目次
- ○ファイトケミカルで細胞を若返らせる
- ○なぜ「酸化」はいけないのか?
- ○ポリフェノール系
- ○カロテノイド系
- ○イオウ化合物系
- ○テルペン類
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ファイトケミカルで細胞を若返らせる
ファイトケミカル、またはフィトケミカルという言葉をご存じですか?ファイトケミカルとは植物由来の機能性成分で、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質です。美容・健康業界では、もう20年以上も前から健康に寄与する成分として、注目を集めています。抗酸化力や免疫力のアップ、健康維持と改善に役立つとされ、研究が進んでいます。なかでも注目したいのは、抗酸化力で活性酸素が細胞を酸化するのを防ぐ力で、生命を若々しく維持する力として注目を集めています。 -
なぜ「酸化」はいけないのか?
酸化は、さまざまな病気や老化の原因とされ、がんや認知症、生活習慣病とも密接な因果関係があるといわれています。これらの疾患に対して、ビタミンやミネラルとともに、ファイトケミカルを上手に摂り入れることにより、予防に役立つのではないかと期待されています。たとえば、赤ワインに含まれていることで話題になったポリフェノールも、ファイトケミカルの一つです。これも活性酸素を取り去る抗酸化力があります。このほか、現在発見されているファイトケミカルは約1500種類とされています。ほとんどの植物に含まれ種類も多く、バラエティーに富んでいます。ファイトケミカルはポリフェノール系、カロテノイド系、イオウ化合物系、テルペン類などがあります。それぞれどんなはたらきがあるのでしょうか。 -
ポリフェノール系
植物が光合成を行うときにできる物質の総称です。本来、植物自身が生きるための物質ですが、人の体内に入っても抗酸化物質として有効に働くことがわかっています。水に溶けやすく、吸収されやすいのも特徴です。ポリフェノール系は大きく分けると、「フラボノイド系」「フェノール酸系」になります。フラボノイド系にはアントシアニン(ブルーベリー)、カテキン(お茶、ワイン)、へスぺリジン(はっさく、みかん)、ケルセチン(玉ねぎ、そば)、イソフラボン(大豆)があります。フェノール酸系にはリグナン(ゴマ)、クロロゲン酸(コーヒー、ゴボウ)、サポニン(大豆、小豆)があります。 -
カロテノイド系
動植物に含まれる色素成分です。抗酸化力が強く、活性酸素から身を守ります。がんや生活習慣病を抑制するはたらき、美肌効果やシミ予防、目の健康を維持するのにも効果を発揮するといわれています。β-カロテン(ニンジン・カボチャ)、α-カロテン(グリーンピース、トウモロコシ)、リコピン(トマト、スイカ)、ルテイン(トウモロコシ、ほうれん草、ブロッコリー)、ゼアキサンチン(トウモロコシ、ほうれん草)、β-クリプトキサンチン(みかん、オレンジ)などがあります。 -
イオウ化合物系
強い刺激臭でその臭い成分が抗酸化力を発揮します。血行・血流の改善作用もあり、強い殺菌力があるため、食中毒を防ぐ薬味としてもよく使われます。スルファラファン(ブロッコリー、キャベツ)、アリルイソシアシネート(わさび)、システィンスルホキシド(玉ねぎ、にんにく)があります。 -
テルペン類
ハーブや柑橘類などの特有の香りと苦味成分です。抗酸化作用があり、生活習慣病を防ぎ、香りは抗うつ作用が期待されるものもあります。オイゲノール(グローブ)、リモネン(レモンなどの柑橘類の果物)、メントール(ハッカ)、チモール(タイム、オレガノ)などがあります。身近な食材に豊富に含まれていますから、上手に毎日の食事に使用してほしいものです。若返りの基本は、毎日の食事が肝心です。食べ物には多種多様な成分が含まれているため、体内に吸収されると互いに助け合いながら、からだへの相乗効果を発揮します。多種類の野菜や果物をバランスよく摂り入れていきましょう。
若返り食生活
第3章 からだまるごと若くなる!より
30代からだんだんと衰えていくからだ。そんなからだの中から健康に、見た目もキレイになるために必要な食材・栄養素・調理法・時間など食事のすべてを網羅したのが本書。