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【医師執筆】頼まれた仕事を断る方法

社会人として仕事を頼まれることは普通に発生することですが、それでも自分の抱えられる範囲を超えて何でも引き受けてしまうのは問題です。時には断ることが必要となります。だからといって仕事を断るのは難しいものでもありますよね。上手に断るコツはあるのでしょうか?精神科医で臨床心理士である和田秀樹さんの著書から、断るポイントを2つご紹介します。

和田秀樹

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目次

  1. ○頼まれた仕事を断るための二つのポイント
     
    • 頼まれた仕事を断るための二つのポイント

      頼まれた仕事を何でも引き受けてしまう人がいます。
      仕事を溜め込んで溜め込んで、気づいたときには納期に間に合わなくなっていたり、精神的に参ってしまったり……。処理しきれない仕事を断れないのは、会社にとっても、本人にとっても良いことは何もありません。
      だからといって、仕事を断るというのはとても難しいことです。
      相手が上司やお得意さん、常連さん、支払いの良いクライアントであれば、それはなおさらのことです。
      どうすれば、処理しきれない仕事を我慢せずに首尾よく断ることができるようになるのでしょうか。
      そのポイントを二つ紹介しましょう。
      まず一つは、「自分が処理できる範囲をきちんと見定めておく」ということ。
      過大評価をすることなく、また過小評価もすることなく、妥当性と客観性をもった自己評価を行ない、書き出してみてください。
      たとえば、「A」という資料作成の業務があったとして、一つの「A」に何時間かかるのか、週に何個までなら就業時間内にできるのかといったことを把握しておくのです。
      そうすることで自分の限界がわかるようになり、とっさの頼まれごとのときにも、何となく承諾してしまうということがなくなります。
      もう一つのポイントは、タイミングを見て、相手にその自己評価を伝えることです。
      なぜあなたに仕事が山積するのかといえば、頼んでくる相手が「あなたにならできる」と思い込んでいるからです。
      でも、それが本当にできるのかどうかは、あなた自身にしかわかりません。だからこそ、それをきちんと伝える必要があるのです。
      自己評価を伝えることで、たとえばそれが上司ならば、締切時間を猶予してくれたり、ほかにもっとできる人間に仕事を振ってもらうことも可能です。
      その上司からしても、部下であるあなたが我慢をし続けて、最終的に仕事がポシャってしまえば、自分が責任を取らなくてはなりません。ですから、きっと無理強いはしなくなるでしょう。
      ただし、先ほど「妥当性や客観性がないといけない」と書きましたが、これはとても重要です。
      妥当性や客観性がなければ、「ただサボりたいだけだろう」と思われてしまうからです。

「我慢する」がなくなる本

和田秀樹

ぱる出版

第2章 「我慢する」はこうして転換するより

身体的にも、精神的にも、我慢があなたに良い影響を与えることは一切ありません。逆に我慢は病気のもとです。「自分が謝れば済むことだから……」などと、我慢した結果、体も心もボロボロになってしまえば元も子もありません。長くもない人生、今が、そして結果がすべてです。

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