目次
- ○問題は「あるもの」として話す。
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問題は「あるもの」として話す。
ある家電量販店で人気の製品を購入するというロールプレイをしてもらいます。
この製品には問題点があるのですが、どのように聞けば、被験者の販売員はそのことを明かすでしょうか。パターン1
仕掛人が「この製品について説明してもらえますか?」
と聞いたところ、販売員の8%が問題点を明かした。パターン2
仕掛人が「この製品にはなにも問題はないですよね?」
と聞いたところ、販売員の61%が問題点を明かした。パターン3
仕掛人が「この製品の問題点はなんですか?」
と聞いたところ、販売員の89%が問題点を明かした。(参考 ウォートンスクール ジュリー・A・ミンソンたちの実験)
…つまり
問題が「ある前提」でたずねた方が
問題点をたしかめやすい。説明や報告を受ける一番の意味はなにか?私たちは忘れてしまいがちですが、いま起きている問題点を聞き出すことです。ところがこの実験の販売員のケースだけではなく、部下や取引先、懇意にしているお客さんを相手にしたときも、隠れた問題点やデメリットを聞き出すというのは案外難しいものです。あえて、隠そうとしているわけではない。ただ、なにを問題点やデメリットととらえるかは、人によって解釈が分かれるので、なかなか打ち明けてもらえないのです。「問題はある?」と聞くと「(たぶん)ありません」という答えが返ってくる。ところが「いま起きている問題はなに?」とたずねることによって、相手の頭の中で問題のリストアップがはじまります。これは問題のフレーミングです。物事のどの部分にフォーカスを当てるかによって、相手は違うイメージを持つことになります。フォーカスを「問題」に当てれば、(問題点はある)前提になり、言いにくいことも話せる雰囲気になるでしょう。問題は見つかると重要感が傷つくものですが、「問題=厄介」ととらえると発見が遅れます。「問題=事実」ととらえ直す癖をつけましょう。問題は問題と認識することによって対処することができるのです。
まっさきに問題、不具合、デメリットを聞こう。
図解 モチベーション大百科
CHAPTER7 発想転換のモデルケースより
“モチベーション"の正体を突き止めるべく、スタンフォード大、ハーバード大、コロンビア大、プリンストン大、ペンシルバニア大など数々の一流研究機関でおこなわれた100通りの心理・行動実験を、ビジネスマンにも応用できるよう図解でわかりやすく解説。