目次
- ○自分に合った枕とは?
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自分に合った枕とは?
寝ているときの姿勢は、敷き布団はもちろんのこと、枕によっても大きく左右されます。理想的な枕とは、脊柱のS字カーブを保ちつつ、自由に寝返りが打てるものです。枕を使わなかったり、低すぎると、頭部の重みが首に直接かかって反り返り、椎間板を痛めやすくなります。また、柔らかすぎる枕でも、低い枕と同じになってしまいます。一方、枕が高すぎると、頸椎のところにある脊柱起立筋と靱帯が伸ばされて緊張してしまい、肩こりの原因になります。たとえ枕がからだに合っていても、その下の敷き布団が柔らかすぎてからだが沈んでしまえば、枕が高いのと同じ状態になってしまいます。成人の場合、あお向けに寝るとき枕の高さは5〜7cm程度がいいといわれています。この高さなら、頸椎の自然なカーブを保つことができ、首や肩周辺の筋肉や靱帯に無理な力が加わりません。枕の高さは5~7cmで後頭部から首、肩までのカーブにフィットする枕がよい横向きで寝ることが多い人は、あお向けの枕よりやや高め(10〜15cm)のものにしましょう。そうすることで、首すじを左右どちらか一方に伸ばすような負担を避けることができます。枕の高さは10~15cmがベストどちらの寝方でも、枕の正しい当て方は枕を肩口のギリギリまでしっかり入れることです。さらに、自由に寝返りが打てることも重要です。私たちは、一晩に20〜30回ほどの寝返りを打つといわれています。寝返りは単にからだの向きを変えて、敷き布団と接するからだの面を変えるためだけにするものではありません。私たちは寝返りを打つことで、起きている間に歪んでしまった脊柱を正しい形状に戻し、脊柱周辺の筋肉の緊張をほぐします。また、からだの重さから寝具と接する面に圧力がかかり血行が悪くなってしまうのを、体位を変えて防ぐというはたらきもあります。あお向けに寝ると、首の下にすき間ができ、後頭部と肩で首を支えることなり、その部分に圧力がかかる寝返りを邪魔しないためにも、寝返りが十分に打てるように、枕の幅が広いもの(少なくとも50〜60cm)を選ぶようにしましょう。
首・肩の痛みとこりを解消する
第4章 首・肩のこりを治すより
多くの人が悩まされている首や、肩周辺の痛みやこりと不快感。たかが肩こりと放置すると、さらに頑固な痛みに変わります。本書では、肩こりのしくみや原因とともに、肩こりと間違えやすい病気、首や肩周辺にあらわれる疾患、根本的に治す方法などをやさしく図解します。