に好意を持ちやすい。
(ただし、真似がばれると反感を買う)人間は進化していく過程で、対人関係について高度な理解が必要になりました。そこで信用できる人物を見きわめるために、「自分に同調している人」を探す能力を身につけました。人と向かい合って話しているとき、さりげなく試してみてください。不意に頭をかいてみたとき、相手も無意識に手を頭の上に持っていくかどうか。考えるふりをして腕を組んでみたとき、相手もつい腕を組んでしまうかどうか。テーブルの上の水を飲んでみたとき、相手もうっかり水を飲んでしまうかどうか。相手がどれくらい自分に同調するかによって、自分がいま相手に対してどれくらい影響力があるのかがわかります。人と信頼関係を築いていく上で、お互いに同調し合うことはとても大事です。同調を嫌う人もいますが、同調を邪魔するのはプライドです。自分の感覚にこだわっていたいのでしょう。それも悪いことではありませんが、たまには素直に同調してみるのも一興です。「乾杯」の音頭がまさにそうです。大勢の気持ちが一つにまとまる瞬間です。
相手への関心を仕草でしめそう。図解 モチベーション大百科
CHAPTER5 人脈作りのモデルケースより
“モチベーション"の正体を突き止めるべく、スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大、ペンシルバニア大など数々の一流研究機関でおこなわれた100通りの心理・行動実験を、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説。
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