目次
- ○歯が美顔に大きな影響を及ぼす!一顔面一単位という考え方
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歯が美顔に大きな影響を及ぼす!一顔面一単位という考え方
私が顔の「下半分」に注目した理由からご説明しましょう。それは、単純明快で私が歯科医だったからです。歯科医は、1本の歯だけを治療するのではなく、口の中全体を診る「一口腔一単位」と考えます。つまり、問題を抱える歯だけを診る「一歯一単位」ではなく、他の歯や、歯周組織(歯茎、歯を支える骨)、嚙み合わせ、あごの関節など、口腔内を総合的に診るということです。ですが、私はそこから1歩進めて、「一顔面一単位」として考えようと思っています。歯科医院=歯が痛くなったら駆け込むところ、ではなく、顔全体をトータルで診てくれる場所であって、結果その一部に歯があるんだよ、という概念です。というのも、歯が顔全体に及ぼす影響は計り知れないからです。たとえば、ほうれい線ができたら「どうしたらなくせるだろう。ボトックス注射かしら?」といったふうに「対処法」だけに注力する方は多いのですが、「どうしてほうれい線ができたのだろうか?」と「原因」を追究する方はあまりいないように感じています。ほうれい線が深くなることには色々な要因がありますが、ひとつには、歯の高さの変化が影響しています。加齢とともによく使う奥歯から欠損摩耗していき、全体の歯の高さが揃わなくなると、あごの位置も変化して前歯ばかりで嚙むようになります。すると、嚙み合わせで使う筋肉のバランスが悪くなり、顔の歪みを招き、結果ほうれい線が深くなる原因のひとつになります。また、嚙み合わせの高さが変わると、出っ歯気味になり、口元が大きく前に出て見えるようになります。まさに、オランウータンのような口元を想像してみてください。そして、歯の高さが変わると、皮膚もたるむ。うまく嚙めないので、筋肉の偏りも大きくなり、顔の歪みの原因のひとつにも……! つまり、「たかが歯、されど歯。あなどるなかれ!」なのです。歯、そして、口元の筋肉は私たちの美や健康に多大なる影響を及ぼしている。だからこそ、「一顔面一単位」の考えを大事にしたいと思います。そして、口元が美に影響していることを知ると、前述した美の基準が、顔の「下半分」にかかっていることをご理解いただけると思います。そして、これはのちほどご説明しますが、顔の「下半分」だけではなく、さらに下側の鎖骨・肩甲骨まわりの筋肉と美顔との関わりにまで、話を広げたいと思います。たった1本の歯の喪失が、ほうれい線の原因のひとつにつながっているように、鎖骨・肩甲骨も美顔につながっている。「木を見て森を見ず」といったふうに、細かいところばかりに注目するのではなく、皮膚1枚でつながった私たちの身体をもっと俯瞰で見て、トータルで考えられるようになると、美人にもっと近づけると思います。この「すべてはつながっている」という概念、本書のキーワードとなるので、忘れないでくださいね!
顔下半分で美人に魅せる!
Lesson1 「美の新基準」に着目せよ!より
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