目次
- ○ジャマしているものが何かに気づく
- ○心と頭を一致させよう
- ○プライドを断捨離して整理する
- ○整理メモ
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ジャマしているものが何かに気づく
バリバリ仕事ができて話もおもしろい上司。私は以前から彼女に憧れていたので、直属の部下になった当初は舞い上がっていました。けれど、いざ一緒に働いてみると、休みなく働かないとついていけないし、「全部やれて当然」とハードルがどんどん上がるしでウンザリ。今では毎日会社に行くのがユウウツです。心と頭の状態「キツイよ〜。ムリ〜。休みたい…」「ムリ…と言いたいけど、今までがんばってきた私なら、がんばれるはず。やることに意味がある!」 -
心と頭を一致させよう
私にも同じ経験があります。人間的に上司は好きでしたが、やり方についていけず、会社に行くのが苦痛になりました。結局3カ月ほど休職し、復帰後に異動しました。休職や自信を失う前に、上手に対応したかったと今では思います。弱音を吐けない努力家努力家のK子さんは、学生時代は、柔道部で県大会で上位に食い込むほど猛烈に打ち込み、就職後も持ち前の努力で、憧れていた上司のもとへ配属になりました。男性が多い職場でバリバリ働くかっこいい女性の上司。K子さんは「がんばろう!」と意気込んだものの、毎晩、残業しても追いつかないほどの激務。でも、その倍の仕事をこなす上司に弱音も吐けず、「仕事楽しいよね!」と声をかけられるたびにユウウツに。疲れも抜けず、毎朝「会社に行きたくない」と思いながらも、ベッドから体を剥いで起きているそう。がんばることの目的は原動力になっているか?がんばり屋は長所ですが、発揮できる状況でないと、自分を追い詰めるばかりです。「振り返って、今回のように心身ともにキツくユウウツだったことってある?」「運動部だったのでキツいことは多かったけど、こんなに長く続くことはなかったです…。でも、私ならできるって証明したいし、上司にも認められたい…」今までK子さんはプライドを原動力にがんばってこられたようです。でも今回は、それだけでは足りないから、つらいばかりなのかもしれません。「部活の頃とはどう違うと思う?」「部活もかなりハードでしたが、キツくても楽しかったんです。今は、朝起きるのも、仕事からの帰りもつらくて。でも、仕事なら当然だし、上司に失望されたくない…」どうやら、原動力だったはずのプライドから「上司に失望されるかも」という不安が出てきて、ムリすることを止められず、こんがらがった頭はフリーズ状態です。単刀直入に聞いてみることにしました。「このままずっと続けたらどうなる?」しばらく考えていたK子さんは「ムリですね。体が持たないか、先に心が折れそう。そうでなくても、大きなミスを出して周囲に迷惑をかけそう…」と答えました。「じゃあ、どうしたらいいかな?」「要領がいい先輩や同僚に相談してみます。それで解決できなかったら、上司に直接相談してみようと思います」 -
プライドを断捨離して整理する
「がんばらなきゃ」でフリーズしてしまったときは、いったんそれを横に置き、心の声を聞いてあげましょう。次の問いを自分に投げかけてみてください。このままずっと続けたらどうなる?
「ムリ」という心の声を認めると「私なら今回もがんばれるはず」と自分を鞭打っていたプライドが薄まります。すると、頭が心に協力して「あの上司のようなやり方ではなく、どうやったら自分がうまくいくのか」について考えることができます。心を認めると、頭を切り替えてうまく対応できる心の声に耳を傾け「自分に鞭打つプライド」というジャマなものを捨ててしまえば、視野が広がります。たとえば、K子さんのように周囲や上司に打ち明けたり、あるいは人事に相談することも打開策になります。そうやって「上司と私」以外の人たちの姿も視野に入れ、周囲に相談したり、頼ったりすると解決します。自分の心の声を聞けるのは自分だけ。本当に感じていることを自分に偽ってムリをしても、長く続けているとどこかで息切れしてしまうもの。プライドがそれをジャマしているなら、自分を解放してあげましょう。ムリを認めても、あなた自身の能力は変わりません。自分らしくがんばれるやり方で仕事を成し遂げれば、ちゃんと評価されますよ。 -
整理メモ
何かを成功させる秘訣は「続ける」こと。続けるためには、自分らしくムリのないやり方を選ぶのがポイントです。成功している人とまったく同じことを続けられるのならば、自分に合った方法と言えますが、続けるのが苦しいならば、別の自分らしい方法を見つけたほうがいいです。ダイエットなんかもそうですよね。1カ月間、炭水化物を摂取しないで、ジョギングなど有酸素運動を毎日実行して5キロ痩せた。そんな人のやり方を、残業も会食も多い人がそのまま取り入れるのは難しいです。それよりも、もうちょっと長い期間をかけて、ビールをハイボールに変えたり、残業前と残業後にサラダとささみを食べたりするなど、自分の生活に合ったやり方をとったほうが現実的。自分らしい方法を見つけ出すのは、意外に楽しいものです。何かがうまくいかなくても、試してない方法は無限にあるので、また次を試せば良いだけなのだから。
人間関係の整理術
第4章 【職場の人間関係編】ジャマなものは断捨離してラクになろうより
本書でご紹介する「問いかけ」は、身近な人たちの悩み相談にのる際にも有用です。賛否でもなく、的外れなアドバイスでもなく、悩んでいる人の心に届き、動かす、そんな勇気づけの言葉としてお使いください。