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食べた栄養素の行方と身体への影響

食べ物を食べると、そこに含まれる栄養素はどこで体に吸収されているか、またどのように作用しているかご存知ですか?かつて学校で習った気がするけど…という方、改めてチェックしてみましょう。

山崎志保(監)

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目次

  1. ○酵素に分解された糖質・タンパク質・脂質はどこへ?
  2. ○食事で摂取した3大栄養素=炭水化物(糖質+食物繊維)・タンパク質・脂質のゆくえ
  3. ○子供の頃から「バランス良く食べましょう」と言われる理由
     
    • 酵素に分解された糖質・タンパク質・脂質はどこへ?

      タンパク質や脂質にはどんな消化酵素があり、それらの酵素で分解された食品はどのような過程を経て、人間のカラダにどう作用するのでしょうか? 食品には様々な消化酵素が含まれており、胃酸とともに分解されたのち、活動エネルギーになったり、皮膚や髪、爪、粘膜になったり、血液や骨、筋肉になったり、余剰分は体脂肪になったりします。 余剰分が体脂肪になってしまう糖質や脂質より、髪や粘膜、筋肉になるタンパク質をできるだけ摂取したい理由はここにあります。糖質、脂質、タンパク質、それぞれ別な消化酵素によって分解され、カラダの中で作用されていく流れを、下記の一覧にまとめました。 
    • 食事で摂取した3大栄養素=炭水化物(糖質+食物繊維)・タンパク質・脂質のゆくえ

      糖質 【消化酵素】アミラーゼ

       主に含まれる食品

        大根・キャベツ・山芋・カブ・バナナ・生姜・キウイ・パプリカ・梨など

       酵素で分解された後、各栄養素の役目・働き

        ぶどう糖→肝臓でグリコーゲンとして貯蔵

         活動エネルギー+蓄積

         筋肉には約400g蓄積 肝臓には約100g蓄積

        脂肪細胞や肝臓で中性脂肪として貯蔵

         活動エネルギー+蓄積

         余剰分は体脂肪へ


      タンパク質 【消化酵素】プロテアーゼ

       主に含まれる食品

        麹・納豆・塩辛・パイナップル・パパイヤ・いちじく・キウイ・プルーン・りんご・ゴーヤ・メロン・玉ねぎなど

       酵素で分解された後、各栄養素の役目・働き

        必須アミノ酸9種

         体内で合成できないため、食事から摂る必要がある

         バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン

        非必須アミノ酸11種

         体内合成できるが積極的に摂取したい

         アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸

         筋肉、皮膚、髪、爪、粘膜、骨、血液など、あらゆる体組成へ。

         エネルギーにも。

         余剰分は二酸化炭素と水になり排せつされる


      脂質 【消化酵素】リパーゼ

       主に含まれる食品

        納豆・甘酒・チーズ・アボカド・イチゴ・グレープフルーツ・大根・ほうれん草・トマトなど

       酵素で分解された後、各栄養素の役目・働き

        中性脂肪、コレステロール、リン脂質、脂肪酸

         細胞膜の原料、体温の保護、脂溶性ビタミンなどの吸収、ホルモンなどの分泌量コントロール

         活動エネルギーへ

         余剰分は体脂肪へ

    • 子供の頃から「バランス良く食べましょう」と言われる理由

      下記の図は、食品に含まれる9種類の必須アミノ酸を、1種類づつ「桶の板」で表現したものです。小麦粉の図を見ると、リジンが不足しています。つまり他8種類のアミノ酸をどんなに多く摂取しても、リジンの数値レベルに合せた水しか、桶に貯めることができないのです。
      食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを数値化したものを「アミノ酸スコア」と言い、数値が高いほどバランスが良いとされます。卵は9種類全ての必須アミノ酸バランスが良いため、アミノ酸スコアは「100」です。
      小麦粉の桶を見ると、リジンの板が少ない(短い)ことで、桶の水が満たされない状況になっています。この場合、リジンを「第一制限アミノ酸」と言い、桶が制限されてしまう原因となります。
      米は約7%、小麦粉には約9 ~ 12%程度のタンパク質が含まれていますが、いずれも必須アミノ酸であるリジンが不足しています。そこで、リジンが多い豆類や卵を補うことで、理想的な桶が作られます。ごはんやパンだけでなく、卵や大豆製品を一緒に、バランスよく摂りましょうと言われるのはこのためです。

      有効タンパク質の増加

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