目次
- ○人を褒めるのも、やっぱり「自分のため」
- ○相手に合わせて感情表現の言葉を選ぶ
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人を褒めるのも、やっぱり「自分のため」
人を褒めるときにも「自分中心の考え方」が大切です。つまり、人が動くかどうかより、自分がどう感じるかのほうを重視するのです。「あっ、今日のネクタイ、素敵ですね」「髪型変えた? 似合ってるね」など、素直に思ったことを口に出して人を褒めてみる。するとまず、お互いの距離が縮まります。そして何より、褒めた自分が気持ちいい。そのいい心の状態で目の前の相手とコミュニケーションを始めれば、相手を「動かそう」としなくても、自然に仕事に対するお互いの「その気」が湧いてくるのではないでしょうか。そう、「褒める」ということは、褒めた人・褒められた人の両方を「その気」にする効果もあるのです。さらに、褒めるよりも「その気度」を高めるいい方法があります。それは、「勇気づける」ことです。勇気づけるといっても、この場合は、「がんばれ!」と激励することではありません。激励の言葉をつかわなくても相手に自信を持たせ、自然に「よし、やってみよう」という気にさせること。それが「勇気づける」なのです。お母さんが子どもに言うセリフを例にとってみましょう。褒める→「○○ちゃん、ちゃんとお片付けができて偉いわね」勇気づける→ 「○○ちゃん、ちゃんとお片付けができたのね。お母さん、嬉しい」この違い、わかりますか?「褒める」は、ただ「できた」という客観的事実を評価すること。そして、「勇気づける」とは、事実にプラスして「お母さん、嬉しい」のような一人称の感情の言葉を話すこと。子どもにとって大きな自信になるのは、「ただ褒められたこと」より、「お母さんを喜ばせたという嬉しさ」です。これに勇気をもらって、「次もお片付けをがんばろう」と「その気」になるのです。大好きなお母さんをまた喜ばせたいという思いも「その気」の原動力となるでしょう。これが「勇気づける」ということなのです。ここでは子どもを例にとりましたが、大人同士のコミュニケーションでも同じです。仕事で相手を褒めるときは、ワンランク上の「勇気づける」を試してみてください。ポイントは、感情の言葉です。「嬉しい」「ホッとした」「誇りに思う」など、あなたの心に芽生えた素直な感情の言葉が、相手の心に響きます。その言葉に背中を押されて、お互いがより楽しくのびのびと、それぞれの力を発揮できるようになるのです。 -
相手に合わせて感情表現の言葉を選ぶ
上司や先輩、同期、後輩など、相手の立場によって「勇気づける」言葉は変わってきます。より相手の心に響くのはどんな言葉でしょう。●上司や先輩には?「○○さんのような方が私の先輩なんて、誇らしいです」
「私、○○課長の部下でいられて、トクした気分です」
「○○さんと仕事ができて、すごく勉強になりました。とっても嬉しいです」
●同期には?「この間もらった情報がすごく役立って、私、ラクさせてもらったよ」
「どうしてそんな新しい発想ができるの? すごいなぁ。悔しくなっちゃう」
「やっぱり○○さんの力が必要。いなくなったら、困るからね」
●後輩や部下には?「ここまでやれるなんて、正直、感動しちゃった」
「期限に間に合わせてくれてよかった。ホッとしました」
「○○さんの挨拶、ハキハキしていていいね。私も元気になります」
このとき、自分の気持ちを特別大げさにしたり、表現に工夫を凝らす必要はありません。思ったことを素直に口に出すからこそ、相手を「その気」にできるのです。
女子の働き方 男性社会を自由に歩く「自分中心」の仕事術
第3章 コミュニケーションを磨いた分だけ、仕事は楽しくなっていくより
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