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【管理栄養士執筆】正しい糖質とのつき合い方

ダイエット・健康法としてブームとなった糖質制限ですが、基本的に糖質とは体を動かすためのエネルギー源であり、まったく不要なものなわけではありません。また、農耕民族であった日本人にとって、米食は体質的にも合っていると考えられます。しかし、とり過ぎては肥満や疲れの原因になるのも事実です。どのように糖質と付き合っていけばよいのか、管理栄養士の著書からご紹介します。

堀知佐子

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目次

  1. ○正しい糖質の摂り方
  2. ○甘いものの効果は一瞬だけのワナ
     
      糖質制限ダイエットの一大ブームも、少し落ち着いてきたように感じます。
      糖尿病学会が極端な糖質制限がもたらすからだへの悪影響を発表したのを機に、各メディアが抑えに入ったのかもしれません。
      糖質はもっともエネルギーになりやすい栄養素で、足りなくなるとからだの脂肪や筋肉を壊して糖をつくり、エネルギーに変えます。ですから、糖質中心の献立がよいのですが、摂りすぎると糖分をエネルギーに変えるからだの回路に必要なビタミン類が不足します。
      それと同時に乳酸という疲労物質がたまり、疲れを感じるのです。
      疲労回復に必要なビタミンB1は、糖質の代謝に役立つビタミンです。
      糖質を摂りすぎると、疲労を回復するために使われるはずのビタミンB1が、糖質の分解にせっせと使われるので疲れが取れないのです。
    • 正しい糖質の摂り方

      私たち日本人は農耕民族ですから、主なエネルギーをお米から摂ってきました。
      宮沢賢治の雨ニモマケズの詩の中に、「1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ」というフレーズがありますが、1日に4合とは大変な量です。
      ですが、玄米の持つビタミンB群と味噌のたんぱく質やミネラル、少しの野菜とは、当時のことを考えると根菜や葉物類であると想像できます。
      そう考えると玄米には穀物繊維があり、根菜にも食物繊維と糖質、葉物野菜のビタミンCや葉酸ようさんなどと考えると、結構な栄養バランスになります。
      血糖値を急速に上げる食品や、過剰な油脂ゆしを摂っていないので、4合の玄米を食べたとしても肥満や生活習慣病などがなかったのです。
      もっとも、玄米が持つ米ぬかには糖質、脂質、たんぱく質のすべての代謝に関わるビタミンB群が豊富なので、当時の食事には必須だったのでしょう。
      現在、玄米はミネラルの吸収を阻害するなど新しい根拠もわかってきたことから、玄米ばかりの食事がよいとは言えなくなってきています。
      しかしながら、精製度の高い糖質ばかりを摂ることが、からだにとっていろいろと不具合をもたらすこともわかり、糖質の摂り方について物議をかもしています。
      1日の総摂取エネルギーの55%を炭水化物から摂りましょう、ということを現在厚生労働省が食生活摂取指針として出しています。
      炭水化物は糖質+食物繊維のことを言います。食物繊維を十分含んだ糖質を摂ることで、疲れ知らず、肥満知らずでいられることでしょう。
    • 甘いものの効果は一瞬だけのワナ

      うつと甘いものの摂りすぎが関与しているという報告もあります。
      実は甘いものを食べて疲れがとれるのは一時的とされています。むしろ、甘いものを食べると疲れが倍増することもあるのです。
      それは糖質を摂取すると血糖値が上がり、高くなった血糖値を下げるためにインシュリンが分泌されます。特に砂糖がたくさん含まれているような甘いものを食べると血糖値が急上昇するため、インシュリンもいつもよりたくさん分泌しなければならなくなります。
      しかも、そのせいで食べる前よりも血糖値を下げてしまうこともあります。
      そのため食べる前よりもエネルギー源不足に陥り、余計に疲れが倍増することにつながるのです。また、低血糖になるとアドレナリンの分泌が高まるため、攻撃的、イライラ、キレやすいといった精神状態に陥りやすくなります。
      血糖値が乱高下しているので、体内がまるでジェットコースターに乗っているようなものなので、そううつになるなどとも言われているのです。
      甘いものの摂り過ぎが疲れる原因になるというのも、わかりますよね。

若返り食生活

堀知佐子

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