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働く女性必見!仕事のために女を使う?使わない?
働く女性にとってオンナを使うか使わないか迷う場面はたくさんありますよね。そこで、元吉本興業・伝説のマネージャー大谷由里子さんが実際に経験をしてきた「女」と「仕事」について「オンナの敵はオンナ」よりご紹介します。
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目次
- 女を使うか、使わないか
- 仕事をもらえるなら、何でもする?
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女を使うか、使わないか
女性であることで得したこともたくさんある。バブルの時代を生きてきた。企画会社の社長で、さまざまな会社と取引をさせてもらっていた。だから、広告代理店の担当者や、経営者や企業など、様々な人から声がかかった。美味しい店にも連れていってもらったし、ステキなお店にも連れていってもらった。高級
なお寿司し屋さん、鉄板焼き、ホテルのラウンジ……。そして、タクシーチケットをもらって、家まで帰った。当時は女性社長も少なかったし、マスコミなどにも取り上げられて、いろんな人がチヤホヤしてくれた。そんなある日だった。わたしは、ある大手鉄道会社の広告代理店の人と飲んでいた。帰ろうとしたとき、「休んでいきましょうか」とホテルに誘われた。わたしには、そんな気はまったくない。
しかも、タイプじゃない。当時30代のわたしは、50歳を過ぎたその男性に魅力を感じていなかった。「何を言ってるんですか」と、サッサとタクシーに押し込んだ。それまで、その人とよく食事などに行っていた。年間600万円くらいの仕事をもらっていた。でも、その日から、その人が嫌になった。なんとなく、その人に会うのも気まずい。わたしはできるだけ、スタッフに任せて、その人と会わないようにした。 -
仕事をもらえるなら、何でもする?
それからしばらくした頃、「いままでの仕事を、今年度はプレゼン形式にします」という通達が来た。わたしたちが何年もやってきた仕事だった。「何か悪い点があったんですか?」とたずねた。「クライアントの意向です」と大手鉄道会社の名前を言われた。わたしは、その鉄道会社の担当者も知っていた。「うちに落ち度があったんですか?」と、担当者にたずねてみた。「うちは大谷さんのところでいいんだけれど、代理店が言ってきたんだ」と言われた。あの夜のことを思い出した。「このプレゼン、落とす……」と思った。もちろん、そんなことを知らないわたしの部下は一生懸命。会議をして、プレゼンの資料やラフをつくっている。でも、やっぱりダメだった。落ち込んでいる部下に対して、ホテルに誘われたことを話した。部下は、「わたしの企画が超一流だったら、こんなことにならなかったです」と、可愛いことを言ってくれた。わたしは反省した。クライアントと2人きりで夜に飲みに行くことはやめようと思った。自分にスキがあったのも事実だった。それからしばらくたって、その仕事を手に入れた別の会社のことを知った。やはり、その会社は女性が社長だった。そして、その担当者と、彼女が親しそうにしている場面に出会った。「絶対、彼女は仕事を取るためにホテルに行った」と、わたしは確信した。この事件だけじゃない。もともと、わたしは、そんな世界があることを知っている。実際、女を使うことで入ってくる仕事もたくさんあった。ある女性タレントは、いきなり人気番組に抜擢された。そのタレントと番組のプロデューサーがラブホテルから出てくるのを、わたしの吉本興業時代の先輩が目撃。「俺、必死に逃げたよ。でも考えたら、俺は、自分の彼女とホテルに入ろうとしてたんだよなあ。なんで、俺が逃げなきゃダメなんだ」と笑っていた。また、ある番組ではスタジオの花代がすごく高かった。「なんでこんなに花が必要なの?」と突っ込んだわたしに、ディレクターが、「決まってるだろ。お花の先生とプロデューサーの仲を察しろ!」と言われたこともあった。そんなことは日常茶飯事だった。だから、女性を武器に仕事を取る人がいるのもわかっていた。でも、わたしは、そんなの嫌だった。そんな話をしていたら、女性の友人に言われた。「相手が、藤井フミヤだったらどうする?」「仕事くれなくてもいい。仕事、一緒にさせてもらえるなら、すぐにホテルでもどこでもついていく」情けない……わたし。あっ、でも、それは、絶対ありえないか(笑)。
オンナの敵はオンナ
第3章恋愛と仕事のバランス─ 男と共存していくにあたってより
本書では20代で結婚、出産、起業を経験、今も第一線で活躍し続ける著者だからこそ知るオンナたちのリアルな世界をお届けいたします。